省エネ補助金活用の成功事例 導入前後を比較 ~工場編~

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老朽化した設備の更新や省エネ設備の導入の補助金について、「申請の方法がわからない」「手間に見合うのか分からない」「申請したがダメだった」・・・など、補助事業に対する理解不足からうまく利用できない事業者は非常に多い。成功した企業は、補助事業をどう利用したのか。平成26年度エネルギー使用合理化等事業者支援補助金事業(以下、エネ合補助金事業)を利用し、まもなく1年を迎える株式会社共栄商会の代表取締役 金原氏に話を聞いた。

経費節減の中、電気料金値上げが直撃し、大幅な省エネ・省コストが経営課題に

株式会社共栄商会 代表取締役 金原氏
株式会社共栄商会 代表取締役 金原氏
「補助金の情報はお付き合いのある業者から聞き初めて知りました」と語る

「省エネ化の効果?実感どころの話じゃないですね。こんなに効果があるとは驚きです。冷凍機だけ更新していても、この結果は出なかったでしょうね」と語るのが、「菜乃屋ブランド」のわさび漬・漬物製造販売事業で静岡県磐田市に工場を構える株式会社共栄商会の代表取締役 金原氏。

金原氏がこう答えるのにはわけがある。同社では2011年当時、年々増え続ける電気代が経費を圧迫し始めていた。そこへ震災が発生し、電気料金の値上げが直撃した。夏場は漬物などの冷凍冷蔵食品を扱っているため電気使用量が大きく、売上が伸び悩んでいる時期に電気料金だけが上がると、経営の危機さえ感じたという。

株式会社共栄商会 磐田工場
電気料金値上げによる経費圧迫が課題だった

金原氏は、まず電気使用量を手動で管理するデマンド監視装置を導入。アラートが出るたびに設備のスイッチを切る、空調や照明をこまめに消すなど、マニュアルでの節電対策を人的努力で実施したものの、「高騰する電気料金を上回るほど効果はほとんど得られなかった」という。

それもそのはず、空調・冷凍機は20年近く前の型であり、現状と比較して効率が非常に悪かった。省エネタイプの機器に変更すれば電力コストの削減はできるとわかっていたが、当時は試算方法もわからず、なによりイニシャルコストが膨大にかかると考えていた。そのため、金原氏は一番電気料金がかかっていた冷凍機から設備を更新しようとした。

補助金を利用して、省エネ・省コストの設備に更新

各書類を見ても、エネルギーのことは全く分からない素人ではお手上げだ
各書類を見ても、エネルギーのことは全く分からない素人ではお手上げだ

そこで付き合いのある業者へ相談したところ、金原氏は設備投資時に活用できる「エネ合補助金事業」の情報を聞いた。「補助金で初期費用を抑えられるなら、コスト削減後のランニングコストをうまく計算すれば、元が取れるかもしれない」と考えたためだ。

「エネ合補助金事業」に申し込もうとした金原氏だが、これまでに経験した雇用関係の助成金や銀行が対応してくれる融資制度とは少しわけが違った。設備更新でどれだけ省エネになるのかなど、省エネ効果の計算や専門的な書き方、設備導入計画なども要求される。金原氏は「とても採択を狙えるものではない」と尻込みしていたという。

そんなとき、ちょうど付合いのあるメンテナンス業者からリミックスポイントを知ったという。省エネ対策と補助金申請のコンサルティングを行っておりエネマネ事業者でもあるリミックスポイントは、冷凍冷蔵機に加え、LED照明・空調設備・EMS(エネルギー・マネジメント・システム)の導入を提案。その結果、みごと補助金事業に採択され、エネマネ事業者の活用により補助率も対象経費の 1/2にアップした。さらに、設備の導入にはリース方式を採用し、初期費用や申請書類作成などの手間も最小化した。採択されてからも、実際に補助金が交付されるまで手厚くサポートを受けたという。「照明や空調を同時に更新できたことがよかったです。また、更新する範囲を的確にアドバイスしていただいたのも、非常に助かりました」と金原氏。

また、自動的に電力を制御してくれるEMSの導入により、マニュアル操作で必要とされていた手間が軽減し、電気料金の削減につながっていることも実感していると金原氏。空調設備も新しく高効率なものになり、自動制御されていても今夏は工場内を快適な温度に保つことができたという。肝心のコストも、削減した電気料金がリース費用を上回った。

金原氏は「設備更新による省エネは、経営課題のひとつ。事業として取り組まないといけないし、効率よく、かつ効果を出すためには、やはり専門家にアドバイスを求めることが不可欠だと思います」と語った。

導入前後の詳細な分析データをダウンロード頂けます。

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