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洋上風力を新たな成長産業とし、地域経済の活性化と雇用創出へ

日本でもいよいよ洋上風力発電の開発が動き始めた。洋上風力発電を起爆剤に地域経済の活性化と雇用創出、そして循環型社会の実現を目指すINFLUX(インフラックス)は、「カーボンフリーポート構想」を掲げ日本の脱炭素化と地域の持続的な成長に貢献する。

アフターコロナを睨み、洋上風力をゲームチェンジャーに育てる

再エネ最後のフロンティアと目される洋上風力発電の開発が日本でも本格的に動き始めた。2019年4月「再エネ海域利用法」が施行され、現在4区域が「促進区域」に指定されている。促進区域では公募により適切な事業者が選定され、事業者には最大30年間の海域を利用するための「占有許可」が与えられる。

そして2020年7月17日、政府は洋上風力発電の導入目標数値を示すべく、洋上風力の産業競争力強化に向けた官民協議会を発足させた。

日本風力発電協会では洋上風力発電導入目標値を2030年度までに10GW、2050年度までに37GWを見込む。同協会の試算によれば10GW導入による経済波及効果は累計直接投資額約5.1~5.7兆円、累計経済効果約13~15兆円、雇用創出効果約8.5万~9.5万人である。こうした事業ポテンシャルの高さから、各地の洋上風力発電開発には国内外の電力、石油・ガス、商社などの企業が名乗りを上げている。そのなかでも注目されているのが、地元漁業との協調と地域経済の活性化を目的に洋上風力発電の開発を進めるベンチャー、INFLUX(インフラックス)の取組みだ。

星野 敦氏INFLUX 代表取締役社長

星野 敦氏
INFLUX 代表取締役社長

同社の星野 敦社長は「洋上風力発電は再エネの新しい事業モデルであり、新たな成長産業です。今までの太陽光発電のような単にプラントをつくり売電収入を得ることを良とするのではなく、洋上風力を核に国土の分散電源化を図り、地域に循環経済を生み出し、日本経済・社会の一極集中を是正することを目指します。日本はアフターコロナを睨んで、このチャンスを活かさなければ、グローバルの潮流から大きく出遅れることになります。産官学、さらに業種を超えた産業間の連携により、洋上風力をゲームチェンジャーに育てなければなりません」と洋上風力開発に臨む覚悟を語る。

開発に不可欠な拠点港設置と海上ロジスティクスの確立

星野氏は、再エネの将来性に夢を抱き、米国の世界最大手の資産運用会社から直接融資を受けるなどして、太陽光発電を中心に1GWの開発実績を持つ。しかし、開発に携わる中、地産地消につながらない開発実態や外国メーカーによる日本市場の席捲などに遭遇し、再エネの「陰」もみてきた。そんな中で再エネ事業という小さな枠に囚われずに、脱炭素社会と地方創生を同時に実現できる洋上風力開発の可能性に賭け、2018年にINFLUXを創業した。

地元漁業との協調と地域経済の活性化を目的に開発推進する

地元漁業との協調と地域経済の活性化を目的に開発推進する

洋上風力発電は風力発電機器と周辺機器からなり、同事業の部品点数は2~3万点といわれ、裾野の広い自動車産業の3万点に匹敵する。また開発には多様な海上ロジスティクスが必要だ。同社執行役員の浅野 泰一氏によれば「LNGプラントの重量物輸送ボリュームが約100万ftに対し、大型洋上風力発電所は150万ftの重量物輸送が必要といわれています。100m以上ある風車のブレードや400t強のナセルなどを輸送する重量物輸送船や、大型クレーンを搭載し風車を組み立てるSEP船等、多種多様な海上ロジスティクスを確立することが開発の鍵になる。すでに日本の大手船会社も欧州企業と提携するなど、新たなビジネスを展開しています」と話す。

浅野 泰一氏INFLUX 執行役員

浅野 泰一氏
INFLUX 執行役員

さらに大型風車を組み立て、保管、輸送するためには十分な地耐力と広さのある埠頭を備えた拠点港の設置も不可欠だ。拠点港は部品供給のみならず、組み立て、メンテナンス、主要機材の緊急対応保管や緊急救援ヘリポートなど、サプライチェーンのハブ機能を有する。洋上風力発電開発が地域経済の循環や雇用創出に与えるインパクトの大きさは明らかだ。

再エネ電気から水素を製造するカーボンフリーポート構想

INFLUXはすでに北海道から九州までの9区域で洋上風力発電を開発中だ。特に九州で開発中の事業は4区域(福岡県糸島市、佐賀県唐津市、長崎県平戸~佐賀県馬渡島、鹿児島県吹上沖)、3,495MWに上る。星野氏は、コロナショックによる景気対策は緊喫の課題であり、特にインバウンド・観光・旅行の需要低迷が深刻な地域において、新たな持続的成長を支える産業を興す必要があるという。その実現を目指したモデルが、同社が全九州に開発する洋上風力発電の余剰電力から製造するグリーン水素を活用したカーボンフリーポート構想だ。

湾岸整備:カーボンフリーポートの実現

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もともと水素製造用電解槽の事業にかかわっていた浅野氏は「我々は再エネにとどまらず、発電した電力を港内の水素製造プラントで水素に、さらにそこからグリーンアンモニアを製造するまでの仕組みを構想しています。水素は長期間保存できますし、九州に立地する鉄鋼、化学などの重化学工業に供給し、電力のみならず運輸、熱利用に跨る横断的なエネルギー転換(セクターカップリング)を実現し、九州全域のカーボンフリーを目指します」と説明する。九州は九州大学を中心とする産官学の水素エネルギー技術研究のメッカでもあり、INFLUXも福岡水素エネルギー戦略会議等に参画している。

一方で同社は、3年前から事業海域の漁協と膝を交えて協議を重ね、各地で合意形成を構築している。磯焼けに有効な物質とされる「フルボ酸鉄」を含んだ風車基礎ブロック設置による藻場造成、水産物サプライチェーンの整備、事業海域の5Gモバイルによる漁場の可視化、風車の観光資源化などを提案し、地元の漁業関係者からの信頼は厚い。

洋上風力発電の可能性を熱く語り合う二人

洋上風力発電の可能性を熱く語り合う二人

星野氏は「コロナショックで従来の世界が大きく変わろうとしている。私たちINFLUXは地域に密着した洋上風力発電への積極的な投資を通じ、先ずは九州を日本のグリーンリスタートのモデル地域とし、日本が一刻も早く景気のV字回復を実現するように、全力で取り組みます」とミッションを掲げる。

株式会社INFLUX 株式会社INFLUX
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