ポストFITへ多種多様なエネマネ機器で需要対応

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「創る」から「貯める」、「かしこく使う」まで、独自のセンシング&コントロール技術によってエネルギー効率の最大化に貢献するオムロン。蓄電池や太陽光発電の安定した運用を維持するためのメンテナンス機器を開発するなどして、新たな時代のニーズに対応する。一方、環境事業の柱となるパワコンの分野でも過積載や重塩害対応の製品を揃え、太陽光発電の普及を積極的に促進する。

独自のセンシング&コントロール技術でバッテリーパリティの実現へ

「創る」「貯める」「かしこく使う」を3本の柱とし環境事業を展開するオムロン。2016年度は太陽光発電市場の縮小などがあったが、その一方で蓄電池の分野において挽回し、環境事業全体では前年度を上回る結果となった。

蓄電池の売上が伸びた背景には「蓄電池単体ではなく、太陽光発電用ハイブリッド蓄電システムを最初に市場に投入した販売戦略と、採用していただいたシステムメーカー様のおかげです」と環境事業本部グローバルマーケティング部長の笹脇厚氏は説明する。

主に住宅向けとなる同システムは太陽光発電システムと蓄電池システムで共用できるハイブリッドパワーコンディショナ(以下、ハイブリッドパワコン)を採用することで、これらのシステムを一体化。太陽光発電と蓄電池を上手く使い分けることによって、電気代の削減を実現する。

この蓄電池ユニットは世界最小最軽量を特長とする。これがユーザーのニーズと合致し、売上が加速した。「家庭用空気清浄器並の小型化を実現し、屋内設置としました。屋外には既にパワコンやエコキュートを設置しており意外とスペースに余裕がないご家庭が多いため、屋内のデットスペースに設置するという提案が広く受け入れられました」と笹脇氏。

オムロン 環境事業本部 グローバルマーケティング部 部長 笹脇 厚氏
オムロン 環境事業本部
グローバルマーケティング部 部長 笹脇厚氏

蓄電池の普及には低価格化が必須であり、「価格が半額以下に落ちない限りバッテリーパリティには到達しない」と笹脇氏。オムロンは高い技術力とコスト競争力をもって補助金頼らなくてもユーザーにとって価値のあるシステムを開発し、2020年までのバッテリーパリティ(太陽光発電システム+蓄電池の費用が電気小売り料金と等価になること)の実現を目指す。

独自のセンシング&コントロール技術を駆使し、最適なエネルギー制御を実現することで蓄電池の長寿命化に取り組むなどして、エネルギー効率の最大化に貢献する考えだ。2017年度には、単機能タイプ蓄電池など、ラインナップの強化を予定している。


最適なエネルギーシステムの提供を目指すオムロンの核となるのが、オープン戦略だ。「汎用パワコンメーカーである当社は、トータルシステムの提供に向けて太陽光モジュール、蓄電池システム、HEMSの3分野において多種多様なメーカーとパートナーシップを組んでいます。オムロンをお選びいただければ、幅広い選択肢の中から市場の変化やお客様のニーズに合った最適なシステムをご提供することができます」と笹脇氏はその特長を語る。

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