ダイヘン、低コストで導入・運用可能なパッケージ型系統用蓄電システムを発売

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インテックス大阪で2023年5月に開催された「JECA FAIR 2023 ~第71回電設工業展~」では、変圧器や溶接機などの電力インフラメーカーであるダイヘンが、独自のEMS「Synergy Link(シナジーリンク)」を搭載したパッケージ型の蓄電システム「2MWh蓄電池パッケージ」を出展した。需要地ではなく系統に接続する蓄電所は、再生可能エネルギーの安定的な運用に役立つと期待される。大規模な蓄電所も低コストで導入・運用できるとして注目の的になった。

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ダイヘン独自のEMSを搭載した蓄電所向けパッケージが登場

インテックス大阪で2023年5月24日から5月26日に開催された「JECA FAIR 2023 ~第71回電設工業展~」には、脱炭素化への関心の高まりを受けて多くの来場者が訪れた。中でも、ダイヘンのブースには独自開発のエネルギーマネジメントシステム(EMS)「Synergy Link(シナジーリンク)」を搭載したパッケージ型の蓄電システム「2MWh蓄電池パッケージ」が展示され、来場者のひときわ熱い視線が注がれた。

需要地ではなく電力系統に単独で接続する蓄電所は、系統への充放電を通じて、電力の安定的な運用や再生可能エネルギーの有効活用に役立つと期待される。2022年の法改正によって蓄電所が発電事業に位置付けられたことで、ビジネスに参入する企業が増えている。

ダイヘンの「2MWh蓄電池パッケージ」は蓄電池(容量2MWh)、パワーコンディショナ、変圧器、連系設備など、蓄電所に必要な機器が一揃いになっている
ダイヘンの「2MWh蓄電池パッケージ」は蓄電池(容量2MWh)、パワーコンディショナ、
変圧器、連系設備など、蓄電所に必要な機器が一揃いになっている
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大規模な蓄電所も低コストでエネルギーの最適運用が可能に

ダイヘンが新開発した「2MWh蓄電池パッケージ」は、蓄電池(容量2MWh)、パワーコンディショナ(PCS)、変圧器、連系設備など、蓄電所に必要な機器が一揃いになっている。系統と電力を直接やりとりする蓄電所には高度なエネルギーマネジメントが求められるが、同システムにはダイヘン独自のEMS「Synergy Link」が標準搭載され、充放電を最適に監視・制御できる。

同社EMS事業部長の服部 将之氏は「『Synergy Link』は、手のひらサイズのモジュールをそれぞれの機器に設置するだけで、機器やシステムが協調して最適なエネルギーマネジメントを行うため、従来必要となる高額な中央監視制御装置が不要です。大規模な蓄電所で複数のパワーコンディショナを制御する場合も、コストを抑えられるメリットがあります。蓄電池の残量のばらつきも自動で制御でき、大型の蓄電所のエネルギーマネジメントに最適です」と話す。

ダイヘン製機器で構築した蓄電所のイメージ
ダイヘン製機器で構築した蓄電所のイメージ

「ユーラス白鳥バッテリーパーク」へ納入

「Synergy Link」により、複数台のシステムを協調して最適に制御することができるため、要望に応じた容量変更も容易だ。ダイヘンでは「2MWh蓄電池パッケージ」以外の蓄電システムにも対応しており、再生可能エネルギー発電事業をグローバルに展開するユーラスエナジーホールディングスが設置を進める蓄電所「ユーラス白鳥バッテリーパーク」に、1.5MW/4.58MWhの系統用蓄電システムを納入した。

蓄電所「ユーラス白鳥バッテリーパーク」に系統用蓄電システムを納入
蓄電所「ユーラス白鳥バッテリーパーク」に系統用蓄電システムを納入

蓄電所の普及に導入が容易な「系統用蓄電システム」

昨今の不安定な世界情勢を受け、国は2023年1月、経済安全保障の観点から電力インフラを担う国産蓄電池を特定重要物資と位置付け、優遇措置を開始した。ダイヘンではすべて国内で製造された機器で構成され、経済産業省の補助制度の優遇措置の対象となる蓄電池システムも提供可能で、「国内一貫体制で製造された系統用蓄電システムを提供できることに加え、パッケージ型で導入が容易・低コストである点を多数の企業様より評価いただいております」と服部氏は話す。

再生可能エネルギーの最大限導入が求められる中、充放電機能を持つ蓄電所が果たす役割は大きいと服部氏は指摘する。「蓄電所は、太陽光・風力発電所に併設して余剰電力を充電し再エネ発電所の出力制御に起因する損失を低減するほか、充放電機能による電力の需給コントロールやデマンドレスポンスにも貢献できます。当社はシステムメーカーとして、蓄電所を構築するための商流やスキームの立ち上げに発電事業者やEPC事業者のみなさんとともに取り組んでいきたいと考えています」。

低コストで導入・運用できるアドバンテージによって、ダイヘンの系統用蓄電システムが国内の蓄電所の普及をリードする。

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株式会社ダイヘン 株式会社ダイヘン
EMS事業部 企画部
大阪市淀川区田川2丁目1番11号
問合せ先
email:info-ems@daihen.co.jp
TEL 06-7175-8599

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