安川電機、自家消費型太陽光用25kWの新型パワコンを今秋発売 安心の日本製

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グループの環境ビジョンである「YASKAWA ECO VISION」のもと、生産活動(グリーンプロセス)と製品(グリーンプロダクツ)の両輪で、環境負荷低減への貢献を目指す安川電機。気候変動が世界的な問題となるなか、同社のコア技術である「パワー変換技術」などを活用した製品を通じたCO2排出削減を中心に、多面的な環境活動を行う。この秋には、新製品として国内の自家消費向け太陽光用パワコンを投入する同社の環境への取り組みや新製品について、インバータ事業部長の山田 達哉氏と環境推進部長の大場 秀典氏に聞いた。

安川電機 上席執行役員 インバータ事業部長 兼 環境エネルギー統括部長 山田 達哉氏
安川電機 上席執行役員 インバータ事業部長 兼 環境エネルギー統括部長 山田 達哉氏
安川電機 生産・業務本部 環境推進部 部長 大場 秀典氏
安川電機 生産・業務本部 環境推進部 部長 大場 秀典氏

独自のCO2排出量削減指標「CCE100」の達成を目指す

1915年の創立以来、電動機(モータ)とその応用を事業領域と定め、「技術立社」の社是のもと、世界に誇る革新的な技術で製品を開発し、成長してきた安川電機。

脱炭素、カーボンニュートラルへの動きが世界的に進むなか、環境経営に力を入れる同社。環境ビジョンとして「YASKAWA ECO VISION」を掲げ、生産活動(グリーンプロセス)に伴う環境負荷低減と、自社製品(グリーンプロダクツ)を通じた顧客の環境負荷低減の両輪で環境活動を推進。「2025年に自社製品によるCO2排出削減貢献量を、自社グループによるCO2排出量の100倍以上にする(CCE100:Contribution to Cool Earth 100)」という独自指標を掲げ、環境経営を推進すると同時に持続的な企業価値向上を目指している。

製品を通じたCO2排出削減貢献量を、自社のCO2排出量の100倍以上とする指標を掲げている
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製品を通じたCO2排出削減貢献量を、自社のCO2排出量の100倍以上とする指標を掲げている

「2021年3月には『2050 CARBON NEUTRAL CHALLENGE』としてCO2排出量削減の目標を打ち出し、2022年5月に目標を更新しました」と環境推進部長の大場氏。同目標では、「2050年に自社グループの事業活動に伴うCO2排出量(スコープ1+スコープ2)の実質ゼロを目指し、2030年の同CO2排出量を2018年比で51%削減する。さらに、サプライチェーンの上流や下流のCO2排出量(スコープ3)に対しても、2030年の同CO2排出量を2020年比で15%削減する」としている。スコープ1は主に燃料使用に伴う排出(自社の直接排出)、スコープ2は購入した電力・熱の使用に伴う排出(電力会社等による自社の間接排出)、スコープ3は主に原材料の製造や調達、製品の配送や顧客による使用に伴う排出(事業者の活動に関連する他社の排出)を指す。

脱炭素化に自社製品の技術を積極的に活用

「グリーンプロセスにおける社内の脱炭素化の取り組みに関しては、自社製品の技術を積極的に活用し、省エネ・創エネを進めています」(大場氏)

本社地区では全体で873kWの太陽光発電を搭載、あわせて150kWの蓄電池も装備しており、同社製のパワコンを積極的に活用した設備となっている。他の国内拠点にも太陽光発電設備を導入し、全体で2.5MWの発電がある。あわせて2019年からCO2フリー電力を導入。現在、国内拠点全体で58%がCO2フリー電力となっている。

また、環境対応への情報開示が世界的に求められるなか、2019年にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)へ賛同を表明、2021年5月に情報開示を行った。

一方、グリーンプロダクツにおいては、スマート工場化に向けたソリューション『i3-Mechatronics(アイキューブ メカトロニクス)』を軸とした産業自動化の実現や、インバータを効率よく活用する省エネ技術、太陽光発電や風力発電などの創エネ技術に取り組む。

「特にインバータ機器や再エネに関してはエネルギーそのものの消費を減らしたり、エネルギーを生むということで、脱炭素化に直接貢献しています」(大場氏)

『i3-Mechatronics(アイキューブ メカトロニクス)』で、インバータ・サーボにデータ活用を融合、生産性向上を実現するソリューションを提供する
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『i3-Mechatronics(アイキューブ メカトロニクス)』で、インバータ・サーボにデータ活用を
融合、生産性向上を実現するソリューションを提供する

産業用・自家消費向けのパワコンの新製品を発売

1974年に世界初のトランジスタインバータを世に出して以来、常に世界をリードする技術力で事業を成長させてきた安川電機。インバータ事業部では、インバータとモータをコアにサステナブルな社会の実現を目指し、環境・エネルギー機器の開発にも力を入れる。環境・エネルギー機器については、太陽光発電用パワコン、大型風力発電機の電力変換機器を開発・販売する。インバータ事業部長の山田氏は「2014年に、フィンランドの大型風力用発電機メーカーと米国太陽光発電用パワコンメーカーを傘下に入れ、グローバルな環境対応を進めています」と話す。

一方、国内へ向けては2022年秋、新製品として、産業用自家消費型太陽光発電用の25kWのパワコンを市場投入する予定だ。

カーボンニュートラルに向け、政府は2030年までに主力電源に占める太陽光発電の割合を14~16%にする目標を掲げており、導入量にすると100GWを超える。「その際にメインとなるのが自家消費向けです。最適な製品の開発を2021年から進めてきました」(山田氏)

インバータ事業部としては、高性能・高効率のインバータ機器の採用で消費電力を低減する「省エネ」と、太陽光発電の導入で購入電力を削減する「創エネ」の提案を進めている。 太陽光発電に関しては、Enewell-SOL P2シリーズのP2A(10kW/9.9kW非絶縁型)およびP2H(9.9kW絶縁型)と、XGIシリーズのXGI1000(65kW DC1000V級)およびXGI1500(150kW DC1500V級)を販売している。Enewell-SOL P2シリーズは自家消費向けにも多くの導入実績があり、小型分散パワコンとして好評だ。

また、この秋には、自家消費向けに特化した25kW AC200V級のパワコンを投入。AC200V級の中では最大の容量となる。既存設備に多いAC200V級(S相接地)の電源に直接接続できるため、外部に絶縁トランスを別途設置する必要がなく、省コスト・省設置スペースに貢献が可能となる。

「FITで売電するのなら、コスト重視で考えればいいが、自家消費向けとなると製品の信頼性を考え、日本製を使いたい」といった声も多くなってきている。そうしたなか、安全安心、高機能な安川電機のパワコンは、重要な選択肢の1つとなる。

「価格のベースラインはおさえた上で、自家消費向けの専用機種で安心して採用いただける日本製のパワコンを提案していきたいと思います」(山田氏)

グリーンプロダクツの軸となる『i3-Mechatronics(アイキューブメカトロニクス)』では、エンドユーザーの生産性を上げることで、工場が単位生産当たりに消費するエネルギーの削減に貢献する。

「そうしたエンドユーザーへカーボンニュートラルの提案をしていくなかで当社のパワコンを認知していただき、その実績をもとに、セットメーカーやPPA事業者への提案をさらに広げていければと思っています」(山田氏)

 

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