太陽光発電の新たな買取制度

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太陽光発電の新たな買取制度の概要

経済産業省は、11月1日から「太陽光発電の新たな買取制度」を開始すると発表した。この制度は、家庭や事業所などの太陽光発電からの余剰電力を一定の価格で買い取ることを電気事業者に義務づけるもの。エネルギー源の多様化を図るとともに、地球温暖化対策や景気対策としても有効な制度と期待されている。買取価格は、例えば、一般住宅は48円/kWh、事務所や工場などは24円/kWhからスタートし、設置する年度毎に引き下げられていく予定。買取費用は、電気料金に上乗せされ、太陽光サーチャージ(仮称)としてすべての電力利用者が公平に負担する「全員参加型」の制度となっている。


太陽光発電の買取制度の概略図

太陽光発電の買取制度の概略図
太陽光発電で発電した電力のうち使われずに余った電力が買取対象となり、既設の太陽光発電も対象となる。
※上図の買取価格は、ダブル発電ではない太陽光発電のみの価格。


太陽光発電の買取制度の価格表(2009年度)

買取価格は、設置する用途により下記の金額となる。また買取金額は全国均一。

太陽光発電の出力 住宅用 非住宅用
太陽光発電のみ ダブル発電 太陽光発電のみ ダブル発電
10kW未満 48 39 24 20
10kW以上 24 20
(円/kWh)

設置する年度毎に買取価格は異なるが、その価格は10年間固定して買取が行われる。



太陽光発電の新たな買取制度の詳細内容

住宅用と非住宅用で年度毎に設定。契約は10年間。

余剰電力の買取価格は、住宅用と非住宅用で異なり、その定義は次表の通りである。

■住宅と非住宅の定義

区分 定義
住宅 一般住宅
個人が居住するための家屋。
原則、集合住宅を含む。店舗、事務所兼用住宅でも該当する場合が多い。
但し、太陽光発電システムは出力10kW未満を基準とする。それ以上の大規模出力の太陽光発電を設置する「住宅」は、「非住宅用」の買取価格となる。
非住宅 住宅用途ではない建築物
庁舎、病院、道路施設、駅舎、上下水道施設、学校、事務所、工場、商業施設、防災施設 等

買取制度の開始当初(平成22年3月までに買取りの申し込みがあったもの)の買取価格は、「住宅用」は48円/kWh、「非住宅用」は24円/kWhとなる。買取価格は設置する年度毎に引き下げされる予定で、今後3〜5年以内にシステム価格を半額程度にすることを目標に、導入状況や価格推移等を鑑みながら、年度ごとに買取制度小委員会で見直しを行い、価格を設定する。買取期間は10年間で、買取開始時の買取価格が維持されたまま、10年間買取が行われる。


■制度開始当初の買取価格

区分 買取価格 補足
住宅用 48円/kWh ・現行の「余剰電力買取メニュー」における「住宅用」の平均的買取価格(約24円/kWh)の2倍。
・設置者のコスト負担や投資回収年数、国や自治体等の導入補助金、一般家庭等の電力需要家の負担等を考慮し、設定。
・モデルケースでは、10〜15年程度の投資回収が可能とされている。
非住宅用 24円/kWh ・現行の「余剰電力買取メニュー」において、売買等価の観点に基づき設定されている「非住宅用」の買取価格11〜15/kWhの約2倍。 ・「非住宅用」に属する事業者は、一般家庭より電力量料金の単価が安いことや、システムの設置に際して「住宅用」よりも高率の補助の対象となっていることなども踏まえて設定。



ダブル発電に係る買取価格

家庭用燃料電池(エネファーム)やエコウィルなどの自家発電設備を併設している、いわゆるダブル発電の場合の買取価格は、「住宅用」は39円/kWh、「非住宅用」は20円/kWhとなる(平成22年3月までの申し込み分)。系統連系の上設置する必要がある。

これは、太陽光発電のみを設置している場合に比べて増加している「押上げ効果」分を差し引く必要があるため。家庭用燃料電池やエコウィル等、主として想定されている自家発電設備の「押し上げ率」は、一般的に約10〜25%とされていることを踏まえている。これらの価格も、年度毎に引き下げられる予定で、買取りが開始されたときの買取価格が維持されたままで10年間買取りが行われる。


