ビル・工場の省エネツール(工場)

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※月刊「環境ビジネス」2006年12月号 特別企画「検証!ビル・工場の省エネツール」の内容を掲載しています。 掲載内容は、2006年11月時点のものです。

日清製粉グループ/ニューマエコ
既存の空気輸送設備も省エネ運転を実現
最適な風量を制御し、パイプ内の閉塞も防止

空気輸送設備の省エネ運転
風量の最適化を制御

ルーツ式ブロア(送風装置)とこれに接続されたパイプによって粉粒体を輸送する空気輸送設備は、設置の利便性や衛生的に輸送できるなどの利点があるため、さまざまな業界で用いられているが、消費電力が大きいという欠点があった。日清製粉グループの製粉工場でも空気輸送設備は、ロール式粉砕機に次いで消費電力が大きく、同社では空気輸送設備の省エネルギー運転を課題としていた。

空気輸送設備の省エネ運転の方法は、以前から理論的には提案されていたものの、実際には輸送条件が一定でないことや、省エネ運転時にはパイプ内での閉塞の危険性が増大するため、具体的な対策を図れなかった。つまり、省エネ効果を上げるには空気輸送ブロアの風量を最適ゾーンにまで抑制させる必要があるが、風量を低減しすぎると、粉粒体がパイプ内で残留して閉塞してしまう危険がある。

ニューマエコ

圧力センサーが空気輸送設備のパイプ内の状態を常時監視し、「ニューマエコ」によって最適な風量を自動制御することができる。


そこで同社では、空気輸送設備の省エネ運転のため、風量の最適化を制御する電機計装システム「ニューマエコ」を開発した。「ニューマエコ」は、空気輸送ブロアの吐出圧を測定し、輸送量の変化や距離の異なる輸送先に切り替わっても最適な風量に制御できるシステムで、パイプ内を閉塞させずに省エネ運転を実現できる。



削減電力量は約97万kWh/年
省エネ率は既存設備の18〜45%

「ニューマエコ」は空気輸送設備のブロアの吐出圧を圧力センサーによって常に監視し、最適な風量を自動制御する。日清製粉グループ本社・技術本部長付安全衛生担当の加納理氏(開発当時、同社生産技術研究所に所属)は、輸送する粉粒体の量や濃度が変化するなど、パイプ内閉塞の要因が発生した場合でも、吐出圧監視プログラムが危険を回避し、省エネ運転を続行させると話す。

「開発当初は、粉粒体の量や濃度の変化に対し、空気輸送ブロアの風量を自動制御することは難しいとされ、開発そのものを批判する声もあった。確かに、粉粒体の状態が均一でなく、設備や運転状況はさまざまだが、濃度変化に対応し、閉塞する兆候を察知する吐出圧監視プログラムを、省エネに役立つシステムに仕上げたい一心で開発した。同業他社でも利用してもらえるようになれば、開発者冥利につきる」。

特に、輸送距離の異なる複数の貯蔵槽サイロへの空気輸送など、輸送条件の異なる輸送先が複数ある場合、輸送先を切り替えるごとにその輸送条件に応じた省エネ運転に自動制御できるため、輸送条件の差が大きいほど省エネ効果は大きくなる。

「ニューマエコ」を日清製粉グループの生産工場において採算性のある全ラインに設置した場合、削減できる電力量の試算値は約97万kWh/年。既存設備の18〜45%の省エネを実現でき(同社実績値、平均33%)、必要とする設備投資は通常4〜5年(最長でも7〜8年)で回収できるという。

「ニューマエコ」の設置工事は容易で、切り替えに要する工期は1日で済むのも特長の一つだ。同グループ内では現在、「ニューマエコ」を約30台導入。数年後にはグループ内で50台を導入し、外販活動を展開していく。




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