太陽光発電 高圧ミドル市場に、ストリング型パワコンで本格参入(2ページ目)

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メンテナンスコストでさらにメリット

オムロンは、高圧ミドル市場におけるストリング型パワコンと系統連系技術により、イニシャルコスト、ランニングコストの両面で優位性を発揮できることを訴求していく。

高圧ミドルにおけるコストメリット(※クリックで拡大)

まずストリング型パワコンではセントラル型で必要な、直流電流をパワコンに集めるためのDC接続箱や集電箱、パワコンの収納箱が不要となりイニシャルコストが抑えられる。分散設置によってリスク分散が図られ、パワコン停止に伴う発電量損失も最小限に抑えられることによりランニングコストの削減にもつながる。「高圧ミドル市場において、セントラル型よりもストリング型のほうがコストメリットが出るケースが増えてきている」と立石氏。

地絡過電圧継電器 K2ZC-K2GV-N□C
地絡過電圧継電器
K2ZC-K2GV-N□C

また、OVGRの進化もライフサイクルコストの低減を後押しする。10月に発売する太陽光発電用の地絡過電圧継電器ユニット(OVGR)「K2ZC-K2GV-N□C」は自動・手動復帰の切り替えを可能とし、手動復帰機能を継電器本体に搭載した。

また、系統連系の電圧に異常がないかどうかを、遠隔監視システム(同社では「ソラモニ」サービスを提供)に連係し常時監視できる機能を追加。来年4月から太陽光発電設備の定期点検の頻度が従来の6カ月に1度から2カ月に1度(設備容量による)へと強化されるが、同ユニットを設置し、随時監視環境を構築することで頻度を3カ月に1度に減らすことに役立ち、保守点検費用の削減にもつながる。

今後投入予定の20kWクラスのパワコンは、省スペース化を図りながら98%という高い変換効率を実現。そのため、施工やメンテナンスも容易にできる。加えて、塩害にも対応するなど耐環境性能を備える仕様とする予定。

固定価格買取金額は低下してきているが「イニシャルコスト、メンテナンスコストが下がればまだまだ太陽光発電の導入メリットは感じられるはず」と立石氏は話す。

オムロンが、太陽光発電市場で足固めをした後の「主戦場」として位置づけるのが、電力自由化後のマーケットだ。「ユーザーやサービスプロバイダーに対し、オムロンが強みを持つセンシング&コントロール技術を活用し、ムダなく創る、上手に貯める、かしこく使う、という視点からサービス価値の提供に不可欠な商品を提供できる」と立石氏。

系統と分散システムの安全性を維持する「安全の関所」、エネルギーの需給を最適に調整する「エネルギーの関所」、サービスの提供に必要なエネルギー情報を収集する「情報の関所」、という"3つの関所"で顧客に「エネルギー効率の最大化」を提案していく。

お問い合わせ
オムロン株式会社 環境事業本部
TEL:0120-085-606
http://www.omron.co.jp/energy-innovation/

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