風力や太陽光発電所を大幅に高効率化・小型化する「特高変電パッケージ」
1919年の創立以来、変圧器をはじめ産業用ロボット、半導体製造装置用高周波電源など、電力インフラの高度化や世界のものづくりの進化・発展に貢献してきたダイヘン。2019年10月から販売を開始した風力や太陽光などの再エネ発電所向け『特高変電パッケージ』は、他に類を見ない独自製品として注目を集めている。脱炭素化へ向けた再エネ自給率向上にも貢献する同パッケージの特長とは。
※再エネ発電所の実現性を高める『特高変電パッケージ』に関する詳細資料を公開しています。こちら、もしくは文末より資料がダウンロードできます。
風力、太陽光など再エネ自給率向上への貢献を目指す
2019年に創業100周年を迎えたダイヘン。電力系統管理の高度化に貢献するスマート・エネルギー・マネジメント分野、工場の自動化を実現するスムース・ファクトリー・オートメーション分野、モノづくりの技術革新に必要な新プロセスを提供するマテリアル・ファインプロセンシング分野の3分野で事業を展開する。
スマート・エネルギー・マネジメント分野においては、変圧器、配電用機器、受変電システム、パワーコンディショナ、V2Xシステム、EV充電システムなどを開発・販売。
EMS事業部 事業部長 服部将之氏は「脱炭素化に貢献するエネルギーマネジメントという意味では、包括的にサポートできる体制を整えています」と話す。同事業部が2019年に開発した『特高変電パッケージ』は再エネ自給率向上への貢献を視野に入れた同社独自のパッケージ製品となっている。
ダイへンでは2012年度から、他にはない独自の製品価値を創出する『ならでは製品開発』に力を入れてきた。『特高変電パッケージ』もそうした独自製品の1つ。特高変電所に不可欠な特高変圧器と特高盤の機能を一体化することで、特高変電所全体のコンパクト化とコスト低減を実現する。
「極めてコンパクトでありますので、山間部などに設置されることが多い風力や太陽光などの再エネ発電所と親和性も高く、今後の再エネ拡大に貢献できるパッケージだと考えています」(EMS事業部 SE部長 松永耕治氏)
再エネ発電所の大幅な効率化・小型化を実現する
『特高変電パッケージ』は同社がこれまで特高変圧器を開発・生産して培ってきた技術を活かし、特高変圧器を高効率化してラジエータ(放熱器)を減少させ、特高盤を変圧器に一体化することで大幅な小型化を実現した。これにより変電所の占有面積を従来より60%低減することが可能になる。占有面積が低減することで機器を設置する基礎の面積も小さくなり、用地確保や造成費用などの手間やコストを削減することができる。
また、コンパクトかつパッケージ化することで施工性も向上しており、既に組み立てが完了した特高変電パッケージをトレーラーに載せて運び、現場で基礎の上に配置するだけ。設置のための重機は必要なく、基礎や運搬据付工事費の削減でイニシャルコストを20%も低減することができる。現地での組立や機器間配線が不要なため、通常3日はかかる据付工事が約3時間(※)で完了する。
さらに、主変圧器は徹底した低損失設計となっており、変圧器の電力損失を40%低減し、売電損失金額の抑制につながる。
※66kV、10MVA まで それ以上は一部分割が必要
「ならでは製品」で変電所建設の課題を解決
ここまで説明してきた『特高変電パッケージ』の特長を簡単にまとめれば以下の4つだ。
享受できるメリットは立場によって様々だが、風力や太陽光などの発電所オーナーであれば、事業の採算性から電力損失の少なさ、イニシャルコストに着目するだろう。一方でEPC事業者や施工会社であれば、変電所の占有面積のコンパクト化や施工性などに関心が向く。
「再エネ発電所に関わるどのお客さまにも導入メリットはあるかと思います」とEMS事業部 企画部 大内か乃子氏。これまで解決できなかった変電所の諸課題に果敢にチャレンジしたダイヘン『ならでは製品』のなせる技と言える。
同パッケージは特に、大型の風力や太陽光発電所に採用されている。送電線は山の上などにあることが多く、変電所の面積を大きく取れない場合が多い。再エネ発電を検討する際、変電所の占有面積は特に大きなポイントとなる。
「当社の特高変電パッケージなら、特高変電所の占有面積を最大60%削減することができます。そういう意味で、再エネ発電所の実現性を高めることのできるパッケージであると言えます」と服部氏は力強く語る。
※再エネ発電所の実現性を高める『特高変電パッケージ』に関する詳細資料を公開しています。
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