東京電力ベンチャーズ、工場に新たな収益を生みだすデマンドレスポンスを実現

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「エネルギーとその周辺領域における社会問題を解決する事業の開発・推進」を目指し、2018年に設立された東京電力ベンチャーズ。再エネ導入拡大に向けて、需給バランスを調整するための新たな仕組みづくりが喫緊の課題となる中、事業者の生産への影響を最小限に抑えながら調整力を創出、かつ収益を生み出す新たな電力活用を提案する同社のデマンドレスポンス事業『Flexbee』。2019年九州エリアでのサービス開始を皮切りに、2020年冬から沖縄を除く全国でサービスを展開する。フレキシビリティ事業開発ダイレクターの柴田 隆之氏に聞いた。

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デマンドレスポンスで工場の新たな収入源
電力需給安定化の新しい形

工場には新たな収益源がある
工場には新たな収益源がある

電気の需要と供給のバランスを取るために、需要家側の電力を調整する「デマンドレスポンス(DR)」。今、その形が大きく変わりつつある。従来の需給バランスの取り方は貯水ダムなどを活用したピークシフトや、電力会社が大規模工場などの需要家と特殊契約を結びピーク時に電力使用量を抑えてもらう手法が一般的であった。しかしながら、近年ではIoTなどの最新技術でエネルギーを調整して電力の需給バランスを調整する新たなDRの仕組み作りが求められている。その背景にあるのが、政府が掲げる再エネ導入拡大計画だ。太陽光や風力発電は脱炭素社会の実現に向けて重要な役割を担う一方、天候などの影響を受けやすく非常に不安定。発電量の変動に合わせて需要を変化させ、需給バランスを安定化させるDRは、再エネ拡大に伴う課題に向けた有効な手段である。

2021年4月には「需給調整市場」が開設され、調整力を全国一体的な市場で取引する制度が始まった。また、2024年度には「将来の供給力(電源)」を確保する容量市場での取引が実際に開始される。同市場には様々な電源が参加できる。既存設備を活用したDRも発動指令電源として参加可能。需要家は各地域の一般送配電事業者・アグリゲーターからの依頼に基づいて需要を調整することで報酬を得ることができる仕組みだ。

高速&AI制御で生産工程から
効率的に調整力を供出
再エネ大量導入に向けた基盤を整備

東京電力ベンチャーズ Flexibility事業開発ダイレクター 柴田 隆之 氏
東京電力ベンチャーズ
Flexibility事業開発ダイレクター
柴田 隆之 氏

この電力システム改革の転換期において設立されたのが東京電力ベンチャーズだ。同社のDR事業「Flexbee」(フレクスビー)は、高速&AI制御システムにより、調整力(Flexibility)を供出する。柴田氏は、「再エネとの調和に必要な電力系統の柔軟性『Flexibility』、一人ひとりがエネルギーを作り出す未来の『Energy』、地球環境や脱炭素に貢献できる『Ecology』、そしてそれらの取り組みが需要家の新たな収益源となる『Economy』。『Flexbee』は、これら3つの『e』と、『be』動詞を組み合わせた造語(Flex+be+E)です。調整力によって、人々が自らエネルギーを作り出し、環境に貢献することが収益につながる、そんな未来を私たちは描いています」と事業名に込めた想いを語った。

Flexbeeのイメージ
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同社が提供するシステムと需要家の生産設備や発電機、EMS(エネルギー管理システム)などを接続することで、電力需要を自動制御し、調整力を確保。系統の安定化に貢献するとともに、一般送配電事業者等から得た報酬を事業者に還元し、企業収益拡大にも貢献することを目指す。「安定的な収益を生み出す新たな電力活用」という持続可能なビジネスモデルによって、再エネの普及拡大に向けた基盤構築を加速させる構えだ。現在は東京都と福岡県に拠点を構え、全国規模で事業展開を行っている。

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欧州の先端ナレッジを日本に導入
幅広い業種のプロセスに精通

Flexbee最大の強みとなるのが、産業プロセスに関する独自ナレッジだ。30以上の業種の生産プロセスに精通しており、事業者の生産活動への影響を最小限に抑えながら調整力を創出する手法を提案する。「多くのお客様はDRの潜在的活用や価値を認識されていませんが、プロセス毎に分析してみると既存設備から調整力を引き出せるケースが少なくない。こうした可能性を掘り起こし利益につなげるのが、われわれの役目です」と柴田氏は話した。

プロセス毎に分析すると既存設備から調整力を引き出せる
プロセス毎に分析すると既存設備から調整力を引き出せる

「最も難しいのが、非常に高度な制御システムを工場の個別の設備に接続させること(レトロフィット)。われわれが技術提携している英国のCentrica Business Solutions International Limited(セントリカ社)は世界トップクラスの高速&AI制御システムを有する一方、この分野にも長けるのが特徴です。業種ごとにプロセスを細かく分析し、いかにしてレトロフィットを実現するか。このナレッジを当社も発展させ、活用しています」と柴田氏は再エネの最先端を走る欧州企業とのパートナーシップの有効性を説いた。

セントリカ社は、英国に本拠を置く電気・ガスの最大手。2017年にはDRのシステム開発を手掛けるベルギーの大手アグリゲーターであるREstore社を買収して、英国だけでなく世界各国にサービスを提供する。「世界を飛び回り、パートナーに相応しい企業を探しました。そこで大切にしたのは、最先端のシステムを構築する技術力はもちろん、彼ら自身もマーケットプレーヤーとして市場にサービスを提供する企業であることでした」と柴田氏。またセントリカ社の本拠地である英国が、日本と同じ島国で、再エネ導入に向けた課題解決に、先進的に取り組んでいることもポイントの1つになったという。そのような優位性から、東京電力ベンチャーズは欧州エネルギー業界を牽引するセントリカ社とのパートナーシップを結んだ。

オープンな雰囲気の東京オフィスで柴田氏に聞いた
オープンな雰囲気の東京オフィスで柴田氏に聞いた

CO2削減と収益性向上の両輪で事業者を支援

DRを通じた需給バランスの安定化は、石油や石炭などの環境負荷が比較的大きい発電を抑え社会的コストを減らすことにもつながる。脱炭素化に向けた取り組みが加速する中、太陽光発電サービス、マイクログリッド事業なども展開する東京電力ベンチャーズは、東京電力グループの総合力を結集し、CO2削減と収益性向上の両輪で事業者を支援していく構えだ。「当社は電力会社の子会社であることや、再エネ先進国である欧米とのネットワークを活かして、電力市場の動向や規制制度に関して未来を予見することができます。この知見を活かしたコンサルティングが大きな強みです」と柴田氏は語った。

最先端の高速&AI制御システムで、生産性を維持しながら調整力を創出し、収益を生み出すFlexbee。幅広い業種の生産プロセスに精通した独自ナレッジは、工場や施設の『安定的な収益を生み出す新たな電力活用』を可能にする。多くの事業者がこの新しいDRに参加することで、工場や施設に新たな収入源を生み出すだけでなく、2050年カーボンニュートラル実現に向けた再エネの普及拡大を加速させていく。

動画 Flexbee/フレクスビーはエネルギーの未来を創造する

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東京電力ベンチャーズ株式会社 東京電力ベンチャーズ株式会社
フレキシビリティ事業部
https://www.tepcoventures.co.jp/flexbee/