北米最大のビジネスチャンスはペンシルベニア州にあり

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風力に次いで太陽光発電大型プロジェクト続々展開

かつて「鉄の都」と呼ばれたペンシルベニア州はいまや米東海岸最大の再生可能エネルギーのメッカだ。エドワード・レンデル知事の積極策により、スペインの風車メーカー「ガメサ」の誘致に成功、全米有数の風車産業拠点となっている。さらに7月15日、知事は太陽光発電の量を3倍にすべく2億3000万ドルの予算を投じることを決めた。同州が次に目指すのは太陽電池メーカーの誘致であり、日本のメーカーに熱い視線が注がれている。

ペンシルベニア州

ペンシルベニア州 Profile
州知事:エドワード・レンデル/州都:ハリスバーグ
面積:119,282㎞2/人口:12,365,455人(2003年)
人口密度:全米第6位
合衆国加入:2番目(1787年12月12日)
アメリカ合衆国で最も歴史のある州の一つ。最大の都市フィラデルフィアは独立宣言や合衆国憲法が立案された場所でもあり、アメリカ合衆国発祥の地と呼ばれることもある。


知事の大胆な政策でガメサを誘致

エドワード・レンデル ペンシルベニア州知事
エドワード・レンデル ペンシルベニア州知事
ペンシルベニア州サマーセットの風車
ペンシルベニア州サマーセットの風車

2008年3月、大統領候補だったバラク・オバマ氏が風車工場でタウンミーティングを開催したことで、ペンシルベニア州は一躍風力発電産業のメッカとして知られるようになった。それを担うのが、スペインからやってきた風力発電メーカー「ガメサ」だ。

2003年、エドワード・レンデル知事は環境政策に強いキャサリーン・マクギンティ氏をブレーンに採用。就任早々「風車の製造」に取組んだ。世界第2位のシェアをもつ「ガメサ」も当時アメリカ進出の拠点を探していた。

広大な土地を有するテキサス州も候補地のひとつだったが、最終的にガメサはペンシルベニア州を選んだ。決め手となったのは、「2021年までに新エネルギーの占める割合を18%にする」という知事の大胆な政策だった。

2004年にこの政策が州議会を通過したことで、ペンシルベニア州ではあと12年のうちに新エネルギーの導入を大幅に増やさなければならない。そこで2008年には同州は6億5000万ドルの自然エネルギー基金を創設した。

加えて、同州は5100万人の人口を抱えるアメリカ最大の消費地である東部の人口集中地域にグリッドがつながっているため、需要家には事欠かない点も、進出企業にとって好条件だ。

日本の太陽電池産業に好条件

太陽光モジュール
太陽光モジュール

風力発電に続き、ペンシルベニア州が力を入れるのは太陽光発電だ。この新エネルギーへの積極策は、州の雇用対策とエネルギー安全保障に貢献している。

レンデル知事は言う。
「この不況下にあって、私たちは雇用を創出すると同時に環境保全に貢献するエネルギーの確保に成功しています。再生可能エネルギー・プロジェクトは、化石燃料の消費削減、エネルギーコスト抑制など、消費者や地域のビジネスと地方政府を助けています。いまや、ペンシルベニア州は再生可能エネルギーのリーダーとなりつつあるのです」

知事が誇らしげに語るとおり、同州は昨年10月、フィラデルフィア近郊に3MWの太陽光メガパワーステーションを稼動させている。このプロジェクトはオバマ大統領が就任早々に発表した「アメリカの復活と再投資法(ARRA)」における7870億ドルの景気対策の波を先取りするものであり、アリジェニー郡、カーボン郡、モントゴメリー郡、フィラデルフィアなど州内各地で数多くの太陽光発電プロジェクトが用意されている。ペンシルベニア州では2020年 までに太陽光発電電力を860MWを目指しており今後各家庭・事業所への太陽光パネルの設置も加速度的に増加していく。

ペンシルベニア州は、太陽電池産業が米国で拠点を築くのに好条件を備えており、太陽光発電技術を誇る日本企業にとって、またとないチャンスだ。州政府は外資系企業へのサポート体制を万端に整え、日本企業が太平洋を渡ってくるのを心待ちにしている。


■ペンシルベニア州への投資・進出に関する問合せ先
 武田 寿郎 投資担当代表
 takeda@yamano.co.jp

 ペンシルベニア州地域振興・経済開発省 日本投資事務所

 株式会社ヤマノアンドアソシエイツ
 〒107-0052 東京都港区赤坂1-11-36-310
 TEL :03-5549-9460
 FAX :03-3582-5076
 ※お問合せの際は、「環境ビジネス.jpを見た」というとスムーズです。

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