太陽電池の種類

太陽電池の種類とその特徴

現在、様々な種類の太陽電池が開発・商品化されている。住宅向けなどで主流になっているのはシリコンを使った太陽電池だが、より低コスト・長寿命の非シリコン型太陽電池の開発も進んでおり、参入メーカーも様々。下記では、種類別に太陽電池の特徴や参入メーカーをまとめた。

尚、現在の主流は多結晶シリコン型の太陽電池。2004年現在で65%のシェアがある。今後、シリコン使用量の少ない薄膜型が伸長するとみられる。

国内の太陽電池生産量(種類別)の推移
国内の太陽電池生産量(種類別)の推移

出典:PV News Feb., March, April (PV Energy Systems, 1995〜2005)、NEDO



単結晶シリコン型太陽電池

もっとも古くから使われている太陽電池。シリコン単結晶のウエハーを基盤に使用している。変換効率が最も高く、20%前後を達成しているが、シリコンの使用量が多いため高価である。近年では多結晶や薄膜型などに主流が移行しつつあり、そのシェアは2007年の36%から2014年には23%まで減少する見通し。


参入メーカー

シャープ、三洋電機


多結晶シリコン型太陽電池

結晶系の太陽電池の一種で、シリコン単結晶インゴットの端材などを利用した多結晶シリコン(粒径数mm程度)から製造される。単結晶型よりもシリコン使用量が少なく、変換効率も多結晶型に多少劣る。三菱電機は2009年10月、表面にハニカム(ハチの巣)状の凹凸構造を形成することで、変換効率19.1%を達成している。
市場でのシェアは2007年現在52%と半分以上を占めるが、2014年には35%程度まで落ち込む見込み。


参入メーカー

シャープ、京セラ、三菱電機


薄膜シリコン型(アモルファスシリコン型)太陽電池

シリコン膜をガラスなどの基面に蒸着させて製造される太陽電池で、シリコン使用量は1/100〜1/1000程度。そのため、低コストで大量生産できるのが特徴だ。変換効率が7〜10%と、結晶型に比べて劣るのが欠点だが、結晶型と組み合わせ、2層構造(=タンデム型)にすることで変換効率を向上させた製品もみられる。
また、太陽電池は温度が上がると性能が落ちるという課題があるが、薄膜シリコン型は高温環境下でも性能が落ちにくく、諸外国のメガソーラー用途としても注目されている。
基板としてはガラスの他にステンレスやフィルムなどが用いられる。ガラス基板を使用すれば厚みが出るが安価で製造でき、ステンレスやフィルムの場合は形状を自由に変えられるという利点がある。例えば電卓に使用されている太陽電池は、この薄膜型。

シャープが2010年3月に稼働を予定している、堺市の薄膜太陽電池工場では、業界トップレベルとなる変換効率10%の薄膜型太陽電池を量産する。


参入メーカー

カネカ、シャープ、三洋電機、富士電機、三菱重工


微結晶シリコン型太陽電池

結晶シリコン型と薄膜型の中間の性質を持つ太陽電池。50〜100μm程度の微細なシリコン結晶を、薄膜型太陽電池の製造法と同じ方法で、ガラス基板に蒸着させる。結晶のサイズが小さく、微結晶相と非晶質相が混在している状態。変換効率は10%程度。

太陽光の波長域での光の吸収率が低いという結晶シリコン型の欠点をカバーし、薄膜型に見られる光劣化(運転開始時に出力が低下する現象。高温運転時には解消される)も起きない。主に薄膜型と組み合わせた「多接合型太陽電池」として利用されることが多い。例えばシャープなどが開発している「タンデム型薄膜太陽電池」は3層構造になっており、そのうち1層に微結晶シリコン型が使用されている。三菱重工が量産している太陽電池は、微結晶型の上に薄膜型を重ねた2層構造。


参入メーカー

シャープ、三菱重工業


化合物系太陽電池

シリコンを使わない太陽電池のひとつ。銅、インジウム、セレン、ガリウムなどを使うCIS系が主流で、他にもGaAs(ヒ化ガリウム)単結晶やCd(カドミウム)化合物薄膜を用いるものもあるが、RoHS指令など化学物質規制強化の動きもあり、あまり広まっていない。主にアメリカやヨーロッパで、集光システムと組み合わせて使われることが多い。
CIS/CIGS系では、昭和シェルソーラーが変換効率9%程度の製品を生産している。研究レベルでは、同社が15.7%、ホンダソルテックが19.2%を達成。
シャープが開発したInGaAs太陽電池は、35.8%と世界最高の変換効率を達成(2009年現在)しているが、高コストのため、用途は宇宙用に限られている。


参入メーカー

シャープ、昭和シェルソーラー、ホンダソルテック


色素増感型太陽電池

光を吸収して電子を放出する特長を持つ色素を利用した、色素増感型太陽電池。利用できる光の波長領域が広い、製造工程に真空条件を必要としないため製造コストが低い、などのメリットがある。また、色や形状の自由度が高い。色では、シアン・マゼンタ・黄色の3原色を使うことで、様々な色を作り出すことが可能。形状においても、好きな形に切り抜いて利用することができ、プラスチック基板では折り曲げることもできる。変換効率は5〜10%前後。


参入メーカー

アイシン精機、グンゼ・大日本印刷、シャープ、フジクラ


有機薄膜型太陽電池

導電性ポリマーやフラーレンなど、有機半導体を用いる太陽電池で、軽量・柔軟性に富むといった特徴から、様々な商品への応用の期待が高まっている。ただ、変換効率や耐久性が問題で、変換効率は現在5%程度となっている。東レや三菱化学などが、2010年をめどに実用化する方針。


参入メーカー

大日本印刷、東レ、三菱化学、カネカ


量子ドット型太陽電池

10nm程度の微小な半導体の粒子(量子ドット)の中に電子が入っており、効率的に太陽光を電気に変換させる仕組みになっている太陽電池。理論上の最大変換効率は、シリコン型の30%程度に対し、60%になるとも言われている。量子ドットの大きさを変えることで、様々な波長の光を吸収することができる。

現在、シャープと東京大学が共同で研究を進めており、16%台を達成している。実用化は2020年頃になると予測されている。


参入メーカー

シャープ




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