世界初公開!オフィス等で使用済みの紙を再生する『新型PaperLab(プロトタイプ)』

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エプソンは、2023年12月6日~8日に東京ビッグサイトで開催された環境総合展『エコプロ2023』で、乾式オフィス製紙機『新型PaperLab(プロトタイプ)』を中心としたPaperLabの新ラインナップを公開した。持続可能な社会の実現に向けエプソンが提供する新たな価値、進化する新型PaperLab(プロトタイプ)の特長を紹介する。

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「PaperLab」による環境貢献のコンセプト

オフィスでの資源循環の実現に大きな役割を果たす

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2022年9月に策定したパーパス『「省・小・精」から生み出す価値で、人と地球を豊に彩る』を掲げるエプソン。パーパス実現へ向け『環境ビジョン2050』のもと、2050年までのカーボンマイナスと地下資源の消費ゼロを目指し、取り組みを進める。

エプソンは、水を使わず繊維素材を価値あるカタチに変えることのできる独自技術※、ドライファイバーテクノロジーを搭載した乾式オフィス製紙機PaperLabを開発。現行の機種PaperLab A-8000を2017年から販売している。PaperLabは、使用済みの紙を機体の中で繊維化、結合、再生し、ほとんど水を使わず新たな紙を生み出すことができる。

※適度な湿度が必要です

「繊維化」「結合」「成形」の3つのプロセスで使用済みの紙から新たな紙「ドライファイバーペーパー」を生み出す
「繊維化」「結合」「成形」の3つのプロセスで
使用済みの紙から新たな紙「ドライファイバーペーパー」を生み出す

一般的な再生紙は、古紙を原料とし多くの水を使用して製造する。また、紙の運搬などにより、CO2も排出している。対してPaperLabは、オフィス等の拠点内で小さなサイクルで紙を再生でき、環境負荷低減への貢献も大きい。

今回のエコプロ2023では、『新型PaperLab(プロトタイプ)』と『PaperLab A-8000リフレッシュモデル(プロトタイプ)』をお披露目した。

お披露目にあたり、セイコーエプソン・執行役員の五十嵐氏は「PaperLabはオフィスでの資源循環を実現するために非常に重要な役割を担う商品です。エプソンの環境技術の進化を感じていただければと思います」と挨拶した。

セイコーエプソン 執行役員 プリンティングソリューションズ事業本部副事業本部長 兼 P商業・産業事業部長 五十嵐 人志氏
セイコーエプソン 執行役員
プリンティングソリューションズ事業本部副事業本部長 兼 P商業・産業事業部長
五十嵐 人志氏

参考:エプソンが社内で実践する環境配慮型オフィスとは?

多様な紙資源循環のニーズに応える

今回が世界初公開となった、現在開発中の2つのタイプのPaperLab。特に、『新型PaperLab(プロトタイプ)』は、従来モデルと比較しコンパクトなサイズに、さらに2022年のコンセプトモデルからデザインを一新、オフィス空間に馴染む、シンプルなデザインに仕上げている。

左:新型PaperLab 専用シュレッダー(プロトタイプ)<br />右:新型PaperLab 本体(プロトタイプ)
左:新型PaperLab 専用シュレッダー(プロトタイプ)
右:新型PaperLab 本体(プロトタイプ)

開発責任者の山中氏は「『導入のしやすさ』を徹底的に追求し、小型化と低コスト化にこだわって開発を進めてきました」と述べている。

現行のA-8000モデルに対し、高さと奥行きを抑えることで、体積ベースで約50%の小型化を実現。現行モデルの本体販売価格に対し、約半分の販売価格で提供できるよう、開発を進めている。

紙を再生する際の結合剤を天然由来のものに切り替え、新たな製紙プロセスにより、繰り返し再生した紙の強度を保つことに成功。環境性能をさらに向上したことが、『新型PaperLab(プロトタイプ)』の特長だ。

また、PaperLab本体で紙を再生するのに適した形状・サイズに使用済みの古紙を細断できる『新型PaperLab専用シュレッダー(プロトタイプ)』を開発。その場で機密情報を判読できないレベルに細断し、本体と離れた場所からでも安心して古紙の回収が可能となる。

「新型PaperLab専用シュレッダー(プロトタイプ)を古紙の出る場所に設置することで、オフィスビル内や複数の事業所や取引先との紙循環、自治体を中心とした地域全体での紙循環など、離れた場所からのセキュリティーを担保したカタチでの紙の回収が可能となり、より多様な紙循環のニーズに応えることができるようになります」(山中氏)

セイコーエプソン P商業・産業事業部副事業部長 山中 剛氏
セイコーエプソン P商業・産業事業部副事業部長 山中 剛氏

ユーザーの要望を新機能として搭載

『PaperLab A-8000リフレッシュモデル(プロトタイプ)』は、従来からの重要スペックはそのままに、既に現行モデルを使っているユーザーからの要望をフィードバックした新機能を搭載している。

PaperLab A 8000 リフレッシュモデル(プロトタイプ)
PaperLab A 8000 リフレッシュモデル(プロトタイプ)

その新機能の1つが、投入する紙が変わっても、条件を再設定することなくそのまま使用可能な事である。現行モデルでは、回収した用紙の種類に合わせ、製紙条件を個別で設定する必要があった。対して、新モデルは、用紙ごとに異なる繊維の状態をセンサーで検出し、紙種に応じた製紙条件を自動で最適化できる。

「リフレッシュモデルを開発するにあたり、現行モデルのA-8000を導入しているお客様を訪問し、ご要望を聞いて回りました。その中で、再生紙を使ってオリジナルのノートや社報を作るとき、A3サイズの再生紙では綴じ代がないため、製本した時にA4より小さいサイズになってしまうといった声がありました。そこで、最大サイズとしてA3延長を作ることで、アップサイクルへの利便性を高めました」(山中氏)

環境貢献をリアルタイムで見える化

新型PaperLab及び専用シュレッダー、A-8000リフレッシュモデル(3機種ともプロトタイプ)ともに、『環境貢献量の見える化』機能を搭載。投入枚数に合わせて、CO2削減量や木材や水に対する環境貢献量を自動的に計算するプログラムを組み込み、数値化された情報を本体パネルやPC、スマートフォン上でリアルタイムに確認することができる。

環境貢献量の見える化
環境貢献量の見える化
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これらの環境貢献の情報を社内で共有すれば、社員のモチベーションや環境意識の向上につなげるだけでなく、社外に発信することで、企業ブランドのイメージ向上や新しいビジネスへの発展の可能性を生み出すことができる。一方、地域住民や子どもたちがPaperLabを見て使うことで、環境教育にもつながっていく。

現在は、再生紙の枚数により、CO2排出量、木材使用、水使用の削減効果を見ることができるが、今後は、それによる生物多様性保護などの社会的価値などを数値化するべく、現在、大学などと連携して研究を進めている。

「PaperLabは、紙をその場で再生できる装置であるだけでなく、利用いただく企業、地域、社会、地球全体に様々な価値を生みだすことができるソリューション、サービスとなることを目指していきます」(山中氏)

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『新型PaperLab』は2024年秋、『PaperLab A-8000リフレッシュモデル』は2024年春の販売開始を目指し、現在開発が進行中。ラインナップ展開により、今後、ユーザーの設置環境や使用方法のニーズに合わせた最適なモデルを選ぶことが可能となる。

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エプソン販売株式会社
https://www.epson.jp/

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