■ダブル発電に係る場合の制度開始当初の買取価格

区分 買取価格
住宅用 39円/kWh
非住宅用 20円/kWh



太陽光発電の買取制度の対象とならない余剰電力と発電事業目的

「余剰電力」に該当しない例

・「非住宅」において電力使用量の契約容量を上回る規模の出力の太陽光発電を設置する場合
・夜間や特定の時期・季節のみに電力を消費する契約下において、自家消費が皆無である場合等。例:公衆街路灯、定額電灯、深夜電力、農事用・融雪用電力など
・自家発電設備(ダブル発電)において、系統への逆潮を監視するセンサーがなく、自家発電による発電や蓄電池の放電で、無制限に系統の逆潮が生じる場合


また、一定規模以上の出力の太陽光発電については、「発電事業目的」の設置とみなされ、買取制度の対象にはならない。「発電事業目的」に該当する規模の指標は、出力500kW以上が基本であるが、出力規模や状況等から判断し、「発電事業目的」とされる場合もある。


発電事業目的と解される例

・電気事業法に規定される「電気事業」(一般電気事業、卸電気事業、特定電気事業又は特定規模電気事業)の用途で用いられる設備で発電される電力
・非住宅用の太陽光発電の設備で出力500kW以上の場合
・事業用メガソーラーや、大規模実証試験用途の太陽光発電
(原則、500kW以上のものが事業目的とされるが、500kWを上回るものを分割等により小規模単位としている場合や、電力使用に係る契約容量を上回る規模の出力の設備の場合等は、事業目的とみなされる場合がある。)



太陽光発電の買取義務の対象者

「一般電気事業者」が買取義務の対象者。
特定電気事業者及びそれらの需要家については、買取制度の対象外となる。

現在、一般の需要に対して電気を供給する「一般電気事業者」は、北海道電力梶A東北電力梶A東京電力梶A中部電力梶A北陸電力梶A関西電力梶A中国電力梶A四国電力梶A九州電力梶A沖縄電力鰍フ10電力会社。

また、特定規模電気事業者(PPS)は、買取義務の対象者とされていないが、買取制度では、全電力需要家が対象となり得るため、PPSの需要家から生ずる「余剰電力」も一般電気事業者による買取対象となる。また、その際は、「同時同量制度」との関係に配慮しながら、需要家の手続き面でのコストを考え、PPSが一般電気事業者に代行して買取りを行うことができる。



太陽光サーチャージ(太陽光発電促進付加金)

標準家庭の月額負担は10〜100円

一般電気事業者が太陽光発電の余剰電力の買取りを行う費用は、「太陽光発電促進付加金(仮称「太陽光サーチャージ」)」として、電気料金に上乗せし、すべての電気利用者が公平に負担する。太陽光サーチャージの季節変動を抑えることや自由化部門の契約期間が通常1年であること等を考慮し、前年度の買取総額を次年度に回収するスキームとする。

買取制度は平成21年11月からスタートするため、その費用を回収する太陽光サーチャージは、平成22年度当初より導入される。導入当初の負担額は、試算の結果0.1円/kWhとなり、標準家庭での負担額は月10〜100円程度になる見込み。太陽光発電システムの設置者の増加に伴い買取総額も増えるため、年度を追うごとに一般家庭をはじめとする電力需要家の負担額も増えていく。



■追加情報
来年度、太陽光発電の余剰電力買取価格は据え置き

経産省は、1月27日、太陽光発電による余剰電力買取制度の来年度の方針を決定した。平成22年度に契約申込みが行われたものに関しては、現行から引き続き住宅用(10kW未満)は48円/kWh、非住宅用は24円/kWhとなる。また、燃料電池システムとのダブル発電に関しても同様で、住宅用は39円/kWh、非住宅用は20円/kWhとなる。同制度では、太陽光発電システムの普及にあわせて買取価格を徐々に引き下げる予定だが、現状、制度が開始されたばかりで買取電力量がわずかなこと、太陽電池パネルの価格に変化が見られないことから、据え置くことを決定した。

また、買取制度の費用を全世帯の電気料金に上乗せするサーチャージ制度に関しては、来年度の負担は無しとすることも決定された。




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