食品廃棄物モラルハザード

第1回 リサイクルとあるべきコンプライアンス 食品業界編

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食品ロスを減らすため、食品廃棄物の削減・リサイクルが課題とされる中で、2016年1月に食品廃棄物が処理されずに不正に転売されていたという衝撃の事件が発覚した。大手カレーチェーンの廃棄冷凍カツをはじめ、数多くの食品・飲料品の転売が明らかとなった。その後、2016年12月に不正な転売を行っていた産業廃棄物処理業者「ダイコー」の会長に有罪判決(法人としてのダイコーにも罰金50万円)が名古屋地裁から言い渡された。

この食品不正転売事件を受けて環境省は再発防止のために、食品リサイクル法の判断基準省令の見直しと不正転売防止のためのガイドラインの策定の審議を行っている。2016年11月25日には省令改正に関するパブリックコメントが実施された。省令の中では排出・運搬・再生利用の各処理工程において、転売を含めた不適正処理を防ぐ、あるいは食用と誤認されない措置を講ずることを求める文言が盛り込まれた。どれも何かを義務付けるような内容ではなく、これまでの排出事業者責任の徹底を改めて促す内容と言える。

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