高精度の需要予測がカギを握る 電気は買う時代からつくる時代に

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発電所の開発、発電事業、売電事業と再エネに関わる事業を一気通貫で手掛けるLooop。自治体新電力などでも注目されるが、企業価値を高める再エネ導入、自家消費型ソーラーにも強みを活かした提案を行っている。環境ビジネスフォーラム(5月17日開催)で同社の藤原氏が、太陽光発電を自社で活用するポイントについて講演した。その模様をレポートする。

14円/kWhでは、売るより使うが経済的

Looop 再エネ事業本部 自家消費事業部 営業課長 藤原 啓介氏
Looop
再エネ事業本部 自家消費事業部 営業課長
藤原 啓介氏

2019年14円/kWhまで下落したFIT価格だが、現在この売電価格と買電価格(従量制料金+再エネ賦課金)を比べると、買電価格が高くなっている。つまり、同じ1kWhでも、発電して売るより自分で使う、つまり自家消費のエネルギー価値が高い時代が来たということだ。

大きな経済的メリットをもたらす自家消費型ソーラーだが、今までの太陽光発電所とは大きく違う点があるという。それは、「事業所の電力消費量に合わせた容量設計が必要なこと」(株式会社Looop 再エネ事業本部自家消費事業部営業課長 藤原啓介氏)だ。

同社がシミュレートしたある施設を例にとると、最大限の発電量を得るべくパネルを設置すると、晴天時には60%もの無駄な発電がなされるとの結果が出たという。余剰電力の売電を考えると、現在、高圧に関しては系統連系が難しく、売電できても系統連系負担金が高額になる可能性もある。また、余分なパネル設置で工期がのび、投資の回収期間が長くなることも。過剰な容量での設置は、採算悪化になる可能性があるのだ。なお、このケースでは、適切な容量で再設計したところ、屋根上全体にパネルを設置した場合と比べ、半分の期間で投資回収がなされるとの結果を得たという。

失敗しないポイントは「正確な需要予測」
失敗しないポイントは「正確な需要予測」
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15万件の需要データで、最適な容量を予測

このように自家消費型ソーラー導入では、最適な容量での設置がポイントとなるが、これを実現するのが同社の高度な予測技術だ。

例えば、同社は、電力会社から提供される30分値のデータを基に精度の高い需要予測を行うが、他業者によってはこのデータを用意・分析できないケースもある。その際に活用されるのが、同社の電力小売部門であるLooopでんきが持つ15万件以上の需要データだ。これは、新築の工場・事業所など過去のデータがないケースでも力を発揮。同規模、同業のデータを用いた需要分析で、最適な発電容量を提案できる。このように「Looopでんきで培ったノウハウにより、精度の高いシミュレーションが可能」(藤原氏)なのが、最大の強みといえるだろう。

再エネのあらゆる分野を一気通貫で手掛ける同社はさまざまなソリューションを持つ。例えば、RE100や自社で使用する電力の再エネ比率を高めたい事業者に向けては、部材調達から施工、売電、買電とワンストップな提案である「MY自家消費セット」などの用意がある。同社は今後も社会への再エネ導入を推進し、理念として掲げる「エネルギーフリーな社会の実現」に向けた取り組みを進める構えだ。

  【再エネ導入で企業価値を高めるための ソリューションについて】

ダウンロードはこちら!
株式会社Looop 株式会社Looop
再エネ事業本部
自家消費事業部
Email:info@looop.co.jp
TEL:03‒6705‒8912
http://looop.co.jp/

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