排出削減とコスト効率化を両立、グリッドのAI技術

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AIベンチャーのグリッドは、独自のAI技術によって社会インフラ分野を担う企業を中心に多くのソリューションを提供している。現場のオペレーションに入り込み、AI技術を活用して最適化・自動化を実現するのがグリッドの強みだ。カーボンニュートラル達成に向けて脱炭素化に取り組む企業が増える中、グリッドは新たなシミュレーター『ReNom GX』を打ち出した。デジタルツインによって、『CO2排出量』と『生産コスト削減』の両輪で最良のシナリオを導き出すという『ReNom GX』に迫る。

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AI技術で『CO2排出量』と『生産コスト削減』を最適化

グリッド 事業推進部 CBDO 中村 秀樹氏
グリッド
事業推進部 CBDO
中村 秀樹氏

エネルギーや物流、都市交通といった社会インフラ分野を中心に、豊富なAI開発の実績をもつテクノロジーベンチャーのグリッド。デジタルツインによって現実世界のビジネスルールまでもデジタル空間に再現し、AI技術を用いてオペレーションを最適化する。CO2排出量の見える化にとどまらず、オペレーションを最適化することで排出量削減と生産コスト削減を両立するという確かな成果を出すのが、同社の大きな特徴だ。

事業推進部 CBDOの中村 秀樹氏は「社会インフラ分野にAI技術を導入し最適化を図ることを、海外では取り入れ始めています。しかし、日本ではまだ実例が少なく、AI技術といっても分析や予測などで終わってしまうケースも多いのが現状です。当社では、インフラ業務の根幹であるオペレーションにしっかりと踏み込み、『CO2排出量』や『生産コスト削減』といった成果を出すことにこだわっています」と話す。

グリッドの脱炭素へのアプローチ
グリッドの脱炭素へのアプローチ

同社はこれまでも、独自のAI技術でインフラ業務の最適化や自動化を後押ししてきた。2022年7月には、四国電力の電力需給計画立案システムにおいて、同社のデジタルツイン・AI最適化開発プラットフォーム『ReNom Power』の運用が開始された。電力需給計画の立案では、需要や市場価格、再生可能エネルギー発電量といった変動の激しいデータを適切に評価しなければならない。グリッドのAI技術は、こうした複雑な要素が絡み合う高度な電力需給計画の最適化においても、十分な効果が得られるとされている。

複数のシナリオで事業計画の選択肢を提示

経営における脱炭素化の重要性が増す今、大企業にとってサプライチェーンを含めたCO2排出量の可視化はもとより、目標値の設定や削減対策も待ったなしの課題だ。こうした要請から、グリッドは2022年3月、排出削減のシナリオプランニング・デジタルツインシミュレーター『ReNom GX』をリリースした。『ReNom GX』では、あらゆる社会変化を想定しながら、将来の事業計画におけるCO2排出量とコストの変化などをシミュレーションできる。

複数のシナリオで幅を持たせた予測を行う
複数のシナリオで幅を持たせた予測を行う

「ここ数年、大企業を中心に脱炭素化の取り組みが加速してきました。多くの企業がCO2排出量の可視化からスタートするのですが、次のステップで何をすればわからないと悩むお客様が少なくありません。こうしたご要望をいただく中で、排出量の可視化だけでなく、不確実性の高い見通しが効かない中で、どのような削減策を講じていけば良いのかというシナリオのプランニングだと考えました。そこで『ReNom GX』では、一つのシナリオだけではなく、さまざまな選択肢を提示できるよう改善を重ねました」と、中村氏は開発の背景を明かす。

『ReNom GX』では、為替や燃料価格、天候などの外部要因を変化させることで、CO2排出量やコストがどのように変わるのかという柔軟なシミュレーションが可能だ。「単一のシナリオによるピンポイントのシミュレーションはまず当たりません。重要なことは、複数のシナリオで幅を持たせた予測を行うことです」(中村氏)

また、シミュレーション結果を意思決定に反映しやすくするため、2週間や1カ月など任意の期間におけるCO2排出量・コストも簡単に集計できるようになっている。それに加えて、将来実現したい排出削減量やコスト額から逆算して、どのような対策を取るべきかを想定するのにも役立つという。

AIの力でオペレーションを担う『人』を支えたい

組織が大きい中で、脱炭素化を推し進めるには、経営企画やサステナビリティの担当部門だけでなく、業務のオペレーションを担う現場を含めたコンセンサスを得ることが重要になる。その際、将来のシナリオとCO2排出量・コストの相関関係が可視化されていれば、合意形成を図る際の手助けにもなる。また、大企業では多くの場合、グループ会社などが情報システムの管理を担当している。グリッドでは、こうした既存のITベンダーとも連携しながらシステムの導入を進めるという。

同社がソリューションを提供する際にもっともこだわっているポイントの一つが、現場にしっかりと入り込み、オペレーションの効率化を確実に実現する点だ。排出量の可視化の次のステップである目標値の設定や削減対策を実行するには、現場のオペレーションが鍵を握ると中村氏は強調する。オペレーションを最適化することで、大規模な設備投資を伴わなくてもCO2排出量削減ができ、同時にコストが圧縮されることも多いという。

「社会インフラ分野では、多くの現場で人によるオペレーションが行われています。当社では、現場で働く人たちの知見をデータとしてインプットすることで、その企業に特化したシステムに育てていきます。AIやテクノロジーは、ともすれば人を排除するようなイメージをもたれることがありますが、そうではなく、社会インフラを支えているのは間違いなく人です。AIがそのサポートを行うことでオペレーションを最適化できれば、後継者不足など現場が抱える課題解決にもつながると考えています」と中村氏は力を込める。

独自のAI技術を活用した『ReNom GX』は、『CO2排出量』と『生産コスト削減』の効率化を両立し、企業の環境活動と事業成長を同時に実現する。同社は現在、社会的なインパクトの大きいインフラ分野を中心にソリューションを提供しているが、「サプライチェーンの一工程など簡易版としての導入アプローチも広げていきたい」と中村氏は展望を語った。

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