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最終更新:2026年11月06日

物流効率化法(物資の流通の効率化に関する法律)

環境ビジネス編集部
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物流効率化法(物資の流通の効率化に関する法律)とは、トラックドライバーの時間外労働規制等に伴う輸送能力不足や人手不足に対応し、持続可能な物資の流通網を維持・確保することを目的とした法律。

従来の「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律(旧流通業務総合効率化法)」を抜本改正し、2024年5月に公布された。従来の物流総合効率化事業に対する計画認定や支援措置にとどまらず、荷主企業および物流事業者の双方に対して業務効率化の努力義務や特定事業者への規制的措置を導入した点が大きな特徴である。

物流効率化法に関する制度の仕組み、努力義務の対象範囲

本法における規制的措置は、すべての関連事業者に課される「努力義務」と、一定規模以上の事業者に課される「義務」の2重構造で構成されている。

努力義務の対象には、自社の貨物を運送させる第一種荷主、貨物の引渡しや受取を行う第二種荷主(着荷主など)、フランチャイズチェーン本部等の連鎖化事業者のほか、貨物自動車運送事業者、貨物利用運送事業者が含まれる。さらに、トラックとの貨物受渡しに関わる倉庫業者、港湾運送事業者、鉄道貨物運送事業者、航空貨物運送事業者といった関連事業者も対象となる。

これらの事業者は、国が定めた判断の基準に基づき、共同輸配送やロットサイズの適正化による積載効率の向上、バース予約システムの導入等による荷待ち時間の短縮、パレット化や検品の簡素化を通じた荷役等時間の短縮に取り組むことが求められる。国の判断基準に照らして取り組みが不十分な場合には、指導や助言、実態調査や公表の対象となる。

「特定事業者」の指定基準と義務付けられる事項

物流量や事業規模が一定水準を超える事業者は「特定事業者」に指定され、努力義務に加えて中長期的な改善体制の構築が法的に義務付けられる。

特定事業者の指定基準は業態ごとに定められており、年間取扱貨物重量が9万トン以上の荷主および連鎖化事業者が特定荷主等に指定される。この貨物重量の判定は、出荷(発荷主)と受取(着荷主)でそれぞれ別個に行われる。また、保有車両台数が150台以上の運送事業者が特定貨物自動車運送事業者等に、貨物の年間保管量が70万トン以上の倉庫業者が特定倉庫業者に指定される。

特定事業者に指定された荷主等は、国への指定の届出を行うとともに、物流効率化に向けた中長期計画の策定・提出や、年度ごとの定期報告が義務となる。さらに特定荷主および特定連鎖化事業者には、役員クラスから物流統括管理者(CLO: Chief Logistics Officer)を選任することが義務化される。取り組みが著しく不十分な場合は、勧告、公表、改善命令が下され、命令違反に対しては100万円以下の罰金等の罰則が適用される。

施行スケジュールと国の達成目標

改正法は円滑な現場移行を促すため、2段階に分けて施行される。2024年5月15日の公布後、2025年4月1日には第1段階としてすべての荷主および物流事業者を対象とする判断基準の運用と努力義務が施行された。続いて2026年4月1日には第2段階が施行され、特定事業者に対する中長期計画の策定・提出、定期報告、CLO選任などの義務付けが完全施行された。

国が策定した基本的な方針では、実効性を高めるための数値目標が掲げられている。具体的には、ドライバー1人当たり年間125時間の拘束時間短縮を目指し、1運行あたりの荷待ち・荷役時間を2時間以内、1回の受渡しあたり1時間以内に抑えることが目標とされている。また、輸送全体の車両積載効率を44%に引き上げ、全体の5割の車両で積載効率50%以上を達成することが目指されている。

企業の調達・ESG実務におけるポイント

実務上の大きな転換点は、運送事業者に委ねられがちだった荷待ち時間や荷役作業について、荷主側の責任が明文化された点にある。特に納品先となる着荷主側の受入体制や発注リードタイムの見直しが強く求められることとなった。中小企業であっても努力義務の対象であるほか、取引先の特定荷主や物流会社から運行改善や運行実績データの開示を求められるケースが増加している。

また、特定荷主におけるCLOの選任義務化に伴い、物流部門の個別最適にとどまらず、調達、生産管理、営業部門を横断したサプライチェーン全体の再構築が不可欠となった。民間でもこうした法対応を支援する動きが広がっており、佐川グローバルロジスティクスが提供するCLOサポートサービスのように、現状調査から中長期計画のKPI設定、温室効果ガス排出量の可視化までを一貫支援する体制整備が進んでいる。

積載率の向上や待機時間の圧縮は、物流の2024年問題への適応にとどまらず、サプライチェーン排出量における輸送関連GHG排出量の削減にも直結する。実務担当者には、法令遵守の枠組みを超えて、持続可能な調達基盤の構築と脱炭素化を同時に推進する経営戦略としての対応が求められている。

参考

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環境ビジネスは、温暖化防止のための世界で初めての国際協定である京都議定書が1997年に採択されたことを受けて、その翌年創刊しました。当時、『21世紀は、環境の世紀』といわれ、私たちは、新たな時代の到来はもちろんのこと、新たな産業の息吹を感じ、環境に関するビジネスに役立つメディアを出版することになりました。ウェブマガジン「環境ビジネスオンライン」では、環境業界の注目ニュース・最新トレンド・政策・企業情報解説記事など、実務に役立つ情報・サービスを提供しており、多くの実務層の方々にご参照いただいています。

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