目標は年間200MW!FIT後の再エネ市場見据え、太陽光発電事業を拡大

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太陽電池モジュールを販売・開発してきたサンテックパワージャパンが、年間200MWの開発を目標に掲げ、急速に太陽光発電事業の拡大を図っている。たとえ、FIT価格0円でも事業を続け、事業間の相乗効果を追求しつつ、買取制度終了後の再エネ電力市場拡大に備える。

2018年内に200MWの接続検討申請を計画

国内で35年以上にわたり太陽電池モジュールメーカーとして実績を重ねてきたサンテックパワージャパンが、IPP(独立系発電事業者)として太陽光発電所の開発を加速している。同社が発電事業に参入したのは2014年のこと。現在、サンテックパワージャパンがグループで開発した発電所は全国10カ所、出力22.6MWに及び、年内に5カ所、約10MWが加わる予定だ。

サンテックパワージャパン IPP・EMSグループ グループマネージャー 武田 宏樹氏

サンテックパワージャパン IPP・EMSグループ
グループマネージャー 武田 宏樹氏

サンテックパワージャパンIPP・EMSグループのグループマネージャー、武田 宏樹氏は「我々のグループでは土地選定、事業計画の作成、接続申請・許認可の取得から、プロジェクトファイナンスの組成、モジュール・部材調達やEPC事業者の選定まで、発電所の開発に関わる全ての業務を担当しています。年内に計200MWの案件の仕込みを計画中で、来年以降も同程度の案件の開発に継続的に取り組んでいく予定です」と意欲的だ。

ただ、太陽光発電所は送電網の空き容量がなく接続工事が何年も先に延びたり、工事負担金が大きかったりと、開発に至らないケースも多々ある。そのため、全国の不動産情報を収集し、現地にも足を運び、「上限を200MWに設定せずに、譲渡、貸与していただく土地を全国規模(沖縄・離島を除く)で広く募集していきます」と武田氏は話す。

IPP事業、O&M事業等による「太陽光+α」戦略で安定収益を確保

サンテックパワージャパンは国内太陽光発電市場の縮小傾向をにらみ、2016年に事業戦略「太陽光+α」を発表。モジュール単体の販売に依存するビジネスモデルから脱皮し、再生可能エネルギーのトータルソリューション企業を目指すとしている。具体的には主力事業となるモジュールの販売事業に加えIPP事業、O&M事業等により安定的な収益を確保するとともに事業間の相乗効果を最大限に活かそうという戦略だ。

例えばIPP事業では発電所のモジュールにサンテックパワー製モジュールを採用。パワコン、架台、キュービクル等の部材についても、グループ会社や中国メーカーとのリレーションにより、高品質な製品を安価に調達できる体制を構築している。さらに自社のO&Mサービスを使用することでランニングコストを抑え、発電原価を低減することもできる。

FIT価格が0円になっても「事業は続ける」

サンテックパワージャパンIPP事業の強みは、こうした開発・運用コストを抑制することで、他社と比較し、地権者にとってよりメリットの高い売買、賃貸借条件を提示できることだ。

サンテックパワージャパン IPP・EMSグループ グループマネージャー 武田 宏樹氏

さらに「IPP事業は社長直轄事業であるため、必要な条件や情報が整っている状況であれば、事業の実施に対する判断は非常に速い。また、説明会などを通じて近隣の住民の方に事業計画を丁寧にお伝えし、さらに自治体への対応など、案件の詳細や進捗も地権者様に随時報告することで、安心して取引していただけます」と武田氏。

募集している開発用地は15,000m2以上で、地目(土地の状況および用途)・形状は問わない(法的に明確に設置が出来ないと判断される土地は除く)。すでに事業計画が認定済みの土地・権利付案件に関しては1MW以上のもので、特高案件も扱っているので上限はなく、規模の大きい案件ほど歓迎するという。ただし、認定済み案件の場合、サンテックパワー製パネルが設置できることが前提になる。従って当初から同社パネルで認定を受けたものか、パネル変更が可能になった2016年8月1日以降に接続契約した案件に限られる。

ところで、年々、FIT買取価格が下がる中で、事業は計画通りに進めることが可能なのだろうか。武田氏はサンテックパワージャパンが発電事業に参入した買取価格32円当初と同じ利回りを現在も維持しているという。「2018年後半から仕込んでいく案件は18円の認定が取れない可能性が出てくるので、来年度以降の買取単価を想定して事業性を検証しますが、当社が求める利回りを確保できると確信しています。そもそも当社のIPP事業は今までの太陽光発電業界における実績を活かし、さらなる太陽光発電の普及を目指したものです。グリッドパリティの時代を見据え、FIT制度が終了したとしても事業は続けていきます」と言い切る。

日本でも事業活動で使う電力をすべて再生可能電力で賄うという国際イニシアティブ「RE100」が浸透し、企業の意識に変化がみられる。しかし、再エネ電力はなかなか手に入りにくいのが現状だ。

「我々はFIT制度が終わったところから、再エネ電力市場はさらに拡大すると考えています。ポストFIT時代を見据えて、発電所開発を継続し、地権者様のみならずEPC、金融機関等、様々な方々と力を合わせ『未来の再エネプロバイダー』を目指していきたい」と武田氏は意気込みを語った。

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