世界は本気で変えられる ~脱炭素の分野で再び“Japan as No.1を目指して”~
クライメートテック領域で脱炭素・ESGのマルチプロダクトを展開するアスエネは、8月27日に「アスエネESGサミット2024」を開催。脱炭素に関わる有識者・官公庁・関連団体および脱炭素に取り組む先進企業を招き講演が行われ、アスエネFounder&代表取締役CEOの西和田浩平氏も自ら登壇した。世界NO.1のクライメートテック企業を目指す同社の成長戦略と未来展望とは。
3つのビジネスモデルに加え新たに人材系事業を開始
CO2排出量の見える化・削減・報告クラウドサービス「ASUENE」、ESG評価クラウドサービス「ASUENE ESG」、カーボンクレジット・排出権取引所「Carbon EX」の3つのビジネスモデルを展開するアスエネ。
2019年の設立から順調に事業を拡大、国内をはじめグローバルでもビジネスを成長させている。CO2の見える化でサプライチェーンのGX化を支援する「ASUENE」は、累計導入社数9,000社を突破し、提携企業数も150社を超えて伸び続けている。企業間のサプライチェーンを国際規格のESGレーティングで評価するSaaS型サービス「ASUENE ESG」は、被評価企業数が14,000社以上となっており、製造業・建設業をはじめとした多くの企業のESG経営を推進する。
また、2023年6月にSBIホールディングスと合同で設立した新会社「Carbon EX」では、カーボンクレジット取引所のサービスをローンチ。プラットフォーム登録社数は直近、1,200社以上となっている。
「事業拡大に伴い、人材採用に力を入れており、直近でメンバーは300名ほどになっています。日本だけでなく、シンガポールに『ASUENE APAC』、アメリカに『ASUENE USA』を立ち上げ事業を展開しており、フィリピンのグローバル開発センターでは現地エンジニアを多数採用するなど、グローバルでビジネスを成長させています」と、西和田氏。
さらに8月27日の本講演で、既存の3つのビジネスモデルに加え、新たな人材系事業として「アスエネキャリア」を発表。GX、ESG人材特化型の転職プラットフォームを立ち上げた。GXやESGが盛り上がる一方で、リクルートエージェントの調べによると日本のGX求人の推移は、2016年度を1とした場合で、2023年には約8倍に増加しているという。一方、転職者数は2016年度比で4.16倍に留まり、求人比率に対して伸びていないのが現状だ。「この領域に多くの優秀な人材を送ることで、企業におけるGXやESGの推進を支援していきます」
グローバルこそ業界特化型で勝負
同社は2024年6月と8月にシリーズCラウンドの資金調達を行い、合計50億円の調達を完了。これまで4回のファイナンスで、累計101億円の資金を調達している。この資金調達は、「時価総額1兆円企業」と「グローバルNO.1」を目標に掲げて実施したもの。同社は現在、収益ベースでは日本およびアジアで1位、グローバル3位のポジションにいる。
「アスエネは2019年に設立し、2021年に現在のビジネスモデルを開始しました。これは、海外の競合と比べても決して遅くない。サステナビリティの、特にソフトウエアのクライメートテックに関しては、グローバルと比較しても差のない状態です。我々の今のポジショニングは、世界NO.1を狙える位置だと思っています」
「時価総額1兆円企業」を目指すなら、グローバルで勝つことが必須だ。特に、市場が大きく、時差が少ないことからコミュニケーション、契約後のカスタマーサポートがしやすい点で、アジアに注目しているという。
「競争環境の観点から見ても、アジアでの勝ち筋は、より高いと感じています。また、ソフトウエアを使う企業が多いという観点で中国・インドを除いて最大のマーケットとなるアメリカにもチャンスがあります。グローバルでは直近、アジア、アメリカを注力領域と捉えています」
製造業における導入実績でも日本No.1の実績を持つ同社。グローバルに関してはブランディングも含め製造業に特化した方針で進めている。
「製造業がCO2の見える化をするなら『ASUENE』だと。会社全体、製品、水や廃棄物、大気汚染物質も全て管理できる。こうした製造業に特化したサービスは、IT系や小売系をターゲットとする競合他社にはありません。グローバルこそ、業界に特化していくのが、我々の戦略です」
M&Aで飛躍的な成長を図る
「時価総額1兆円企業」を最速で目指すには「グローバルとM&Aの2つがキーワード」だと西和田氏。今後、国内におけるM&Aの件数を本格的に増やしていく予定だ。
2024年8月にはCoRocket社の非財務データの第三者保証事業のM&Aを実施。人材などの獲得とともに、8月1日に非財務データの第三者保証事業を提供する新会社「アスエネヴェリタス株式会社」を設立した。
2027年3月期以降、時価総額3兆円以上の大企業からサステナビリティおよび気候変動に関する情報開示が義務付けられる見込みとなっている。それに伴い、非財務情報・データの確かさを担保する第三者保証・検証へのニーズが高まっている。
「アスエネヴェリタス」では、気候変動および非財務データの第三者保証・検証業務をメインに、脱炭素・気候変動対策関連のアドバイザリーサービス、システム機能開発の支援などを行っていく。さらに、CO2見える化クラウドサービス「ASUENE」の第三者保証・検証・監査機能の強化を行うことで、企業のCO2排出量算定から開示までの業務を効率化。企業の脱炭素経営業務をアスエネグループがワンストップで支援する。
脱炭素の分野で“Japan as No.1”へ
今回のシリーズCラウンドの資金調達では、三井住友銀行、SBIインベストメント、村田製作所、リコー、KDDI、ソニーベンチャーズ、日本生命、JERAなど大手企業からの出資を受けている。今後は、出資企業、グループへのCO2のさらなる見える化、ESG経営のサポート、カーボンクレジット周りのサービス導入、業務提携による取り組みもあわせ、高付加価値のサービスの提供を行っていく。
「今回の資金調達はアスエネにとって極めて重要なマイルストーンです。今後は、すべての産業の変革にGXやESGが当たり前に求められていく世界になります。アスエネは、日本だけでなくグローバルでの社会インパクトを最大化し、ほかの誰かではなく我々自らの手で変化を起こしていきます。日本での事業拡大、M&Aによる飛躍的な成長、AI・LLMの強化、グローバル展開など含め、脱炭素領域での“Japan as No.1”へ向けて仲間、株主、パートナーと共に挑戦していきたいと思います」
アスエネ株式会社
〒105-0001
東京都港区虎ノ門1-10-5 KDX虎ノ門一丁目ビル WeWork 4階
URL:https://corp.earthene.com/