関西の町工場が完成させた電気自動車(EV)が話題になっている。
淀川製作所 代表取締役の小倉庸敬氏が発起人となって立ち上げた、関西の中小企業4社からなる「あっぱれEVプロジェクト」が製作した、3人乗りのEVだ。環境の環という文字にちなんで「Meguru(めぐる)」と名づけられた。

電気自動車「Meguru」
「アジアの安さと一流企業の資金力に対抗するにはデザインしかないと思った」と小倉氏が話すように、まず目を惹くのが独特の外観だ。牛車をイメージしてデザインされた丸みを帯びた朱色のボディーには、紫外線に強い特殊な漆が塗られている。下地に貼られた和紙の渦巻き柄がうっすらと浮かび上がるのも特徴的だ。ドアは和紙が張られた大きな扇子になっており、後部座席はシックな花柄のベンチシート。足元は思わず素足になりたくなる焼き竹張り。京都や奈良など古都の風景にしっくり馴染みそうな、可愛らしいEVに仕上がった。
外観は和風でノスタルジックな雰囲気だが、搭載されているのは新鋭のテクノロジーだ。リチウムイオン電池を搭載し、試作段階では約1時間半の充電で40km程度走行した。最高速度は時速40km、古都の町並みを眺めるのにちょうどよさそうなスピードだ。車内ライトにはLEDを採用している。
淀川製作所にとってEV開発は今回が初めてで、開発ノウハウは一切持っていなかった。開発予算もなければ設計図もない。あるのは完成品のデザインと「やる気」のみ、という状況からのスタートだった。
それでも開発に挑んだのは、元気がない地元に元気を取り戻したかったからだという。一昨年のリーマンショック以来、日本の町工場には不況の嵐が直撃。業績は急降下し、リストラ・減給・コストカットを余儀なくされた。先が全く見えない中、小倉氏はEVのセミナーに参加。「これならできる」とプロジェクトチームを立ち上げた。設計図すらないため製作は試行錯誤の連続だったが、チーム一丸となり、粘りに粘って完成させた。「Meguru」は、日本の町工場の高い技術力と、職人たちの意地の結晶なのだ。
現在は来年4月の発売に向けて準備を進めている。一番の課題は製造コスト。試作品は部品だけで200万円以上かかったが、100万円以下に抑えたいと奮闘中だ。
・黒色太陽電池バックシート/テクノポリマー
・導電性床材「エースミック」/矢崎総業
・電動フォークリフト用バッテリーの再生事業/ナガラ
・タイルカーペット廃材のリサイクル素材「エバペレット」/エバタ
・CO2分離回収(CCS)設備用高性能プレート式熱交換器/日阪製作所
・あっぱれEVプロジェクト 電気自動車「Meguru」/淀川製作所
・太陽電池充放電コントローラー「Solar Amp mini」/電菱
・植物工場用LED栽培ユニット「アグリ王」/キーストーンテクノロジー
・衝撃緩衝材と一体型の梱包材「ワンタッチトレイパック」/ユニオン産業
・ゼロ観光タクシー/千代田区観光協会・日の丸リムジン