毎月数万円のコストでデマンド値が700kW→500kW未満に 企業の省エネ・脱炭素を強力にサポートする『おまかせSave-Air』
2001年の創業以来、“総合エネルギーサービス事業”を通じ、顧客のエネルギー最適化に貢献してきた関電エネルギーソリューション。近年はエネルギーマネジメントによる省エネの徹底や新しいエネルギーへの転換に向けたソリューションの提案に力を入れる。同社の提供する、AI自動チューニング機能搭載 空調制御サービス『おまかせSave-Air(セーブエアー)』を、導入事例も交えて紹介する。
『おまかせSave-Air』3つの特長
脱炭素社会への動きが加速するなか、関電エネルギーソリューションでは、エネルギー関連設備を中心に、空調・衛生・通信など多様な設備の設置、運転、メンテナンスを一貫して担うことで最適なエネルギー状態を創り出す“ユーティリティまるごとas a service”の開発・提供を志向する。
建物や店舗の電力使用量の48%を占める空調(資源エネルギー庁推計)。空調設備の省エネは、経費削減と脱炭素経営の大きなポイントとなる。
同社の提供する『おまかせSave-Air』は、制御用コンピュータで空調室外機を自動制御し、快適性を維持しながら空調エネルギーの省エネを実現するサービスだ。
特長は大きく3つ。1つは、快適性と省エネの両立。独自の省エネ制御で効率のよい運転をキープ。空調設備の使用電力量とCO2排出量を約10~20%削減できる。空調負荷を常時監視し、効率の悪い運転を回避しつつ、快適性が損なわれると判断した場合は制御を緩和。さらに、運転を繰り返すことでAIが学習し制御の精度を向上していく。
2つ目の特長は、フレキシブルできめ細かなデマンド制御。建物全体の消費電力に応じて段階的に出力レベルを自動調整。リアルタイムの段階制御により、空調デマンドを約10~20%削減する。
3つ目が、簡単操作と省エネの見える化。ユーザーのスマートフォンやタブレット、パソコンなどWEB画面から空調の制御レベルなどの設定変更ができ、制御状況・省エネ効果も確認できる。
導入のハードルが低く、効果が高いことが導入の決め手
精密機械を製造販売するI社(兵庫県)。工場拡大に際し、空調機をすべて電気式に変えたのを機に、『おまかせSave-Air』を導入した。
同社工場では、それまでも省エネを心掛け、照明を全てLEDに交換し、エアコンの温度管理もしていた。また、デマンド警報装置で目標値を超えそうになるとアラートを鳴らし、各職場のエアコンを切るよう、放送で呼びかけもしていた。ただ、どの取り組みも各職場の自主性に任されており、成果はあまり出ていなかった。
「人手をかけず、きめ細やかたなデマンド制御ができること。デマンド目標値と現在の消費電力に応じ、空調の出力を段階的に自動調整してくれるため効果が出やすいこと。さらに、初期費用がかからず、月々のサービス料金も数万円で導入できることから、『おまかせSave-Air』の採用を決めました」(総務部 部長)
工場を拡張した当時、デマンドコントロールできる製品を検討したが、初期費用が約200万円かかるというので断念した。
「導入のハードルが低いことは同サービスの大きな魅力です」
同サービス導入から約1年、省エネ効果はかなり出ている。同時期に太陽光発電も導入したが、天候により不安定な太陽光発電を『おまかせSave-Air』の制御で補っている。従業員の声を聞き、快適性に配慮しながらデマンド目標値を超えないよう、パソコンのWEB画面で設定を管理、変更。現在ではデマンド制御の夏冬の最適設定を発見でき、冬場朝方のピーク時にもデマンド値を500kW未満に抑えられている。
「以前はデマンド値が700kW近くまで上がったこともありましたから、職場の快適性に配慮しつつ効果を得られて嬉しいです。近年、新たな事業として植物工場事業に取り組んでいますが、空調の電気代が大きな生産コストになりますので、こちらへの導入も検討していきたいです」
快適性を維持しながら
人手をかけずに省エネを実現
快適な環境の維持が必須となる、ショッピングセンターやホテルなどでも、『おまかせSave-Air』が採用されている。
関西の32拠点でショッピングセンターを管理・運営するH社(大阪市)では、施設の省エネ対策として同サービスを導入した。
ショッピングセンターでエネルギー使用量を削減することは、環境対策や経費削減の点で極めて重要な課題。同社では、これまでも施設内照明のLEDへの変更など、様々な省エネの努力を続けてきた。
快適な環境を損なうことができないショッピングセンター内の各施設では、消費電力量の推移を人が監視し、手動でエアコンのスイッチを操作している。
「従業員が一丸となり節電に取り組んでいますが、細かな調整には限界がありました。人手をかけず店内の快適性を維持しながら省エネができる新たな対策を模索していたところ『おまかせSave-Air』を知りました」(設備管理部 部長代理)。
これまで『おまかせSave-Air』を3店舗に導入。全ての施設で、空調にかかる使用電力量を約24~28%削減している。また、デマンドコントロールで基本料金の削減も実現した。同社では今後、さらに4施設へ順次同サービスの導入を計画している。
また大型ホテルでも、『おまかせSave-Air』を導入することで、快適性を維持しながら確実な省エネを実現できるという。全国でホテルチェーン事業を展開するR社は昨今の電気料金の高騰を受け、空調設備の省エネを実現すべく『おまかせSave-Air』を導入した。
同ホテルでは、電気料金の高騰と脱炭素社会への社会的要求から、さらなる省エネを検討。電力使用量の多くを占める空調設備に焦点を当てた省エネ対策を考えていたが、快適性を損なうことなく省エネすることはハードルが高く、具体的な対策に踏み込めないでいた。
「空調機を自動制御でき、手間なく電気料金の削減を実現できる点が魅力的でした。半年間で空調設備の電気使用量を約16%削減でき、省エネ効果には満足しています」(R社 施設管理課 担当課長)
今回の導入で効果を実感したことから、全国に43店舗を展開するグループの他ホテルへの導入も、今後検討していく予定だ。
※掲載情報は取材当時の内容です。