自動車のサイドミラーの生産を主に行っている市光工業ミラー製造所では、2009年5月より新たな塗装工場が稼働を開始した。 そこでは塗装ブース内の空調設備としてヒートポンプを用いた気化式加湿器を導入。 ボイラの蒸気を使った加湿システムに比べて湿度の細かな調整ができる気化式加湿器は製品の不良を低減し、CO2の削減にも貢献している。
新塗装工場の塗装ブース内用の気化式加湿器。細かな湿度の調整を可能にした
市光工業ミラー製造所では、1990年代より塗装工程の自動化を開始し、蒸気レス化とCO2の削減に乗り出している。 2003年には工場の空調と生産用に使われていた3トンボイラ3基のうち2基を廃止。 かわりに高効率な2トンボイラを2基導入して工場内の用途にあてている。
2009年5月から稼働している新塗装工場では、さらに蒸気レス化を進めるため、今までボイラの蒸気を使って加湿していたところを、水を直接機械に滴下し、室内の湿度を調節することができる気化式加湿器を導入した。 「最初は電気を利用して蒸気を作る電極式蒸気加湿器の導入も検討していました。 しかし、気化式加湿器に比べて消費電力が多かったため、ヒートポンプも併用して効率的に加湿と空調の管理ができる気化式を採用しました」と市光工業ミラー製造所・工務部工務技術課主管の佐藤正弘氏は話す。
塗装工場では、不良品の原因になる細かいゴミと、それを寄せつけてしまう静電気が天敵だ。 そのため、塗装ブース内は人の手をほとんど介さず、塗装もロボットが行うなど、全自動のシステムが構築されている。
さらにクリーンかつ一年中同じ温度・湿度に保つため、塗装工場内に温度計や湿度計を設置し、温度は24±2℃、湿度は60%±10%以内に収まるように管理。 この範囲を超えた場合には警報装置が発動するようにしている。
「これまで塗装時に生じる不良品の比率は10%程度でした。 それを気化式加湿器の導入などで3%まで下げたいと思っています」と佐藤氏。 これまで塗装ブース内に導入していた蒸気式加湿器は、ボイラから一方的に送られてくる蒸気の量で加湿の度合が左右されていたため、湿度を厳密に管理することが難しかった。 また、送られてくる途中で温度が下がり、水に戻ってしまうことで蒸気量が減る、逆に余った蒸気は回収できないなどのエネルギーのロスもあった。
5月中旬に稼働を開始したばかりのため、実際の効果の検証はこれからだが、佐藤氏は「気化式加湿気は細かな湿度調整ができるため、製品の品質向上が達成できるとともに、確実に省エネ・省CO2に貢献すると期待しています」と胸をはった。
即座に工場内の状態が分かる管理盤。ゴミと静電気が天敵のため、温度と湿度は厳密に管理している
新塗装工場内は成形から塗装まで全自動化が進んでいる
・電化ファクトリー目次
・従来の蒸気タービン方式ではエネルギーが無駄に消費される
・ビールの発酵熱を回収して年間400トンのCO2を削減/サッポロビール
・1分以内に600℃まで急速加熱 厚板の高品質化と省エネルギーを両立する誘導加熱設備/JFEスチール
・電線のサイズアップで送電ロスが半減/日本電線工業会
・ヒートポンプで実現 15トンボイラ1基分の蒸気レス化/日野自動車
・パスタ製造工程のオール電化でCO2 99%削減を達成/フクヤマパスタージャ
・気化式加湿器導入で不良品率3%未満を目指す/市光工業
・水熱源・空気熱源のヒートポンプ併用で生産工程導入が可能に/加ト吉
※月刊「環境ビジネス」2009年8月号 巻頭特集「電化ファクトリー」の内容を掲載しています。 掲載内容は、2009年6月時点のものです。
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・アゼリア/水和物スラリ蓄熱空調システム
・日清製粉グループ/ニューマエコ
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「改正省エネ法対策」
補助金活用事例
選ばれる補助金事業申請のポイント
「見える化」の進め方
7月31日の提出期限間近
「エネルギー使用量届出書の書き方」
78店舗の電力使用量を見える化 運用改善だけで2年で4800万円を削減
性能、パフォーマンス急上昇で新時代
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