自社設計、自社生産で太陽電池モジュールの安定供給体制をキープ

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昨今、世界的な供給不足に陥っている太陽電池モジュール。世界の太陽電池モジュール供給の約7割を占める中国では、政府主導の計画停電や材料コストの高騰により、納期、価格とも不安定な状況が続く。こうした中、自社工場を所有し、日本への安定供給を続けるリープトンエナジーの取り組みを追った。

◆世界的に不足する太陽電池モジュール

近年の脱炭素への潮流にあわせて、太陽光発電所の建設が進んでいる。その一方、関連するバリュー・チェーンで大きな割合を占める中国では、シリコン工場が火災や洪水などの被災が相次ぎ、太陽電池モジュールを製造するための材料コストが高騰している。さらに、環境対策に本腰を入れる中国政府の計画停電により、各工場の生産体制は影響を受け、納期の遅延が発生している。さらには、長引くコロナ禍による海上コンテナ数の不足が追い打ちをかけ、あらゆる業種で、輸送費の高騰、納期の遅延が発生しているようだ。

EPC事業者にとって、太陽電池モジュールの納品の遅れは大きな打撃となる。特に、FIT18円案件、自家消費やPPAなどを対象とした『二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金』に関わる案件において、申請に向けて大きな障害となるだろう。こうした状況の中、リープトンエナジーへは、納期を急ぐユーザーから代替パネルについての問い合わせが増えている。

◆日本国内向けの供給体制を確保

2012年に神戸で設立したリープトンエナジーは、これまでに約300社以上の販売代理店と提携し(2021年11月現在)、日本全国へ製品を供給している。中国江蘇省に自社工場を持ち、日本品質の厳しい目で製造を管理、低価格も実現している。太陽電池モジュールの出荷量は日本国内400MW、海外600MWとなっており(2021年3月現在)、生産体制は2021年10月に2GW規模となった。

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中国に生産工場を持つ同社は、他の中国メーカーと同様に計画停電、材料コストの影響を受けている。しかし、こうした緊急時だからこそ、日本への供給体制を確保するというマインドは、日本生まれのメーカーならではと言える。

同社営業部部長の多鹿伸哉氏は「現在陥っている供給難は、いつ頃回復するのか、今のところハッキリしません。世界的なカーボンニュートラルの動きによる需要の高まりを踏まえれば、長期化する恐れもあると考えています」と話す。

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補助金対象の案件では、最初に申請した太陽電池モジュールを変更することは容易ではない。初期のモジュール選びは重要なポイントとなる。

◆「日本生まれ」の高い品質と信頼性

「リープトンエナジーの強みのひとつとして、100%日本資本の自社工場を所有しており、安定的にモジュールを供給させて頂ける点が挙げられます」同営業部課長の佐竹保明氏はこう語る。世界で認められた日本ブランドの品質と、きめ細かなサービスで、バックアップ体制も万全である。また、日本国内物流倉庫との連携で小ロット対応や、納期タイミングの調整も可能だと強調する。

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リープトンエナジーは、コープこうべが手がける自家消費プロジェクトにおいて、第1号のパネルメーカーとして選ばれている。コープこうべでは、早くからFITによる売電を目的とした太陽光発電設備を設置してきたが、2018年から完全自家消費に舵を切った。自家消費ではFIT以上に発電性能や長期信頼性が厳しく求められる。そうした中、リープトンエナジーの太陽電池モジュールの品質の高さ、供給面も含めた信頼性の高さが評価されたという。

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太陽電池モジュールの世界的な供給不足は、まだ先行きがわからない。そうした状況の中、リープトンエナジーは日本への供給体制を整え、国内のEPC事業者や施工事業者のニーズに応える姿勢を見せた。

leaptonsolar_logo リープトンエナジー株式会社
【神戸本社】
〒650-0025
兵庫県神戸市中央区相生町1-2-1 東成ビルディング6F
TEL: 078-382-3182 FAX: 078-382-3183
【東京支社】
〒105-0004
東京都港区新橋3-5-10 新三ビル6F
TEL:03-5510-7818 FAX:03-5510-7819


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