アクアサイエンスは、薬液を使わずに水蒸気を利用する半導体製造工程用の洗浄装置を開発した。洗浄に必要な原料は水のみ、もしくは0.1%程度の非常に希薄な濃度の化学薬品で、環境負荷が少なく廃液処理などのコストも削減できる。
半導体製造におけるドライエッチング工程では、ドライエッチング終了後、不要となったフォトレジストと呼ばれる感光性有機物の部分を除去しなければならない。除去にはプラズマによる灰化(アッシング)や有機溶剤による溶解が行われるが、どちらの方法にも課題がある。

水蒸気による半導体ウエハ洗浄装置
アッシングの場合はICの構造を損なう危険性があり、有機溶剤を使用する場合は、有機溶剤の価格が高いうえ、使用後には産業廃棄物の処理コストまでかかる。そのため、この2つよりもさらに有効で、安全かつ低コストな除去方法が求められていた。
新開発の除去装置は、亜音速のスピードで水蒸気と水の混合流体をウエハに噴射して表面に水の膜を形成、噴射による衝撃波で不要となったフォトレジストを飛ばす仕組み。水蒸気のみではフォトレジストの剥離力が弱く、長い処理時間を要したため、水蒸気に水を混合し、混合流体として噴射することで剥離力を向上させた。
また、0.1%程度の濃度の水溶液を水蒸気に混合すると、フォトレジストばかりでなく、A1配線上やビアホール内のドライエッチング副生成物を効果的に除去できる。ビアホール内のドライエッチング副生成物の処理には、ウエハ1枚あたり201円のコストがかかっていたが、新装置でのコストはわずか65円、従来の1/3以下にまで削減できた。
この新装置は半導体製造工程向けに開発されたものだが、太陽電池やLED、プリント基板、ガラス基板の洗浄にも有用であることが、同社の洗浄試験で確認されている。すでに太陽電池製造工程における洗浄用としても発注がきており、今後、半導体や太陽電池などの製造ラインで主流となりそうな洗浄装置だ。
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