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最終更新日:2026年10月14日

出力制御(出力抑制)

環境ビジネス編集部
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出力制御(出力抑制)とは、電力系統において需要と供給のバランスを保ち周波数を維持するため、または送電線や変圧器の設備容量を超えないよう、一般送配電事業者の指示や自動制御システムによって発電設備の出力を一時的に停止・低減させる措置のこと。

太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、春・秋などの軽負荷期を中心に発生頻度が高まっている。英語ではカーテイルメント(Curtailment)とも呼ばれる。

出力制御が発生する理由と優先給電ルール

出力制御が行われる要因は、電力需要に対して発電量が上回り系統周波数が乱れる「需給バランス制約」と、特定送電ルートの物理的容量を超える「送電容量制約(系統混雑)」の2つに大別される。

電力系統の安定を維持しながら可能な限り再生可能エネルギーを受け入れるため、国(資源エネルギー庁)は電源停止や出力低減の順序を定めた「優先給電ルール」を設けている。

電気が余剰となる際は、まず火力発電の出力抑制や揚水発電の揚水運転(昼間に水を汲み上げて需要を創出)を実施し、次に地域間連系線を活用した他地域への広域融通を行う。それでも需給バランスが保てない場合に限り、バイオマス専焼電源、地域資源バイオマス電源を経て、太陽光発電や風力発電といった自然変動電源の出力制御が指示される。長期固定電源である原子力や一般水力、地熱発電の出力抑制は、技術的制約から最終段階に位置づけられている。

契約区分による制御ルールとオンライン代理制御

再生可能エネルギー発電所が受ける出力制御の条件は、FIT・FIP制度下での接続時期や規模に応じた契約ルールにより異なる。初期に適用された「年間30日を上限に無補償で制御するルール(30日ルール)」や、時間単位で管理する「年間360時間ルール」が存在するが、接続可能量を超過したエリア以降の新規接続案件には原則として年間上限を設けない「無制限・無補償ルール(指定電気事業者制度)」が適用される。

制御の実施方式には、通信回線経由でパワーコンディショナー(PCS)を遠隔からきめ細かく制御する「オンライン制御」と、現地での手動操作を前提とした「オフライン制御」がある。2022年度からは公平性の確保と再エネ受入枠拡大を目的に「オンライン代理制御」が導入された。これは、手動停止が難しいオフライン設備の代わりにオンライン設備が追加で出力を絞り、後日オフライン事業者からオンライン事業者へ相当分の経済的精算を行う仕組みである。

全国への拡大傾向と制度見直しの動向

先行して出力制御が常態化していた九州エリアに加え、近年は東北、四国、中国、中部、関西など全国各地のエリアで制御が実施されている。資源エネルギー庁の次世代電力系統ワーキンググループの短期見通しでも、九州や東北、四国など再エネ比率が高いエリアを中心に数パーセント台の年間制御率が予測されている。

これに対し、国は火力発電の最低出力引き下げや地域間連系線の容量拡大、系統用蓄電池の導入促進などの総合対策を進めている。さらに、市場シグナルに応じて発電・売電を行うFIP制度への移行を促す観点から、2026〜2027年度を目途に、再エネ内の制御順位を従来の「FIT・FIP同等」から「FIT電源を優先的に制御し、不足時にFIP電源を制御する」方向へ見直す方針が示されている。

発電事業者・需要家の実務対策

実務担当者にとって、出力制御に伴う発電停止は逸失利益の補償がないため、事業採算性(IRRやDSCR)の悪化要因となる。コーポレートPPAの契約締結や新規投資判断では、各一般送配電事業者が公表する見通しデータを踏まえたキャッシュフローの感度分析が欠かせない。

具体的な対抗策として、既存のオフライン設備をオンライン制御化して過剰な発電機会損失を防ぐことや、FIP認定への切り替えが挙げられる。小規模な設備向けには、Bluefield Energyによる低圧発電所のFIP転換支援サービスのように、アグリゲーションを代行して出力制御下での収益安定化を図る動きも登場している。

また、余剰電力を捨てずに充電し夜間の市場高値時に放電する蓄電池の併設や、需要側で電力消費を促す取り組みも有効である。例えば、東急パワーサプライが家庭用蓄電池を遠隔制御して余剰電力を充電させた上げDRの実証のように、需要創出によって系統全体の出力抑制を低減させる分散型リソースの活用が実務レベルで進んでいる。

参考

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環境ビジネスは、温暖化防止のための世界で初めての国際協定である京都議定書が1997年に採択されたことを受けて、その翌年創刊しました。当時、『21世紀は、環境の世紀』といわれ、私たちは、新たな時代の到来はもちろんのこと、新たな産業の息吹を感じ、環境に関するビジネスに役立つメディアを出版することになりました。ウェブマガジン「環境ビジネスオンライン」では、環境業界の注目ニュース・最新トレンド・政策・企業情報解説記事など、実務に役立つ情報・サービスを提供しており、多くの実務層の方々にご参照いただいています。

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