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最終更新:2026年10月21日

GRESB(グレスブ)

環境ビジネス編集部
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GRESB(グレスブ)とは、不動産やインフラストラクチャーといった実物資産を保有・運用する企業やファンドを対象に、環境・社会・ガバナンス(ESG)配慮を測定・評価する年次の国際的ベンチマークのこと。

正式名称は「Global Real Estate Sustainability Benchmark(グローバル不動産サステナビリティ・ベンチマーク)」であり、2009年に欧州の主要年金基金グループを中心に創設された。個別の建築物単体に対する環境認証とは異なり、保有する資産群(ポートフォリオ)全体の実績と運用組織のマネジメント体制を総合的に評価・格付けする点に特徴がある。

GRESBの評価体系と格付けの仕組み

GRESBは主に、既存物件や開発物件を運用する不動産会社や上場REIT・私募ファンドを対象とする「リアルエステイト評価」、インフラ資産や事業会社を対象とする「インフラストラクチャー評価」、そして上場企業・ファンドのESG情報開示度をAからEの5段階で評価する「開示評価(Public Disclosure)」で構成される。

中核となるリアルエステイト評価は100点満点で採点され、2つの構成要素から成り立つ。1つは方針、ガバナンス、リスク管理、ステークホルダー対応など組織体制を測る「マネジメント・コンポーネント」(30点満点)である。もう1つは、保有ポートフォリオ全体のエネルギー消費量、水、GHG排出量、廃棄物、グリーンビル認証取得状況などの実績データを測る「パフォーマンス・コンポーネント」(70点満点、開発物件向けはディベロップメント・コンポーネント)である。

総合スコアに基づき、参加者には客観的なレーティングが付与される。全世界の参加者の中で得点順位に応じた相対評価が行われ、上位20パーセントに最高位の「5スター」が与えられ、以降20パーセント刻みで「1スター」まで格付けされる。また、マネジメントとパフォーマンスの双計で50パーセント以上の得点率を達成した参加者には、絶対評価として「グリーンスター(Green Star)」の称号が付与される。

市場における位置づけと影響力

GRESBは、機関投資家が実物資産投資においてESGリスクや投資先の持続可能性を判断するための実質的な世界標準となっている。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)をはじめとする世界の主要な機関投資家が投資家メンバーとして参画し、運用資産残高の合計は約50兆米ドルに達する。これらの投資家は、ファンド選定や投融資判断、投資先との建設的な対話(エンゲージメント)にGRESBの評価結果を活用している。

日本国内における参加規模も急速に拡大している。2024年の評価結果では国内から143社・ファンドがリアルエステイト評価に参加した。とりわけJ-REIT市場においては、時価総額ベースで99パーセントを超える銘柄が参加しており、不動産投資市場における事実上のデファクトスタンダードとして定着している。毎年4月1日に評価ポータルが開設されて回答提出が始まり、7月1日の提出締め切りを経て、毎年秋(9月下旬から10月頃)に最新結果が正式公表される。

近年の制度変更と実務上の対策ポイント

実務担当者がGRESBスコアの維持・向上を図る上では、組織方針の整備にとどまらず、保有物件群における精緻な実績データの収集体制が求められる。配点の7割を占めるパフォーマンス評価で高得点を獲得するには、エネルギー使用量やGHG排出量を網羅的に把握し、データの信頼性を担保するための第三者検証を取得することが有効な対策となる。

あわせて、保有資産における環境認証の取得率向上も不可欠である。CASBEEやLEED、BELSなどのグリーンビルディング認証の取得実績は加点対象となる。2025年には国土交通省の「優良緑地確保計画認定制度(TSUNAG)」が承認対象として連動するなど、国内の公的制度との接続も進んでいる。

近年の評価基準改定では、ネットゼロ(GHG排出実質ゼロ)目標の設定およびその達成に向けた道筋や、建物の資材製造・施工段階に伴う炭素排出(エンボディドカーボン)に関する設問が拡充されている。脱炭素化に向けた長期ロードマップの策定と、個別物件のライフサイクル全体を見据えた環境負荷低減が今後のスコアを左右する要素となっている。

参考

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環境ビジネス編集部

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環境ビジネスは、温暖化防止のための世界で初めての国際協定である京都議定書が1997年に採択されたことを受けて、その翌年創刊しました。当時、『21世紀は、環境の世紀』といわれ、私たちは、新たな時代の到来はもちろんのこと、新たな産業の息吹を感じ、環境に関するビジネスに役立つメディアを出版することになりました。ウェブマガジン「環境ビジネスオンライン」では、環境業界の注目ニュース・最新トレンド・政策・企業情報解説記事など、実務に役立つ情報・サービスを提供しており、多くの実務層の方々にご参照いただいています。

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