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大串康彦 成功する環境技術の導入と事業化のための12の視点

環太平洋イノベーションシステムで成功パターンをつくる

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九州ほどの面積しかない島国、台湾の最高峰は玉山で標高3,952mだ。著者は先日カナダのバンクーバーで、玉山にちなんで命名された組織Monte Jade Global Science and Technology Associationのグローバルサミットという会合に参加してきた。

玉山の標高は日本最高峰との富士山より200m程度高いだけだが、グローバル化時代の技術革新では台湾をはじめとするアジア諸国は日本よりはるかに高いところにいるのではないかという印象を受けた。今回はその模様をレポートし、グローバル化時代の技術革新の方法について考察する。

グローバル化時代のイノベーションと製造業モデル

Monte Jade Global Science and Technology Association(以下「モンテジェイド」)とは、1989年に米国シリコンバレーで設立された団体で、太平洋を挟んだ科学技術分野でのコラボレーションを目的としている。対象となるのは、半導体、情報通信、バイオ、医療、環境エネルギーなど広い分野の技術で、特にメンバー同士の交流、情報交換、および若い世代の人材育成を推進する活動基盤を持っている。モンテジェイドは米国・カナダに11箇所の拠点を持ち、アジアには台湾、香港、中国、シンガポールに拠点を持つ。

日本の半導体や家電産業などの製造業が大きく低迷している一因は、90年代以降製造業のモデルが米国(特にシリコンバレー)と新興国の強い連携と国際分業によるモデルに塗り替えられたことである。

インドや台湾など新興国から米国に留学し、新技術を商業化するための米国のベンチャー企業で実践されているビジネスのノウハウと現地の人脈を取得した者が本国に帰国し、設計・開発拠点である米国と連携し国際分業モデルを生み出したのである。米インテルの成功や台湾エレクトロニクス産業の台頭はこの国際分業モデルによるところが大きい。

一方、日本はこのような太いパイプを作ることができないでいることが指摘されている。インド・中国・韓国・台湾・日本のアジア5カ国の米国への留学生数では日本が最下位で(2010年)連携の入口を確保することも難しい状態である。さらなる詳細は3月4日号掲載の加藤敏春氏の記事「日本のハンディキャップは競争力決める『頭脳循環』」に譲る。

モンテジェイドはすでに20年以上活動しており、まさにその北米とアジア間の頭脳循環を支える組織の一つである。過去には台湾の金型および製造受託専業メーカー(EMS: Electronics Manufacturing Services)のFoxconn(鴻海精密工業)の成功に寄与した。

(※全文:2,301文字 画像:あり 参考リンク:なし)

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この記事の著者

大串 康彦氏
大串 康彦(おおぐし・やすひこ)
環境エネルギー技術国際事業開発コンサルタント

 2003年よりカナダ・バンクーバー在住。カナダの電力会社BC Hydroに勤務しスマートグリッドの戦略立案やイノベーションプログラムの運営を担当。そのときに日本技術のガラパゴス化を目の当たりにし、その後日本発の環境技術の海外展開とイノベーションの強化のためのサービスを提供するコンサルタント会社Japan-North America Cleantech Advisory Groupを設立。同社代表取締役。早稲田大学理工学部卒業・クィーンズ大学(カナダ)経営学修士(MBA)修了。東京生まれ。

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