両面ガラスを採用、コンセプトは「100年の耐久性」の新型モジュール
太陽光発電のDIYキットで着実に実績を積むLooopがオリジナルの太陽光モジュール『NEXTOUGH(ネクスタフ)』を新たに開発している。満を持して市場に投入するモジュールの実力はいかに。
今後の市場動向を見据えて

Looop事業本部 若林輝男 氏
FITも4年目。昨年の九州電力の回答保留問題などもあり、さらなる事業の拡大をしていかなければならないという思いがあったとLooopの若林氏。これからの電力自由化を見据えると、オリジナルモジュールを開発するという選択肢は必然だった。また、海外への販路を開拓するうえでもこの開発は大きな意味を持つ。「今まで培ったノウハウがたまり、市場が成熟してきたことで部材のコストが下がった。我々にとっては絶好のタイミングだった」と若林氏。
同製品は、UAEで開催された未来エネルギーに関する国際展示会(WFES:World Future Energy Summit)で初披露されたが、高い機能性に多くの来場者が関心を寄せていたという。
両面ガラスパネルのタフな構造
Looopが開発したモジュールはバックシートを使用せず、両面にガラスパネルを使用している。バックシートを使用した従来の製品は水や砂、突風といった外部リスクに弱かった。そこで、Looopでは「100年の耐久性」をコンセプトに開発を進め、「両面ガラスパネル」という手法を採用した。経年劣化の少ないガラスを採用することで長寿命化も期待できる。両面をガラスにすると発電量が落ちるのでは、という懸念もあるが、紫外線を可視光線に波長変換し発電量を上げる技術やUVスルーの技術で防ぐ。
また、Looopでは低価格も実現。国内の部材メーカーとも直接取引をすることでコストダウンを可能にした。さらに、ただ安くする、コストを抑えるという発想ではなく、部材メーカーと緊密に連携することで、低価格でありながら高品質な製品を開発している。
太陽光発電市場に価格革命
NEDOは「太陽光発電開発戦略(NEDO PV Challenges)」の中で、太陽光発電の大量導入へ向け、2020年に業務用電力価格並みの発電コスト14円/kWhを実現する見通しを得たという。今後、グリッドパリティを確実なものにするためにも発電コストの一層の低減が求められる。
そのような中、Looopでは、圧倒的なコストパフォーマンスと競争力を有するモジュールの開発により、産業用市場だけでなく、住宅向けのモジュール販売も視野に入れる。従来製品のMY発電所キットに組み込んだラインナップも開始する構えだ。商社、施工店、販売店と組むことで、販路を拡大していく。若林氏は「従来の市場にはないような価格が実現可能になった」と自信をのぞかせる。日本の太陽光発電市場において発電コストが低下する中、今回のモジュールはグリッドパリティへの動きをさらに加速させるカギとなるだろう。


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