エネルギーファームが機種変更可能な19.2kW小形風力発電機の発表会開催

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風力発電システムの世界的サプライヤーであるGHREPOWER(上海致遠グリーンエネルギー)はこのほど新製品「FD16-19.2」を含む小形風力発電システムを上市した。日本ではエネルギーファームが2019年6月末までの期間限定で特別価格(7%割引)による予約販売を行う。今回は先日開催された発表会についてレポートする。

発電効率・耐久性・安全面で長期に信頼できる製品

エネルギーファームの浪川 憲司氏は冒頭に「小形風力発電の機器選定については、(1)発電効率(2)耐久性(3)安全面—に着目し、導入時に検討することが大切」と、着目すべき点を参加者と共有した上で、製品の概要と特長について明示した。

(1)については年平均風速6.5m/s、タワー高20メートルの条件下で年間約90MWhという発電量を達成したことを説明し、さらに従来品の実績として北海道、青森県の各発電所における2018年度発電実績を示した。また、従来品の課題だった騒音についても、発電機モーターの巻線の改良によって駆動技術やベアリングの改良によって同製品はさらなる低騒音を実現したと強調。風速8m/sで100メートル離れた場所で44デシベル(静かな住宅地程度)以下というデータを紹介した。

株式会社エネルギーファーム 浪川 憲司氏
株式会社エネルギーファーム
浪川 憲司氏

(2)(3)については台風や突風といった日本特有の気候に対応できない海外製品が相次ぎ事故、故障を生じている中にあって、同社は中・大型風力発電機器の製造や運用で培ったノウハウを生かし、安全かつ耐久性に富んだ製品開発に取り組んだことを強調。とくに故障原因の大半を占めるネジのゆるみ止め対策を講じている。さらに2年間の部品無料提供と20年間にわたる稼働保証を行うことも明らかにした。「ネジ1本も緩ませない工夫、立地する土地に合わせた設計や土台づくりといったことは、地味だが長期運用には極めて重要」(浪川氏)という姿勢から見えるものづくりへの想いは、顧客にとっても安心感につながるものだろう。

同商品は、株式会社千代田組と株式会社エネルギーファームが国内の販売を合同で行う。

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(右)契約進行調印式 GHREPOWER (株)千代田組 (株)エネルギーファーム

高い技術力とメンテナンス体制が裏付ける世界の事例

つづいて登壇したGHREPOWERの許 瑩氏は、メーカーとして技術面や実績について語った。

同製品は定格出力19.2kWでストール制御による安定した発電出力を確保。またメンテナンス頻度に関わるブレーキ構造についても、一般的な機械ブレーキに加えて電磁ブレーキも備えており、強風時には電磁ブレーキで減速+機械ブレーキで停止という形で対応する。一般的な機械ブレーキのみの制御と比べれば、平均風速が速い地域や強風の発生が多い地域でもメンテナンス頻度がとりわけ多くなることはないだろう。またカットアウト/インの基準についても、同社は「1分間平均風速が25m/sになればカットアウト、5分間平均風速が3m/sになればカットインの設定」(許氏)としており、安全にも配慮した発電が可能な点を説明した。

GHREPOWER (上海致遠グリーンエネルギー) 日本事業部 マネージャー 許 瑩氏(Xu Ying)
GHREPOWER (上海致遠グリーンエネルギー)
日本事業部 マネージャー
許 瑩氏(Xu Ying)

さらに同氏は、日本各地やカナダ、ロシアなど世界の事例を紹介し発電量や立地する環境にも触れた。とくに環境について、同機種でタワー高も同じ20メートルだったとしても、地上が平地であるかどうかで発電量が大きく変わる。そこで許氏は「日本は森の近くに立地する場合も多い。その場合はタワー高を31.5メートルにすることを勧める」という。

タワー高31.5メートルの場合、「同条件で比較すると、1割程度は発電量が増える。立地する環境がどうであるかで判断して欲しい」と許氏は説明する。もちろん設置費用は割高となり、ブレードが回る方角のみ森の木を伐採する必要が生じるが、長期運用を踏まえれば不可欠となることだろう。

ほか同氏からは同製品のパンフレットをもとに、仕様や特長を紹介した。

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