> コラム > その革新的な太陽光発電ベンチャーが破綻した理由
大串康彦 成功する環境技術の導入と事業化のための12の視点

その革新的な太陽光発電ベンチャーが破綻した理由

大串 康彦

記事を保存

スタンダード会員登録 のあとに ログイン していただくと全文をご覧いただけます。

太陽光は「安くて性能そこそこ」が主流

著者が住むカナダ・バンクーバーは、研究開発の環境が整っており、米国のシリコンバレーには規模において及ばないもののクリーンテック(環境・エネルギー技術)の集積地としても知られている。今回は、事業環境の変化に環境技術ベンチャー企業がどう適応するかの事例を紹介する。

2012年6月、カナダの太陽光発電パネルのベンチャー企業Day4Energyはトロント証券取引所から上場廃止となり、数ヵ月後には同社はすべての資産を売却したというニュースが流れた。事実上の操業停止である。

同社は従来の太陽光発電セルがひび割れを起こしやすい点やバスバーがセルの有効面積を減少させる点を改善した独自の技術で耐久性の高い高品質・高性能のパネルを売り物にしていた。NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が山梨県北杜サイトで行ったメガソーラープロジェクトにパネルを供給した実績もある。

2011年にも円筒型セルを供給していた米国の太陽光発電ベンチャー企業、ソリンドラが倒産したが、中国製の安い製品とパネルの供給過剰が太陽光のベンチャー企業を容赦なく破綻に導いている。自動車市場であれば大衆車市場が膨らんでも高級車市場が常に存在しているが、太陽光発電の場合は違うようだ。

Day4Energyの差別化された技術は結局市場で価値を認められず、同社のハイエンドの製品は結局市場から追い出されてしまった。これは京セラやシャープなど日本勢の後退とも重なるところがある。2006年以前は日本のメーカが太陽光発電の世界市場占有率1位をキープしていたがいまや圧倒的に中国が強く、市場占有率で逆転するのは至難の業のように見える。

(※全文:2,551文字 画像:あり 参考リンク:なし)

スタンダード会員の方はここからログイン

大串康彦 成功する環境技術の導入と事業化のための12の視点 バックナンバー

この記事の著者

大串 康彦氏
大串 康彦(おおぐし・やすひこ)
環境エネルギー技術国際事業開発コンサルタント

 2003年よりカナダ・バンクーバー在住。カナダの電力会社BC Hydroに勤務しスマートグリッドの戦略立案やイノベーションプログラムの運営を担当。そのときに日本技術のガラパゴス化を目の当たりにし、その後日本発の環境技術の海外展開とイノベーションの強化のためのサービスを提供するコンサルタント会社Japan-North America Cleantech Advisory Groupを設立。同社代表取締役。早稲田大学理工学部卒業・クィーンズ大学(カナダ)経営学修士(MBA)修了。東京生まれ。

記事を保存

環境セミナー・イベント情報

関連カテゴリ

Copyright © 2012 日本ビジネス出版. All rights reserved.