電力自由化・地域エネルギープロジェクト研究員 村井哲之の実践日記

(第20回)新電力ビジネス ―構想から新たなステージへ

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電力自由化・地域エネルギー事業プロジェクト研究 第3期研究生の村井 哲之氏が、プロジェクト研究という場を通して「何を学び、何を考え、何を実践し、何を得たか」を書き連ねるスーパーライブコラム。前回PKS(油ヤシ殻)発電ビジネスについて紹介した。最終回は、自らが参加したプロジェクト研究に対する感謝の言葉を綴った。

事業構想大学院大学の研究員になることの価値、それは、ここまで書いてきた「学びの価値」と、予期せぬ「志」を同じくする者との「交わりの価値」です。コラムを書き始めた理由はこの価値を広く世の中に伝え、新電力ビジネスの業界で仲間を増やしたかったからです。仲間が増えると"交わりの価値"は何倍にも増します。時間が掛かると思っていたこともアッと言う間に現実化します。私の最終的な事業構想(ビジネスモデル)も何ひとつ、第1期研究員の方々との出会いなくしては完成しませんでした。

結果、このコラムや私から話を聞き、"学び"と"交わり"の価値を感じ取ってくださった方々3名が4月から「ガス・電力小売・地域エネルギープロジェクト研究」第5期研究員になります。既に1名の方の会社とは事業提携の話も進み始めています。「電気」にまつわる"あるもの"の徹底した『見える化』に取り組みます。

また「廃棄」の世の中も「電気」に続く『見える化』を通じて、効率的にしていくことを自らの事業人生のゴールと決め、大学院に働きかけ、新たに「廃棄物業界における生き残り戦略プロジェクト研究」の開設を自らが10名の研究員を集めることを条件に認めてもらいました。日本中の食品スーパーにゴミの分別を徹底してもらい、全てのゴミの分量(kg)と最終処分されるまでの過程をリアルタイムで捉え、最終的にはゴミは埋立地に持ち込まない世界を創り出します。英国のセインズベリーから学んだことです。

そのためには、これからますますゴミが減る廃棄物の業界において、利権にしがみつくタイプの経営者には、考え方を変えるか、次の世代にバトンタッチして頂かなくてはなりません。この流れを加速させるには、リユース、リサイクル、リボーンに活路を求めるチャレンジ精神を持った経営者をひとりでも多く増やさなければならならないと考えました。そのためにこれから、「廃棄」の『見える化』の素晴らしい価値を伝える活動の傍ら、「このままではこの業界の未来はない!」との思いを持った経営者の方々とも積極的に交わって行こうと思っています。

事業構想大学院大学はこうした事業提携・連系のプラットフォームを創る機会をいくらでも提供してくれます。

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