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最終更新日:2026年09月30日

EUDR(EU森林破壊防止規則)

環境ビジネス編集部
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EUDR(EU森林破壊防止規則)とは、EU域内で流通する、またはEU域外へ輸出される特定の産品について、森林破壊や森林劣化を引き起こしていない土地で生産されたこと、および生産国の関連法令を遵守して生産されたことを証明するよう義務付ける欧州連合の規則である。

世界の森林減少や生物多様性の損失を抑制し、EUの消費活動に伴う温室効果ガス排出を削減することを目的とする。正式名称は「森林破壊および森林劣化に関連する特定の一次産品および製品のEU市場での提供ならびにEUからの輸出に関する規則(Regulation (EU) 2023/1115)」である。

EUDRの対象品目とデューディリジェンスの枠組み

規制対象となるのは、牛、カカオ、コーヒー、パーム油、ゴム、大豆、木材の7つの一次産品と、それらから作られる派生製品である。派生製品には牛肉、皮革製品、チョコレート、タイヤ、ゴム製品、大豆油、大豆粕、紙製品、木製家具、合板などが含まれる。

事業者は対象製品をEU市場へ上市または輸出する際、デューディリジェンスを実施し、EUの専用ITシステムへ宣言書(DDS)を登録して参照番号を取得しなければならない。デューディリジェンスは主に以下の手順で構成される。

さらに、EUは生産国や地域を「低リスク」「標準リスク」「高リスク」の3段階に分類するカントリー・ベンチマークを導入する。低リスク国からの調達品にはリスク評価や緩和措置を省略できる簡易デューディリジェンスが適用されるが、生産地の位置情報などの収集・提出は原則として免除されない。

  1. 情報収集:原産地、生産区画の正確な地理位置情報(緯度・経度)、伐採日や生産日、合法性を証明する情報の収集
  2. リスク評価:原産国の情勢、森林破壊リスク、先住民族の権利侵害リスクなどの査定
  3. リスク緩和:リスクが無視できる水準に低減できない場合、サプライヤーへの支援や追加調査を実施(基準を満たさない製品はEU市場での取引不可)
  4. DDSの提出:専用システムへの登録とステートメントの提出

適用スケジュールと制度の簡素化

同規則は2023年6月に発効した。当初は2024年末からの適用が予定されていたが、準備状況やITシステムへの懸念から延期が議論され、2025年12月にEU理事会と欧州議会が再度の1年延期および規制負担を軽減する簡素化法案(規則 (EU) 2025/2650等)に合意した。

現行の適用期日は、大規模・中規模事業者が2026年12月30日から、小規模・零細事業者が2027年6月30日からとなる。一方で、森林破壊の基準となるカットオフ日は「2020年12月31日」に据え置かれており、スケジュールの延期にかかわらず、この日以降に森林破壊や森林劣化が行われた土地で生産された産品は流通できない。

簡素化の主な改定点として、DDSの提出義務がEU市場に最初に製品を上市(輸入・供給)する事業者に集約され、域内の川下事業者や取引業者の重複負担が軽減された。また、書籍や新聞などの一部の印刷物が対象から除外されている。

日本企業の実務影響と留意点

EUDRは、CBAMやCSRDと並び、グローバルサプライチェーンに直接的な法的拘束力を持つ通商・環境規制である。EUへ最終製品を直接輸出していない日本企業であっても、納入先が欧州企業である場合や、自社の部素材(タイヤ向け天然ゴム、電子機器の木製部材、食品・化成品向けパーム油誘導体など)がEU向け完成品に組み込まれる場合、生産地の緯度・経度データの提出を求められる。

特に実務上の課題となりやすいのが、生産区画のジオロケーション特定である。4ヘクタールを超える農地や森林区画については単一の緯度・経度にとどまらず、境界を示すポリゴンデータが必要となる。東南アジア等の小規模農家が多数介在するサプライチェーンでは、トレーサビリティの遡及とデータ整備に膨大な作業が発生する。

また、FSC認証制度やPEFC認証、持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)といった既存の第三者認証は、リスク評価の有力な判断材料にはなるものの、それ単体でEUDR適合の免除要件にはならない。企業は認証に過度に依存せず、2020年末以降の伐採履歴や土地利用状況を独自に確認・担保できる調達管理体制を構築する必要がある。

参考

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環境ビジネスは、温暖化防止のための世界で初めての国際協定である京都議定書が1997年に採択されたことを受けて、その翌年創刊しました。当時、『21世紀は、環境の世紀』といわれ、私たちは、新たな時代の到来はもちろんのこと、新たな産業の息吹を感じ、環境に関するビジネスに役立つメディアを出版することになりました。ウェブマガジン「環境ビジネスオンライン」では、環境業界の注目ニュース・最新トレンド・政策・企業情報解説記事など、実務に役立つ情報・サービスを提供しており、多くの実務層の方々にご参照いただいています。

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