太陽光発電所を長期安定的に運営するためのO&M技術者を駆け付け派遣

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一般社団法人太陽光発電安全保安協会(JPMA)は太陽光発電メンテナンス技士の資格認定講座・技能講習会をこれまで全国で開催し、すでに1000名を超えるメンテナンス技士を輩出している。このメンテナンス技士のネットワークを活かした現場駆け付けサービス「PVランナー」を新たにスタートした。改正FIT法により太陽光発電所の保守管理が義務付けられ、メンテナンス技術者が不足する中、全国に拡がるPVランナーサービスが、エネルギー資産を安定運用に導く。代表理事の室田正博氏に聞いた。

全国のJPMA会員を活用した駆け付けサービス

―太陽光発電メンテナンス技士資格設立の背景を教えてください。

太陽光発電安全保安協会 代表理事 室田正博氏
太陽光発電安全保安協会 代表理事 室田正博氏

室田氏 2012年、FIT法が導入され他業種からも多くの事業者が参入することで、太陽光発電市場が急激に拡がりました。5年後の現在、国内の新規導入量は約31GW、認定容量は約80GWにも達しています。

「太陽光発電は20年間フリーメンテナンスの高利回り投資案件」とのふれこみがありました。しかし一方で、私が施工事業者として日常的に保守・修繕作業に当たる中で、当初からフリーメンテナンスという言葉が独り歩きすることに、強い危惧の念を抱いていました。と同時に5~6年後、メンテナンスの需要が拡大していくという確信もありました。


エネルギー資産を守るとともに地方の雇用創出にも貢献

―開始するPVランナーはどういったサービス設計となっていますか。

室田氏 そこで発電事業者の利益を守るためにも、メンテナンス技術者を育成しておかないと大変なことになると考え、太陽光発電の技術・知見をお持ちの方々に声をかけ、2014年にJPMAを設立。太陽光発電設備を長期安定的に運営するために不可欠な保守・点検技術者を認定する資格を確立しました。毎月50~60人の太陽光発電メンテナンス技士が新たに誕生しており、現在メンテナンス技士のライセンス取得者は1000名を超えています。PVランナーは、その中から選定し登録いただいた全国のJPMA会員が協力する駆け付けサービスです。

さらに、PVランナーサービスを通じて、発電事業者のエネルギー資産を守るとともに、地域の雇用創出にも貢献していきます。

メンテナンス技士の今後の重要性

―メンテナンス技士はどのような方々がなっていますか。

室田氏 すでに太陽光関連の仕事をしている方はもちろんですが、他業種から参入される方も多くいます。太陽光のメンテナンスというと電気の資格を持っていないとできない、と思われがちですが、当講座では太陽光の初心者の方でも国の施策にマッチした発電設備のメンテナンスを学ぶことができます。ですから、太陽光発電の保守点検にビジネスチャンスを感じている方や、ご自身が設備のオーナーである方など、より多くの方にメンテナンス技士の役割と重要性を知っていただきたいです。

メンテナンス技士の養成に当たっては、座学の他に実際の発電所を使って設備に触れながら不具合箇所の確認やパネルの点検ポイント、IVカーブの測定など、実践的な技能研修を行なうのがJPMAの最大の特徴です。

さらに、会員・資格者向けの各種セミナー・勉強会や日々蓄積されるトラブル事例等の情報共有などにより、メンテナンス技術のスキルアップ研修も定期的に行っているほか、メーカーが新製品を出したときなどデモ会も随時開催しています。

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