限られた面積で最大の発電を実現するAIKOの「新世代N型ABCモジュール」
太陽光発電のEPC事業を手がけるユニバーサルエコロジーは2024年4月のAiko Energy Japan『新世代N型ABCモジュール』の正式採用に続き、2024年9月、軽量太陽光モジュール『ネビュラ』の取り扱いを本格的に開始した。最先端のバックコンタクト(BC)技術を採用した新世代モジュールの特徴について、Aiko Energy Japan社長の臧啓鵬(ソウケイホウ)氏とユニバーサルエコロジー代表取締役の石田友則氏が対談する。
中長期での発電量に大きな差が出るABCモジュール

――ユニバーサルエコロジー、Aiko Energy Japanの事業概要について、それぞれご紹介ください。
石田氏:2004年に設立したユニバーサルエコロジーは、再エネに特化した電気工事事業を行う会社です。太陽光発電を主体に事業を展開しており、2024年は屋根上をメインに自家消費太陽光の工事を、北は北海道から南は沖縄・離島まで手がけ、日本全国で太陽光発電の普及に取り組んでいます。
臧(ソウ)氏:AIKO は2009年に中国で設立し、太陽光セルの製造・販売から事業をスタート。セルの業界では出荷量が数年間、世界2位にランクインするなど、累計出荷量は140GWを超えています。2022年から太陽光モジュールの生産・販売も開始し、現在、太陽光モジュールの変換効率としては世界1位で、お客さまに最高峰の太陽光モジュールを提供しています。
――ユニバーサルエコロジーがAIKOのモジュールに出合ったきっかけは?
石田氏:我々は2006年くらいから太陽光のビジネスを始め、国内外のメーカーのモジュールを数多く取り扱ってきました。
20年~30年という長きにわたり稼働する発電所においては、発電量を最大化させることが重要課題です。毎年、品質、価格、システムの見直しを行うなかで2023年、“ABC(オールバックコンタクト)モジュール”という言葉に出合い、AIKOという名前を知りました。
Aiko Energy Japanの『新世代N型ABCモジュール』が他と圧倒的に差別化できているのは発電量です。その差は、1日や1カ月なら発電量的にも金額に換算してもさほど気になりません。しかし、20年30年の発電量を比較した場合には、モジュールの金額が若干割高だとしても、非常にリーズナブルとなります。20年間事業運営していく間には、モジュールの上に枯れ葉が積もることも鳥の糞が落ちることもあります。それが全体のストリングに影響を及ぼすことなく、他のストリングは活かしたまま発電できる。こうしたことも大きな強みです。

臧(ソウ)氏:我々は2022年にモジュールの事業に参入しました。モジュールメーカーとしては後発ですので、他社と同じような製品では差別化ができません。そこで、最先端の技術であるバックコンタクト(BC)技術を選びました。モジュールの配線を全て裏面に配置し、電力が表ではなく裏側で動いていることが、BC技術の特徴の1つです。当社が長年培ってきた独自セルの技術で、これを実現しました。
2025年は3倍の成長を見込む認知度アップはエビデンスがカギ
――Aiko Energy Japanとして、2024年の振り返りと、2025年に向けた事業展開や注力商品についてお聞かせください。
臧(ソウ)氏:当社は2023年4月から日本での事業を開始しています。2024年は23年に比べ高い成長率を実現しており、2025年は、2024年の3倍ほどの成長を見込んでいます。グローバルでは、2024年、約7GWの出荷量ですが、2025年には20GWの出荷量を見込んでいます。
2025年に向けては、引き続き、お客さまに最も出力・発電効率のいい製品を提供していきたいと思っています。特に、新製品として『フルスクリーン』という製品を発表する予定です。今のモジュールは、セルとセルの間にスペースがありますが、『フルスクリーン』では、そのスペースをなくし、さらに変換効率をアップさせていきます。
日本市場においては、住宅市場に特化していきたいと思っています。既に何社かとパートナーシップを結んでおり、住宅市場への販売を強化していきます。

――EPC事業者として、Aiko製品をどのように普及させていきたいですか?
石田氏:我々がモジュールを切り替える場合、オーナー企業様1社1社に対し説明会を開き、今までのモジュールとの違い、発電量に関しての違いを説明します。EPC側が勝手に選んでも、オーナー様が求めなければミスマッチングが起きるからです。特にAIKOさんのモジュールは、品質が高く、発電量も多い。そこをしっかりエンドユーザーに理解してもらうため、私どもとしての説明責任をしっかり果たしていく必要があるかと思います。
モジュールに関しては2023年度の導入が決まり、現在、設置がどんどん進んでいる状況です。1年後、最終的なエビデンスが出た段階で、他の発電所との発電量の違いが明確に出てくるかと思います。
AIKOさんは中国では歴史あるメーカーですが、日本ではまだ知名度もブランド力も浅い。実際の発電量の違いがエビデンスとして出てくることで、社会的な認知度も上がっていくと確信しています。

臧(ソウ)氏:1年間の発電量が出てくれば、もっとお客さまに説得力のある説明ができるかと思います。ユニバーサルエコロジーさんとは今後も引き続き手を組んで、事業を一緒に展開していきたいと思います。
Aikoの新世代モジュールで理想を実現
――脱炭素が世界的な潮流となるなか、2050年のカーボンニュートラルが世界的なコンセンサスとなっています。こうした動きに、どのように貢献していきますか?
臧(ソウ)氏:気候変動対策として、太陽光の発展・普及は不可欠かと思います。限られた面積で、いかに発電量を最大化するか。モジュールの高効率化が重要です。
当社のモジュールは現在、変換効率が24.2%。これを、来年は25%、再来年には26%へと上げていきます。技術の革新によって、人類の脱炭素社会実現へ貢献していきたいと思っています。
石田氏:我々は、2004年の設立当時から、枯渇資源を使わない新しいエネルギー社会を作っていくことを理念に掲げてきました。1基でも多くの太陽光、風力、自然エネルギーを増やしていくことが、結果的に日本、世界への貢献になると定義づけています。
一方で、電気料金の高騰が日本国内における課題となっています。再エネのなかでも身近な太陽光発電を普及させていくことが、脱炭素だけでなく、お客さまの負担を減らすことにもつながります。
特に、日本国内では太陽光を設置できる面積は限られています。限られた面積で最大の発電ができるのは理想。その理想を実現させるのがAikoの新世代モジュールかと思います。それを普及させることで、脱炭素やカーボンニュートラルへ貢献していけると考えています。
――本日は、ありがとうございました。