電力自由化・地域エネルギープロジェクト研究員 村井哲之の実践日記

(第18回)学びの場を通して、縁が生まれ、事業を創出する

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電力自由化・地域エネルギー事業プロジェクト研究 第3期研究生の村井 哲之氏が、プロジェクト研究という場を通して「何を学び、何を考え、何を実践し、何を得たか」を書き連ねるスーパーライブコラム。前回はプロジェクト研究員同士の交流を通じて、新しいビジネスが生まれた『セレンディピティ』について語った。今回は、『セレンディピティ』に至るドラマや研究員同士のつながりなどについて紹介する。

やはり、『セレンディピティ』とは、考えて考えて考え抜いたところで起こるものだと痛感しました。

事業構想大学院大学に、新電力・地域エネルギープロジェクト研究員として入学を申し込む際に、前任の代表から引き継いだばかりの廃棄物処理のコンサルティング会社には、 投資出来るお金は1円もありませんでした。

しかし、今は、思い切って自分と自社へ投資をして本当に良かったと思っています。また、あまり人(経営者)には教えたくなくなりました。研究員としての入学を!競争相手になり得るので(笑)

なぜなら、ここには情報が集まります。偽物もあり、確かに玉石混交ではありますが、それが最先端であることに間違いはありません。しっかりと学べば、正しい情報を見抜く力は付きます。『学び』の場としては、間違いなく最高です。

そして、それ以上に価値があったのは、『交わり=コンソーシアム』の場としての大学院でした。

三重県の5M 12基 60Mの風力発電の話がコンソーシアムに持ち込まれ、実現に向けて進み始めたのも、理事の一人が世界一の風力発電メーカーのアジア地区の 総代理店であったことからです。

コンソーシアムに、九州で50Mのバイオマス発電を建設する話が来たのも、ドイツ製のバイオガス製造・発電プラントに関する最先端の技術情報があることを、問い合わせの段階で相手が感じ取ったからでした。

バイオマス発電の成功ポイントは、原料の低コスト・安定的な確保である。そのため、設備・機器に関する知見だけでなく、原料の安定供給を可能にするPKS(椰子殻) ビジネスを始めとするバイオマス燃料に関する最新の情報も持っていました。事業展開のコンサルが出来るレベルで。

それだけに留まらず、大学院における『交わり』の成果であるコンソーシアムは、構成理事のそれぞれのビジネスモデルの秀逸さによって、私の想い描く「省」「創」「蓄」の総合エネルギーマネジメントコンサルタントNO1.の実現に大きく寄与してくれています。現在進行形で!

「電気」の『見える化』ともうひとつ、私が一早く世に出したビジネスモデルがあります。「太陽光の屋根貸しビジネス」です。スーパーマーケットの店舗や物流センターの屋根を太陽光発電事業希望者に貸し出し、日本中のスーパーの屋根で太陽光発電を行なう「スーパーソーラーベルト構想」です。

しかし当時は、

  1. 屋根を借りる発電事業者が外資中心で契約書も厚く、一方で外資系企業が20年間日本でビジネスをやり続けるかを疑問視された。
  2. 設置の際、及び設置後、屋根が損傷し水漏れを起こした場合、全ての責任をとって貰えるのかの問題が解決されなかった。
  3. 前例がないため、家賃の設定金額が妥当かどうか解らず様子見が頻発した

等の理由から大半の計画がとん挫し、そうした中でもこのリスクを背負う決断をしたお客様は(幸せ)になっています。2Mの屋根の貸し出しで年間賃料収入1千万円近くを貰っている大手食品スーパーのお客様がいます。

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