※月刊「環境ビジネス」2006年12月号 特別企画「検証!ビル・工場の省エネツール」の内容を掲載しています。
掲載内容は、2006年11月時点のものです。
一般的なオフィスビルが消費するエネルギーの中で、最も大きな割合を占めるのが空調設備(約38%)。そのうち34〜42%は外気(換気)負荷であり、換気による空調エネルギーのロスの削減が、オフィスビルでの省エネの課題といえる。
オフィスビルのほか、各施設別の全エネルギーに占める空調エネルギーの割合は、学校:49%、病院:44%、店舗:37%(省エネルギーセンター、「ビルの省エネルギーガイドブック平成15年版」)となっている。
2003年7月の改正建築基準法によって、シックハウス対策として居室の換気設備が義務化された。それに伴い、従来基準の「窓や扉開放による換気」が新基準「機械換気設備の設置」に変更。また、延面積が3000m2以上のホールや店舗などの特定建築物では、「建築物の衛生的環境の確保に関する法律」の対象となり、届出の義務付けや管理が必要となった。

熱交換効率を約9.6%改善した三菱全熱交換形換気機器「設備用ロスナイ床置形」。
オフィスや学校、店舗といった大空間の空気環境を改善しつつ、ビル内の省エネ対策、とりわけ空調費用の削減を実現する換気機器が求められるようになった。そこで開発されたのが全熱交換形の「設備用ロスナイ床置形」である。
「ロスナイ」は三菱電機独自の高効率な全熱(※1)交換器「ハイパーエレメント」(※2)を搭載したことで、熱交換効率を最大約9.6%(同社の従来品比)改善。ロスナイでは外気負荷の70%(全エネルギーの内9〜11%)を回収できるため、換気による空調負荷の低減とともに、ビル内の省エネ対策を推進できる。
「ハイパーエレメント」は、平成16年度省エネ大賞の省エネルギーセンター会長賞を受賞した高交換効率を誇る全熱交換器。この全熱交換器は給気と排気の間にある仕切板で温度と湿度を交換する仕組みを採用し、仕切板の厚みを従来の1/5まで薄膜化(120μm→25μm)することで透湿性能向上を実現した。
仕切板の素材を多孔系素材から無孔系素材に変更することでガス移行率(排気したCO2などが仕切板を透過する率)を大幅に低減させた。
なお、「ロスナイ」の費用対効果を示す際、ペイバック計算によるペイバック期間は約7.3年であり、設備機器の期待寿命である10年内で回収できるレベルという。

従来品よりも最大で37.5%も省エネになる。
※1:物質の温度変化に従って出入りする熱を「顕熱(=温度)」、物質の状態変化(蒸発、凝縮など)に従って出入りする熱を「潜熱(=湿度)」という。両方の熱の総称が「全熱(エンタルピ)」である。
※2:2006年8月29日現在、全熱交換素子に使用される高透湿素材としては世界最薄となる25μm超薄膜無孔系紙を用いて新開発した業界ナンバー1のエンタルピ効率を保有する全熱交換器の名称。
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