関西電力、脱化石化に向けた「ゼロカーボンパッケージ」を提供

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ゼロカーボンを目指す企業を対象に、現状把握から具体策の実行までワンストップで行う「ゼロカーボンパッケージ」について、関西電力 営業部門法人営業第一部 法人営業グループ(産業) 課長 生島 正之助氏に聞いた。

コンサルからサービス提供まで一気通貫で

関西電力が提供する「ゼロカーボンパッケージ」は、企業のゼロカーボンを実現するために、コンサルティングとサービス提供の双方をワンストップで行う。

具体的には、(1)現状把握(現状のエネルギー使用設備やその構成比率、遊休地有などに関するヒアリング)、(2)ロードマップ策定(顧客ごとにカスタマイズした削減ポテンシャルの明示、各対策の費用対効果を見える化)、(3)ロードマップに沿った具体策の実行(空調制御・エネルギーマネジメント、非化石燃料化、再エネ電力、J-クレジットなどの証券購入、太陽光オンサイト、オフサイト+蓄電池など)、(4)効果検証・アップデートの4つの道順を顧客企業と伴走し、カーボンニュートラルを実現する。

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廃熱利用には産業用ヒートポンプを活用

生島 正之助氏
関西電力 営業部門
法人営業第一部
法人営業グループ(産業) 課長
生島 正之助氏

実際に「ゼロカーボンパッケージ」を利用するとどれほどの効果があるのか。製造業にフォーカスして、その課題と解決までの道筋を説明する。

製造業におけるエネルギー利用の多くは化石燃料で、そのなかでも「ボイラ」と「直接加熱」が大半を占める。そして、多くの工場では、エネルギー棟で「化石燃料」を「蒸気」「冷水」などに変換し、配管を通じてユースポイントへ供給する集中供給方式を採用している。

その際、乾燥・濃縮・洗浄・冷却などの工程で温度レベルが異なるために、一番高い温度に合わせて対応する必要がある。その結果、放熱ロス、減圧ロス、熱交換ロスなどが発生してしまう。ボイラの効率は約90%だが、熱利用全体を見た効率は54%。実に、投入燃料の約半分を捨てている計算となる。そのうち、200度未満が76%。

そこで、廃熱の再利用を行い、ロスを減らす施策として関西電力が提案するのが産業用ヒートポンプだ。法人営業グループ課長の生島正之助氏は「高温でしか利用できないと思われているヒートポンプですが、200度未満に対応するラインアップを多く取り揃えています」と話す。

CO2排出量8割削減に成功 CO2ゼロ工場も可能

実際に産業用ヒートポンプを導入した食料品メーカーでは、蒸気再圧縮システムを導入したことで、麦汁煮沸工程での廃熱利用を実現。一次エネルギー使用量、CO2排出量、ランニングコストともに約8割の削減に成功した。

また、化学メーカーでは、ゴム原料となるポリマー加温工程に「空気熱源ヒートポンプ」を導入したことで、品質向上と省エネを実現。ほかにも、粘着剤の乾燥工程へ「水熱源式熱風ヒートポンプ」を導入し、環境負荷低減とエネルギー消費量の削減を実現した事例など、多くの化学工場で成果を出している。

生島氏は「カーボンニュートラルに向けてさまざまな懸念事項があるかと思いますが、関西電力はお客様ごとにカスタマイズしたソリューションを提供することで全て解決いたします」と力を込める。

 

お問い合わせ先

関西電力株式会社関西電力株式会社
〒530-8270
大阪市北区中之島3-6-16
https://sol.kepco.jp/cp/202105zero/

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