岩谷産業は燃料電池電源車を開発した。10kW級の固体酸化物型燃料電池(SOFC)を搭載し、燃料には水素を使用するため、発電時のCO2排出はゼロになる。同社がNEDOの助成を受けて開発したもので、用途は屋外のイベント会場などが見込まれる。
岩谷産業は「純水素型燃料電池を搭載する移動式電源車」を開発、専用の水素トレーラーとともに完成したと発表した。同車両は東京・渋谷区で開催された環境イベント「アースデイ東京2009」のステージへ電源供給を行い、その性能を証明した。同車両は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業「新利用形態燃料電池標準化等技術開発」の助成を受けて開発したもので、同社は今後試験的運用により、実用化へ向けた改善を加え、2011年度には商品化を目指すという。
家庭用の燃料電池は都市ガス(9割がCH4)から水素を取り出すが、岩谷産業の燃料電池電源車の場合は、もともと鉄鋼所の製鉄プロセスで発生する石炭の乾留ガス(COG:コークス炉ガス)に含まれる水素(含有率55%超)を利用するためメタンガスなどからの改質が不要。岩谷産業はこの水素を取り出して活用するための研究開発を続けており、ついに実用化にこぎつけた。
“騒音も排気ガスも出さない”クリーンな電力を供給でき、機動力を備えた電源車が普及すれば、屋外イベント、トンネル工事などのCO2排出を大幅に削減できると期待されている。また、災害時の非常用電源としての用途も見込まれる。
発電設備:10kW級純水素型燃料電池
燃料:純水素
出力:AC100、AC200V、DC360V(同時使用可)、出力端出力8.5kW以上
発電効率:45%「LHV(低位発熱量)以上
起動時間:起動指令後電力供給まで1分以内
騒音値:55dB以下
水素容量:100Nm3以上(水素トレーラー)
・オフセット・クレジット(J-VER)全国説明会/環境省
・農林水産業における排出量取引技術検討会/農林水産省
・ストックホルム条約と国際化学物質管理会議ICCM2/環境省
・2010年代の物流戦略委員会最終取りまとめ/国土交通省
・クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップ(APP)/経済産業省
・日米共同ワークショップ/NEDO
・燃料電池電源車/岩谷産業