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最終更新:2026年10月20日

最終保障供給

環境ビジネス編集部
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最終保障供給とは、小売電気事業者の倒産や事業撤退、契約満了などに伴い、いずれの小売電気事業者とも電力需給契約が成立しない高圧以上の需要家に対して、一般送配電事業者が電気の供給を制度的に担保するセーフティネットとなる制度のこと。

電気事業法第17条第3項に基づき、各エリアの一般送配電事業者に供給義務が課されている。無電状態による操業停止を防ぐラストリゾート供給として機能する一方、早期に民間の通常契約へ移行することを前提とした臨時的な措置として位置づけられている。

最終保障供給制度の対象範囲と契約の枠組み 低圧の需要家は気にしなくていい

最終保障供給の対象となるのは、契約電力50kW以上の高圧および2,000kW以上の特別高圧を利用する法人需要家である。一般家庭や小規模店舗などの低圧(50kW未満)需要家に対しては、大手電力会社に経過措置料金などの供給義務が課されているため、本制度の対象には含まれない。

供給主体は需要場所を管轄する各地域の一般送配電事業者であり、各社が定める「電気最終保障供給約款」に基づいて契約が締結される。制度本来の目的が一時的な緊急避難措置であることから、約款上の契約期間は原則として1年以内と定められている。

料金体系の仕組みと市場価格連動

最終保障供給の料金は、電気の使用形態に応じて「最終保障電力A」と「最終保障電力B」に分かれる。Aは主に照明や小型機器の使用を基本とし、動力との併用も含む。Bは工場の機械設備などを動かす動力を主対象としている。いずれも契約電力に応じた基本料金と、使用電力量に応じた電力量料金で構成される。

料金水準は、早期の民間切り替えを促すペナルティ性を持たせるため、通常の契約メニューよりも割高に設定されている。2022年の燃料高騰時には大手電力の標準プランよりも最終保障供給が割安になる逆転現象が発生したが、同年9月に日本卸電力取引所(JEPX)のスポット市場価格を反映する「市場価格調整単価」が導入され、是正が図られた。その後も託送料金や標準メニューの見直しに応じて改定が続いており、一般送配電事業者10社の最終保障供給料金改定をまとめた記事でも各供給区域における基本料金や電力量料金の見直し内容が報じられている。

契約件数の急増から沈静化までの推移

2022年に発生した世界的な燃料価格の高騰局面では、新電力の倒産・撤退や新規契約の受付停止が相次ぎ、契約先を確保できない「電力難民」が大量に発生した。その結果、2022年12月には全国の最終保障供給契約件数が過去最高となる約4.6万から5.2万件規模に達した。

その後、市場価格連動の導入による経済的インセンティブの適正化や、大手電力会社による高圧料金改定、燃料市場の落ち着きに伴い、民間小売契約への切り替えが進展した。2023年から2024年にかけて契約件数は数千件規模へ大幅に減少し、電力・ガス取引監視等委員会によるモニタリング公表頻度も市場急変期の月2回から四半期に1回へと見直されている。

調達リスクと切替期間

最終保障供給への移行は電力遮断を回避する手段となる反面、重大なコスト上昇要因になる。市場価格調整単価が加算される仕組みであるため、JEPX市場価格が高騰しやすい夏期や冬期には電気料金が著しく跳ね上がるリスクを負うことになる。

契約中の小売電気事業者から事業撤退や契約解除の予告を受けた場合、速やかな対応が不可欠だ。高圧・特別高圧電力の切り替えには、相見積もりの取得、契約条件の精査、社内決裁、一般送配電事業者との託送切替手続きを含めて通常1.5カ月から2カ月程度の期間を要する。最終保障供給の開始を待つのではなく、撤退予告を受けた時点で直ちに他の小売事業者へのアプローチを開始し、通常契約への移行を完了させることが電力コストの最適化につながる。

参考

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環境ビジネス編集部

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環境ビジネスは、温暖化防止のための世界で初めての国際協定である京都議定書が1997年に採択されたことを受けて、その翌年創刊しました。当時、『21世紀は、環境の世紀』といわれ、私たちは、新たな時代の到来はもちろんのこと、新たな産業の息吹を感じ、環境に関するビジネスに役立つメディアを出版することになりました。ウェブマガジン「環境ビジネスオンライン」では、環境業界の注目ニュース・最新トレンド・政策・企業情報解説記事など、実務に役立つ情報・サービスを提供しており、多くの実務層の方々にご参照いただいています。

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