電力ビジネス基礎講座-4大市場解説編

複雑な電力取引制度を理解し、市場の不確実性に対抗する視座を獲得するために。
電力ビジネスは、その高い固定費比重にもかかわらず、卸電力、需給調整、容量市場といった変動性の高い市場に収益を依存する高リスクな事業構造です。小売事業者、金融機関、そして蓄電池メーカーを含む全プレイヤーにとって、市場制度の理解不足は、事業機会の逸失や予期せぬリスクに直結します。
本講座は、この複雑な市場の不確実性が、どこから発生しているのかを見極め、今後の収益を最大化する「実務担当者の視座」を提供します。
【学ぶべき論点:制度の「現在地」と「2028年以降の激変」】
本講座では、電力ビジネスの収益構造を根底から変える4大市場のメカニズムと、その将来予測に焦点を当てます。
- 市場構造の解剖: なぜ電気を「量(kWh)」「調整力(ΔkW)」「供給力(kW)」に分けるのか、その価値の源泉を解明します。需給調整市場における5つの商品区分(応動時間と役割)や、長期脱炭素電源オークション(LTDA) の20年間固定収入ルールといった、収益の土台となる取引の仕組みを理解します。
- 実務の激変: 2028年以降の導入が見込まれる「同時市場」の仕組みも解説します。
ゲームチェンジ: 事業者が「いくらで売りたいか(価格入札)」を決める現行制度から、Three-Part Offer(起動費、最低出力費用、増分費用カーブ)という「コスト登録」方式への移行が、収益構造に与える影響を解説します。
- 事業影響の分析: 小売事業者、メーカー(蓄電池)、発電事業者(再エネ・安定電源) といった各ライセンス事業者の視点から、同時市場や容量市場の制度変更が、収益ポートフォリオにどのようなインパクトを与えるのかを分析します。
この講座を通じて、次世代電力市場の「確かな現在地」を掴み、成功に繋がる知識基盤を獲得してください。
このような課題をお持ちの方に
- 電力市場の取引が「kWh(電気の量)」だけでなく、「調整力(ΔkW)」や「供給力(kW)」 「環境価値」に細分化されている理由と、それぞれの市場が果たす役割の全体像を基礎から理解したい方。
- 小売事業者、発電事業者(再エネ・安定電源)、金融・リース会社といった各プレイヤーの立場から、各電力市場の収益機会とリスクを分析する視座を獲得したい方。
- 電力市場への新規参入を検討しているが、卸電力市場のメリットオーダーや需給調整市場の5つの商品区分など、取引の基礎的なルールが不明確な方。
- 2028年以降に導入される「同時市場(Co-optimization)」により、収益構造がどのように変化するのか、そこに対しての知見を高めたい方。
- 「価格入札」から「コスト登録(Three-Part Offer)」への移行が、発電事業や小売の電源調達に与えるインパクトを把握したい方。
- 容量市場や長期脱炭素電源オークション(LTDA) の固定収入保証の仕組みや、非化石証書市場の需給バランスといった、中長期の投資判断に必須の制度論を学びたい方。
講座カリキュラム
第1章 主要電力市場の構造とメカニズム
~実務担当者として知っておくべき「取引のルール」~
1.電力市場で取引する「価値」
・なぜ電気を「量(kWh)」「調整力(ΔkW)」「供給力(kW)」「環境価値(kWh)」に分けて取引するのか?
2.卸電力取引市場(主にスポット市場)
・メリットオーダー(限界費用が安い順に約定する原則)の理解
3.需給調整市場
・5つの商品区分:一次調整力から三次調整力②までの「応動時間(スピード)」と「役割」の違い
・価格決定:現状の「マルチプライスオークション」と、ΔkW価格・kWh価格の二部料金制
4.容量市場と長期脱炭素電源オークション
・容量市場:4年後の供給力を取引する「シングルプライスオークション」と指標価格
・長期脱炭素電源オークション(LTDA):20年間の固定収入を保証する仕組みと、市場収益還付(90%)のルール
5.再エネ価値取引市場と高度化法義務達成市場
・非化石証書の需給バランスはいつ崩れるのか
第2章 新市場の導入により起こる電力取引のゲームチェンジ
1.同時市場の導入と市場へ与える変化
~2028年以降、実務はどう変わるのか~
・同時市場(Co-optimization)とは何か
kWh(エネルギー)とΔkW(調整力)を一つの市場で同時に最適化する仕組み 。
・実務の激変:「価格入札」から「コスト登録」へ
Three-Part Offer:入札時に「価格」を書くのではなく、「起動費」「最低出力費用」「増分費用カーブ」という原価データを登録する方式への変更
事業者は「いくらで売りたいか」を決められず、システムが最適解を出す世界へ
・収益構造の変化と対策
ΔkW価格の「シングルプライス化」と、機会費用の自動算出
2.中長期取引市場の導入と市場へ与える変化
・中長期取引市場で取引される価値とは
・中長期取引市場の導入による市場価格の変化
第3章 各ライセンス事業者から視た各電力市場のインパクト
1.小売事業者から視た各電力市場のインパクト
2.発電事業者(安定電源)から視た各電力市場のインパクト
3.発電事業者(再エネ)から視たインパクト
4.発電事業者(蓄電池)から視たインパクト
開催形式
LIVE配信(Zoom)
実施形式・申込締切日・実施日程
●講義実施日程 ZoomによるLIVE配信
2026年5月20日(水)10:00~ 13:00
●申込締切
2026年5月18日(月)15:00まで

株式会社日本総合研究所
リサーチ・コンサルティング部門シニアマネージャー 大阪大学大学院前期博士課程修了。株式会社日本総合研究所に入社。経済産業省 電力・ガス取引監視等委員会に出向。その後帰任し現在に至る。入社から一貫して環境・エネルギー分野に関するコンサルティング業務に従事。経産省時代は、容量市場の制度設計をはじめとして電力・ガス市場の制度設計を担当。帰任後も電力・ガス政策の動向を抑えつつ、再エネ発電事業、系統用蓄電池事業に関する各種リスク評価、事業性検証を支援
早矢仕 廉太郎
講座概要
受講形態 | LIVE配信(Zoom) お申込み後、開催日程が近づいてきたタイミングで事務局より、接続先や講義レジュメのご連絡をさせていただきます。 | |
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受講料金 | 1名受講 | 45,000円(税込 49,500円) |
受講のご案内 | 【実施上の注意】 | |
注意事項 | 受講は申込者本人に限ります。他人に貸与・譲渡することはできません。 | |












