『水上太陽光発電』に注目集まる その市場性と商機とは?

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事業者にとって太陽光発電に適切な事業用地の確保は未だにハードルが高い。

そんな中、日本国内における水上での太陽光発電事業のポテンシャルに目をつけて事業化を計画している事業者が増えている。太陽光モジュールの世界トップメーカーであるトリナ・ソーラー・ジャパンは、日本における水上太陽光発電市場の拡大を見越し、自社で最新の水上フロートシステムを開発、新ソリューションとしてラインナップに加えた。従来品に比べてコスト面の改善や施工性を向上させたことにより、事業化を検討している発電事業者やEPC事業者、水利組合、自治体等から注目を浴びている。

『日本における水上太陽光発電市場のポテンシャル』についての詳しい資料を公開しています。こちら、もしくは文末より資料ダウンロードできます。

ダウンロード資料イメージ

導入ポテンシャルは約39GW 日本の水上太陽光発電

現在、日本の太陽光発電市場は大きな転換点を迎えている。FIT買取価格が低下する中で、政府は発電コストのさらなる削減を目標に掲げている。一方で、地上設置が可能な適地は減少し続け、環境アセスも強化されるなど事業用地を確保するのも難しい。そうした中で、工場や倉庫などの屋根置き型とともに注目されているのが、水上を利用した太陽光発電所だ。

水上太陽光発電の市場動向1
※ SOLAR PLAZAのホームページより引用

しかも、意外に知られていないが日本は水上太陽光発電の導入件数ベースで『世界一』である。2017年でみると世界全体で導入された29案件のうち、日本が20案件を占める。日本国内での累積導入量をみると兵庫県が最多で全体の約45%を占め、次いで香川県、大阪府、徳島県、岡山県等と続く。日本国内にはため池・野池、調整池、人工池(ダム貯水池)など、水上設置に適した水域が多数存在する。例えばため池は全国に約20万カ所(農林水産省HPより。平成26年3月時点)もあり、また、NEDO再生エネルギー技術白書(第2版 2014/10/29)によれば「湖沼・ダム水面」の太陽光発電導入ポテンシャルを約39GWと想定している。日本では太陽光発電事業のフロンティアとして水上太陽光発電所がクローズアップされつつあるのだ。

水上太陽光発電の市場動向2
Ref: www.solarassetmanagement.asia (2018.1), more than No.70 in the world

さらに水上太陽光発電は、発電事業者にも数々のメリットがある。地上設置型と異なり、整地や造成が不要で、工期の短縮が可能であること。水上に浮かべるため、周辺からの木、電柱、建築物の影の影響を受けにくいこと。さらに水面からの冷却効果により、モジュールの温度上昇が抑制され、実発電量が地上設置よりアップすることも見込まれる。また、メリットは発電事業者だけでなく、ため池等の水利組合や自治体にも及ぶ。維持管理費を賃料で賄える上、日差しを遮り藻やアオコの発生を抑制する効果も期待できるからだ。

コスト面・施工性が強み「両面ガラスモジュール+フローティング架台」

このように日本国内の水上太陽光発電所市場が注目される中、この10月にトリナ・ソーラーが、日本市場向けにフロートシステムのラインナップを強化した。トリナ・ソーラーは創業以来、出荷した太陽電池モジュールの累積出力が32GW(2017年末)にも達する世界トップメーカーの一つ。PVソリューション「TrinaPro」は、同社が提案する太陽電池モジュール+戦略的なシステムパッケージで、この中には追尾式太陽光発電システムなど様々なソリューションがある。

その「TrinaPro」の一つである水上フロートシステムでは水上設置に最適な両面ガラスモジュール「DUOMAX」シリーズのモジュールと同社が開発したフローティング架台をパッケージで提供する。

実績がある両面ガラスモジュールとフロートをパッケージで提案
※本図は3D画像のため、実際の製品は本図と異なります。

最大の特長はDUOMAXモジュールの両面ガラス構造により劣化要素をブロックしたこと。従来型のモジュールでは裏面のバックシートから化学物質・アルカリ・酸、湿度などが侵入し、劣化の要因となっていたからだ。

しかし、水上設置に最適な両面ガラスモジュールはこれまでの一般的なフロートシステムでは取り付けるのが難しいという課題があった。そこで新たに開発・提案されたのが、簡単に両面ガラスモジュールが取り付けられる水上フロートシステムだ。今回新たにラインナップに加わった水上設置用ソリューションは、フロートと連結用ボルト・ナットの素材には高密度ポリエチレンを使用。日本の検査基準にも適合し水質や土壌を汚染する心配がない。また軽量で持ち運びも施工も簡単で、従来のフロートシステムに比較し、コストパフォーマンスにも圧倒的に優れている。

現場調査や設計・施行、係留方法への相談にも対応

同社の両面ガラスモジュール「DUOMAX」はすでに国内外のいくつかの水上案件で採用・導入されている。例えば中国安徽省の水上太陽光発電所(40MW)では水深6~7mの水域に杭を打ってフロート架台を固定。25年間での総発電量を約11億kWhと推定している。また日本国内でも今年3月に稼働した岡山県笠岡市の「いちご笠岡岩野池ECO発電所」(2.64MW)でも、「DUOMAX」が採用されている。

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中国安徽省の水上太陽光発電所(40MW)

「DUOMAX」は1,500V対応で60セルと72セルタイプがあり、30年のリニア出力保証付き。フローティング架台には10年の製品保証が付いている。初めて水上設置を検討する事業者でも、設計から導入、施工までのサポート体制を整えているトリナ・ソーラーが相談に応じてくれる。

水上設置する際の施工は、通常、陸上でメインフロートにコラム(柱)を取り付け、角度(15度)を付けてモジュールを設置し、フロート同士を連結した上で水上に流し込む。同社では希望に応じ、現場調査やシステム設計、施工指導、施工の協力会社(海上土木事業者)を紹介。契約する海上土木事業者が係留方法(アンカー選定、設計、施工等)の相談にも対応してくれる。さらに所在地(住所や座標)や平面図(縮尺表記)を用意すれば、参考レイアウト(モジュール配置、アンカー配置案等)も作成してくれるという。

日本の水上太陽光発電所市場はまだ動き始めたばかりだが、国内には遊休池も多く、今後、自治体や水利組合が売電収入を池の維持管理費に充てるなど有効活用が見込まれる。トリナ・ソーラーのフロートシステムは発電事業者はもちろん、EPC事業者、自治体、水利組合等からさらに注目を集めそうだ。

※『日本における水上太陽光発電市場のポテンシャル』についての詳しい資料のダウンロードはこちらから

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トリナ・ソーラー・ジャパン株式会社
〒105-6121 東京都港区浜松町2丁目4番1号
世界貿易センタービル21F


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