分散型エネルギー普及のカギを握る 国際スマートグリッドEXPO開催

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2月28日から3月2日まで、東京ビッグサイトで開催される「第8回 国際スマートグリッドEXPO」。太陽光、風力、バイオマス、蓄電池など8つの展示会で構成される「スマートエネルギーWeek」の中でも、唯一「送電」という関連したテーマを持ち、再生可能エネルギー普及の要となる製品・技術が展示される。まさに再エネの「今とこれから」を見て触れることのできる国際商談展だ。その見どころを紹介する。

展示内容

最先端のスマートグリッド技術を展示

世界規模で急速に拡大する再生可能エネルギー。電力系統において再エネの存在感は増し、各国で電力システム改革が行われている。ここ日本においても、電力の小売り自由化により新しい電力市場が創出され、従来の大規模集中型の電源供給から転換期に差し掛かろうとしている。それにともない、新しいサービスや画期的なビジネスのシーズも生まれ始めた。

「第8回 国際スマートグリッドEXPO」には、電力ビジネスにおける最先端の通信機器・技術をはじめ、AI・IoT活用、配送電機器・技術、大型蓄電池、電力データ分析など世界18カ国から130社が出展し、本分野で日本最大の展示会となっている。

会場風景

VPPシステムから蓄電池、V2G (Vehicle to Grid)まで

太陽光や風力といった再生可能エネルギーは、気候によって発電量が変動するため、それら分散型エネルギーを統合して制御する「VPP(バーチャルパワープラント)」に注目が集まっている。本展にはそのVPPを実現するためのテクノロジーが揃う。

その一部を紹介すると、日本電気は、「需給調整ソリューション」を展示。需要家が保有する数万超の蓄電池群の充放電を遠隔から最適制御でき、蓄電池群をリアルタイムに同期、全体最適化し仮想大容量蓄電池を構築し、需要家向けEMSサービスと電力会社向け需給調整サービスを両立するという。

日本電気 (株) 「需給調整ソリューション 」
日本電気 (株) 「需給調整ソリューション 」
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横河ソリューションサービスは、「VPP向けリチウムイオン蓄電システム残存性能評価」を出展。これは平成29年度経産省補助事業、バーチャルパワープラント構築実証(A事業)に採択されたものだ。また、富士通は「分散エネルギーリソース協調ソリューション」を展示。バーチャルパワープラントシステムの技術・製品及び先進事例等について紹介する。

(左)日本ガイシ(株)「NAS® 電池」/(右)岡谷鋼機(株) 「ドライブエレクトリック」
(左)日本ガイシ(株)「NAS® 電池」/(右)岡谷鋼機(株) 「ドライブエレクトリック」

一方、日本ガイシは、独自のセラミック技術により大容量電力貯蔵を実現する蓄電池「NAS電池」を出品。世界で初めて実用化に至ったという。また、岡谷鋼機は「ドライブエレクトリック」を展示。これはV2G(Vehicle to Grid)によるエネルギーマネジメントシステムで、電気自動車時代の電力安定供給に資するシステムだ。

これからのエネルギー政策を読み解く講演が目白押し

「第8回 国際スマートグリッドEXPO」では、産官学の様々な分野、立場のエキスパートがスマートグリッド関連の最新動向について講演を行う。

特に、今後のエネルギー政策や方向性を読み解くには基調講演がおすすめだ。2月28日に開催される講演では、「VPP・系統安定化の技術最前線」をテーマに、東芝エネルギーシステムズ電力流通システム事業部の梶原俊之氏などが登壇。

3月1日に行われる講演では「IoTで進化する最新スマートグリッド技術」をテーマに、東京電力パワーグリッド 取締役社長 岡本浩氏などが登壇する。

登壇者情報

これからの新しいイノベーションが処狭し展示される「第8回 国際スマートグリッドEXPO」。新しいビジネスのヒントがここにある。




スマートグリッドEXPO事務局
リード エグジビション ジャパン株式会社
E-mail:wsew-press@reedexpo.co.jp


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