パワコン構成の柔軟性とアフターフォローがSMAの強み(2ページ目)

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また、同社のサービス体制を特色づける事例としてよく挙げられるのが「センドバック方式」(世界共通)だ。これは小型・中型パワコンの構成部品に不具合が生じた際、先に交換機を供給し、そのあとで不具合のあった故障機を戻す方式。また大型パワコンになると、実績値で平均2営業日以内にサービス技術者が現場に駆けつけ復旧している。「通常は1時間以内で復旧できる場合がほとんどです。なぜなら、壊れる箇所がすぐに特定できるほどシンプルで分かりやすい製品設計が行われているからです」(川上氏)。

高圧以上の発電所でも大幅なワット単価削減を見込める

 さらに、SMAは高圧から特別高圧のラインナップも拡充し、ワット単価削減を行うという。  SMAジャパンの庄田 謙一氏は「我々SMAでは、2020年には世界の太陽光発電所は直流1500Vシステムのパワコンが市場の中心になると予測しています」と述べる。 「アメリカのコンサルタント会社であるGTMリサーチの調査では、モジュールや架台を除いた電気品の部材(変圧器やモニタリング製品など)や配線に掛かるコストを概算すると1000Vと1500Vシステムを比較すると、約10%コストダウンするという結果が出ている」という。また、一方でモジュール1枚あたりの出力の増加や変換効率が上がり、「より大出力で高電圧化することで、建設費や電気品の部材、変電所の数も減るのでコスト削減につながる」という。その背景もあり、2018年に「SUNNY CENTRAL2500(2500kW)」を投入予定だ。

一般的にはドイツ企業なのでドイツから製品が送られ、スタッフも外国人が多いと思われがちだが、「日本で製品を販売した際には、SMAジャパンからのローカルスタッフが直ぐさま駆けつける。ローカルのチームメンバーがその国の製品をアフターサポートするしくみがある」と川上氏。

 同製品は堅牢な筐体とSMAにて特許取得済みの冷却方式オプティクールによってエアコンなしで屋外設置が可能である。「冷却媒体は空気のみ。この冷却方式は複雑な冷却システムが不要なため、部品点数を減らすことで、コストダウン以外にも故障率を低減し、長寿命化を実現する」として、既に現行モデルのSunny Centralシリーズにて熱帯雨林や砂漠地帯でも実証済みの信頼のおける技術だ(世界累計18000台以上、13GW以上の販売実績)。  売電収益アップを見込む過積載を求めれば、最大動作電圧よりも高電圧側で動くことが余儀なくされる。本製品(SUNNY CENTRAL2500)は1425Vまで運転持続する。「SMAの製品づくりのモットーは故障を最小限に抑え、安全に少しでも長く持続して運転すること。そうすれば発電量も増えるわけです。設計寿命についても今までの20年ではなく、25年を想定して開発を行いました」。

SMAでは、ほかに「稼働日保障」としてパワコンの稼働状態を97~99%まで保障するサービスを設け、パワコンが故障し、稼働できない状態になったケースでは復旧までの日数をカウントし一定額を日割りしてキャッシュで負担する。川上氏によると「365日でカウントし、99%とは年間4日停止すれば稼働日保障されるということなる」とも。同社のパワコン製品保証は基本的に5年間とするが、延長保障していけば20年の延長保障を実施。パワコンの長期安定稼働を担保している。

また、特別高圧用のオールインワンパッケージとして「MVPS2000SC-JP(2200kW)」を2017年より販売する。本製品は1100kWのパワコン2台と高効率昇圧変圧器、22kVまたは33kVスイッチギアを一体化させたターンキーソリューションとなる。寸法も標準の20フィートコンテナに収まるように設計されており、輸送費を抑えられ、短時間での据付・運転につながる。「パワコン以外に変圧器の高効率化も図っており、システム効率が高く、大幅なコスト削減と発電量増大が図れます」とプラットフォームプロダクトマネジャーのBernhard Voll氏は説明した。

SMAパワコンロードマップ
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SMAは今後も、太陽光発電所の最適なシステム設計と洗練されたアフターフォローサービスを展開し、日本のパートナーへより良い製品とサービスを提供していく。

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