環境用語集 PID

PIDとは

PID(Potential Induced Degradation)とは、産業用の太陽光発電システムなど、高電圧を発生させる太陽光発電システムで太陽光発電モジュールと、それを支える金属フレームの間で漏れ電流が発生し、出力の低下を招く現象のこと。PID現象、電圧誘起出力低下現象とも呼ばれる。

大規模な太陽光発電システムの場合、多くの太陽光発電パネルが直列に接続されており、フレームとのより大きな電位差が発生する陰極に近いモジュールに影響が出る。著しい場合は90%もの出力低下が見られ、メガソーラーの運営が早くから始まった欧州では、大きな問題となっている。

【参考】
季刊 環境ビジネス 2013年春号 巻頭特集「PID現象対策」

PID耐性を発表した太陽電池メーカー(※発表新しい順)

サンテックパワー

VDE試験所(ドイツ)にて試験。摂氏25度、相対湿度75%で168時間1000Vの直流電圧を印加したが、著しい性能の低下は見られなかった。(2012年11月2日

パナソニック

株式会社ケミトックスにて試験。摂氏60度、相対湿度85%で96時間1000Vの直流電圧を印加したが、著しい性能の低下は見られなかった。(2012年9月20日

カナディアン・ソーラー

Photovoltaic Institute (PI) Berlin(ドイツ)、PV EvolutionLabs(アメリカ)にて試験。(2012年7月30日

京セラ

フラウンホーファー研究機構にて試験。摂氏50度、相対湿度50%で48時間1000Vの直流電圧を印加したが、著しい性能の低下は見られなかった。(2012年7月30日

シャープ

フラウンホーファー研究機構にて試験。摂氏50度、相対湿度50%で48時間1000Vの直流電圧を印加したが、著しい性能の低下は見られなかった。摂氏60度、相対湿度85%、96時間での独自試験でも性能の低下は見られなかった。

Qセルズ

フラウンホーファー研究機構にて試験。摂氏50度、相対湿度50%で48時間1000Vの直流電圧を印加したが、著しい性能の低下は見られなかった。(2012年6月25日

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