山梨県の低圧サイトでリパワリング 発電量・収益改善シミュレーション

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2012年に再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)がスタートして丸8年が経過した。その間、太陽光発電の技術革新はとどまることなく、目覚ましい進化を遂げた。一方で、FIT当初に建設された太陽光発電所の経年劣化によるパフォーマンス低下などの懸念がある。発電事業者は、所有している発電所の維持管理、パフォーマンス向上のための策を検討する必要がある。

このような状況下で、世界のパワコン市場でトップシェアを誇るソーラーエッジが日本市場に特化した新製品を発表した。既存発電所のパワコン入れ替えによるパフォーマンス向上の引き合いに応えるため、通常のパワコンにない同社独自の特長を活かし、発電所の能力を場合によっては初期発電量を超えるレベルにまで向上させ、収益を改善する。

※2015年に運用開始した低圧サイト(山梨県)のリパワリング事例と収益改善シミュレーションに関する詳細資料について、環境ビジネスオンライン限定で公開しています。こちら、もしくは文末よりダウンロードできます。

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日本の太陽光発電市場がリパワリング・サイクルに突入

日本でFIT制度が開始されてから10年近くが経過し、日本の太陽光発電市場もリパワリングのサイクルに突入する。FIT初期に建設され、経年劣化した主要部品が更新時期に差しかかる発電所は、少なく見積っても約20GWに達するとみられる(JPEA統計、12~14年度モジュール国内出荷量)。

発電事業者にとってリパワリングは、FIT20年間の折り返し点に立ち、発電事業を見直す好機でもある。またEPC事業者や施工会社にとっては、リパワリングをきっかけに発電事業者に様々なソリューションを提案するチャンスだ。

こうした更新時期にある主要部品の代表格がパワコンだ。なかでもFIT初期に多用された集中型パワコンは10年が更新の目安とされる。また分散型パワコンも8年目、10年目、12年目、15年目と、今後、コストを睨みながら交換するタイミングを探ることになる。現在のパワコンの変換効率は建設当時に比べ大幅にアップしているため、たとえパワコンの保証期間が残っていたとしても、特に規模の大きな発電所ほど早めに交換することが、これからの発電事業の収益を上げることにつながる。

こうしたリパワリングの需要に合わせ、ソーラーエッジが日本市場向けに専用設計された次世代の産業用三相パワコン(JPIシリーズ)を発表した。同社のDC最適化パワコンは世界のパワコン市場でトップシェアを持っている。DC最適化パワコンとはMPPT機能をもつパワーオプティマイザをモジュール側に、DC・AC変換機能をパワコンに配置することで、モジュールレベルでの出力最適化を実現したものだ。

発電量を最大化し、かつメンテナンスコストを削減する

新型パワーコンディショナJPIシリーズ

今回、リリースする新製品は高圧向けSE33.3K-JPI(出力33.3kW)と低圧向けSE25K-JPI(出力24.75kW)の2種類。その特長は、まずリパワリング需要に合せ、日本の出力電気方式(三相三線式)を採用し、既存の太陽光発電システムに簡単に接続できることだ。さらに重量もわずか32㎏と従来型よりもさらに軽量化され、設置がより容易になる。パワコンの設定もスマホ(SetAppアプリ)の操作で簡単に行えるようになった。そのため、従来品に比べ納期が短縮され、施工費や人件費なども削減できる。

同社のパワコンは高い変換効率を有するだけではなく、モジュールに射す影の影響の回避や、モジュールレベルでのモニタリングによるメンテナンスコストの削減などにより大きな効果を発揮する。既存発電所のパワコンを同製品に交換することで様々な要因による発電量の損失を最小限に抑え、収益を増加することができる。特に一部のモジュールが日陰になっているケースでは、発電量の増加は顕著となる。パワーオプティマイザに接続することで、各モジュールが最適な電流・電圧で動作するため、ストリング内の他モジュールに影響を与えることを回避できるからだ。

モニタリングについては、PCやスマホの画面上で、モジュールごとのパフォーマンスデータを確認。不具合が発生した場合、故障箇所や状況をアラートで表示し、遠隔でのトラブルシューティング、システムデータへリアルタイムのアクセス、不具合解析することが可能だ。発電事業者にとっては、見過ごしがちなモジュールレベルでの不具合を早期に発見できるので、ダウンタイムを低減し、損失を最小限に抑えることができる。また、メンテナンス事業者にとっても発電所の問題を遠隔で診断し現場での対応も迅速に実現できるため、これからO&Mやリパワリングに関するサービス展開を検討している事業者にとって、DC最適化パワコンの提案は有力な選択肢となるだろう。

スマートフォンを用い直感的で簡易な設定

設計変更の手間をかけずに過積載率300%を達成

また、今回の新シリーズでは、DC最適化パワコンの特長を活かし、過積載率を大幅に拡大。低圧案件用(SE25K-JPI)では300%、高圧案件用(SE33.3K-JP)では225%の過積載率も実現した。通常のパワコンでは入力電圧により、1ストリングに繋げるモジュール枚数が限られている。しかしソーラーエッジのDC最適化パワコンではDC/DCコンバータ機能により、パワコンの入力電圧をモジュールの種類・枚数によらず一定とするシステム(固定ストリング電圧)を実現している。そのため、設計を変更するといつた手間をかけずに、モジュールの直列数を増やすことで発電性能を高め、収益アップに貢献できる。

加えて、新シリーズでは安全性も向上させた。従来の不具合が発生した場合にモジュールレベルで出力電圧を低下させる直流安全機能に加え、オプションで継続的にアークを検出する機能も追加した。発電性能や設計の柔軟性に加え、こうした安全性の向上により、リパワリング需要のみならず、屋根上に設置する自家消費型太陽光発電にも、最適なソリューションが提供できる。

なおソーラーエッジの新製品については、すでに2020年第四半期から受注を開始している。特高・高圧の場合はキュービクル等の整備が必要なケースもあり、事前に設備をチェックする必要がある。

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ソーラーエッジテクノロジージャパン株式会社

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