CBAMや欧州電池規則などに適応する、サプライチェーン間のデータ連携

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数多くの企業の業務プロセスコンサルティングを手がけてきたノウハウを活かし、温室効果ガス排出量の算定をはじめとする脱炭素経営支援に力を入れるパーソルプロセス&テクノロジー。欧州国境炭素調整措置などの規制を踏まえ、サプライチェーン間のデータ連携に対応した同社のサービスについて、ビジネスエンジニアリング事業部エネルギービジネス第1統括部GXソリューション2部マネジャーの大久保 拓帆氏に話を聞いた。

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GHG排出量の算定が欧州との取引条件に

カーボンニュートラルの実現に向けて、スコープ3を含むサプライチェーン全体の温室効果ガス(GHG)排出量を算出する重要性が高まっている。

カーボンニュートラルに向けたデータ連携で世界に先行する欧州では、欧州国境炭素調整措置(CBAM)、欧州電池規則という新たな規制が2026年までに導入される。

CBAMは、欧州内に輸入される鉄やアルミニウムなど、一部製品のGHG排出量に対して税金を課す仕組み。欧州域外から欧州域内へ輸入する製品について、原材料の生産から工場出荷までの排出量を算定・報告することを求める。欧州と取引がある自動車メーカーなどの製造業は対応が必要となる。

欧州電池規則では、欧州に輸入される電池について、原単位ではなく一次データによる排出量の算定が求められるという。リチウムイオン電池を扱うメーカーは対応が必要だ。

しかし、排出量の算定フォーマットは企業によってさまざまで、海外のサプライヤーなどからデータを入手し、自社の排出量と合算するには労力が必要だ。「排出量の算定をできるだけ効率化するには、サプライチェーン上の国内外の企業のデータをうまく連携させることが重要です」と大久保氏は指摘する。

パーソルプロセス&テクノロジー ビジネスエンジニアリング事業部 エネルギービジネス第1統括部 GX ソリューション2部マネジャー 大久保 拓帆氏
パーソルプロセス&テクノロジー
ビジネスエンジニアリング事業部 エネルギービジネス第1統括部
GX ソリューション2部マネジャー
大久保 拓帆氏

こうした動きを受けて、国内でも、経済産業省が推奨するデータ連携基盤「ウラノス・エコシステム」など、企業や業界の垣根を超えたプラットフォームの構築が進められている。

欧州国境炭素調整措置(CBAM)や欧州電池規則という新たな規制への対応が求められている
欧州国境炭素調整措置(CBAM)や欧州電池規則という新たな規制への対応が求められている
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排出量削減に必要な支援をワンストップで提供

GHG排出量を算定する必要性が高まる中、企業はどのような課題に直面しているのか。「現状把握のフェーズでは、『どの排出量算定ツールを選んだらいいのか分からない』と悩む企業も多いです」と大久保氏。排出量の現状把握から削減目標の策定、実行までの業務プロセスを、自社だけで構築しようとして、マンパワーや時間、専門知識の不足といった課題に直面する企業が多いという。「それに加えて、今後はCBAMや欧州電池規則といった規制への対応が求められる企業も増えるでしょう」と大久保氏。

こうした課題の解決策として、業務プロセスのコンサルティングを中心に事業展開するパーソルプロセス&テクノロジーは、排出削減に向けた一連のサイクルを社内に定着させるために必要な支援をワンストップで提供している。排出量算定ツールに関しては、野村総合研究所、booost technologies、zeroboard、Microsoftという提携ベンダー4社の中から、データ連携の必要性などに応じて、それぞれの企業にどのツールが最適なのかを検討し、導入から運用までをサポートする。

「ツールの検討や導入はもちろん、運用フェーズでの実務の提案や実行支援、DXに向けたサポートも行います」。CBAMや欧州電池規則に対応した排出量算定ツールの導入もすでに進めているという。

企業単位のGHG排出量報告はもちろん、各種規制に則った製品単位でのカーボンフットプリント報告などをワンストップで支援する
企業単位のGHG排出量報告はもちろん、
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ツール導入後の排出削減の実行フェーズまで伴走

同社は現在、自動車メーカー・関連サプライヤーを対象に、野村総合研究所の排出量算定ツール「NRI-CTS」の導入に向けた支援の実証を行っている。「NRI-CTSはCBAM、欧州電池規則に対応した排出量算定ツールです。自動車メーカーと関連するサプライヤーに導入してもらうことで、サプライチェーン全体の正確な排出量データを算定できるようになり、規制にも対応しやすくなります」。

また、大手システムインテグレータへは、数十万件の排出量データを定量的に管理するために、booost technologiesの排出量算定ツールの導入をサポートした。「はじめに、手作業での算定ではなく、ツールを導入して効率化したいというニーズがあったため、操作性を重視して選定しました。部門別、プロジェクト別での排出量の管理、可視化がスムーズになったと評価をいただいています。排出削減の実行フェーズでは、非化石証書による排出量のオフセットもサポートしました」と大久保氏はデータ連携の成功事例を挙げる。

脱炭素経営に取り組むことは、前述の欧州などの規制をクリアし、企業価値を高めるチャンスでもある。その一方で、膨大なデータを連携してまとめるには、相当の手間がかかる。「パーソルプロセス&テクノロジーは、業務プロセスのコンサルティングで培った経験をもとに、CBAMや欧州電池規則にも対応できる専門性の高さを活かして、お客さまの脱炭素経営にしっかりと伴走します。どの排出量算定ツールを導入したらいいかわからないという方も気軽に問い合わせていただきたいです」と大久保氏は力強く語る。

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