発電所の収益拡大・資産価値向上に貢献するO&Mの活用法とは
太陽光発電所の収益拡大と資産価値向上にO&Mは欠かせないという認識がより高まった。O&Mをどう活用するべきか。スマートエナジーの代表取締役社長大串氏、O&M部三浦氏、営業部遠藤氏に聞いた。
O&Mによる不具合改善事例は こちらからダウンロードできます。
不具合が起こる変化や兆し

大串卓矢氏
―発電所ではどの様な不具合が起きていますか。
大串 発電所の中には、メンテナンスが行き届かずに随所に経年劣化が見られ、これで20年もつのか不安を感じる設備があります。直射日光で架台が膨張することでモジュールを架台に取り付けているネジが緩んでいたり、基礎工事が軽視され雨で架台の足元がえぐられているケースなどです。
三浦 遠隔監視のデータで良い成績を上げている発電所でも、現場に入ると構造部がボロボロというケースもあります。そうした設備は半年後、1年後には必ず不具合が出ます。定期的に現場に足を運び点検することで、前もって変化や兆しを読み取り、その芽を摘んでおけば、発電停止になってから改修するよりも、はるかに費用はかかりません。
遠藤 加えて、経産省がO&M重視の方向を打ち出したこともあり、現在では発電所運営にO&Mが不可欠だという認識が共有されるようになってきました。

資産としての価値を付与
―O&Mはどのように活用できますか。
大串 当然、売電収益の拡大もできます。例えば、パワコンが日差しの強い所に設置されていることが分かり、パワコン収納箱に赤外線をカットする遮熱塗料を塗ることで、年間4%の発電量がアップ、100~200万円の収益拡大というケースがありました。あるいは隣地の林の影がパネルに掛かるので、地権者と交渉して木を伐採する。現場に行くことで様々なことが分かり、発電量をアップすることができます。
また発電所の資産価値を高めるためにもO&Mは重要です。O&M事業者が提出する報告書に記されているメンテナンス履歴が資産価値を保証するからです。今後セカンダリー市場の拡大が見込まれていますが、いくら順調に稼働している発電所でも、『鑑定書』がなければその価値を評価できません。
AIの活用で現場の点検作業を効率化
―今後はどのようなサービス展開をしていきますか。
遠藤 弊社では発電所オーナーが何を実現されたいかをお聞きし、サービスメニューを組み合わせて案内しています。発電所一つひとつが異なりますから、当然メンテナンスの仕方も変わってきます。必要なサービスを絞り込んでいき、カスタマイズしたサービスを提供していきます。
大串 迅速で、適切なサービスを提供する準備を進めています。遠隔監視のアラートと弊社が蓄積してきた発電所のデータを連動・分析し、発電所の位置や地形などから不具合の可能性がある箇所を事前に目星をつけ、重点的に現場の点検を行う。AIを活用することで、現場の作業が効率化され、ひいては品質を落とさずに安価なサービスを提供できます。


東京都中央区八重洲2−7−2 八重洲三井ビルディング1F
TEL:03−6262−1472