CAFE(企業別平均燃費基準)

CAFE(企業別平均燃費基準)とは、自動車メーカーなどの製造・輸入事業者ごとに、出荷台数を加重した平均燃費を算出し規制をかける方式である。英語表記の「Corporate Average Fuel Efficiency」の頭文字に由来する。車種個別の達成ではなくメーカー全体のフリート平均で基準達成を求めるため、各社が技術的特性や市場動向に応じた柔軟な車両開発・販売ポートフォリオを構築できる点が特徴である。
日本の燃費規制における位置づけと2030年度基準
日本ではエネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)に基づくトップランナー基準の一環として導入されている。かつて適用されていた2020年度燃費基準を経て、現在は2030年度を目標年次とする新たな基準へと移行した。
2030年度基準では、乗用車の企業別平均燃費の推定目標値として25.4 km/L(WLTCモード換算)が設定されている。これは2016年度実績の19.2 km/Lと比較して32.4%の燃費改善を求める水準である。
従来のガソリン車、ディーゼル車、LPガス車に加え、2030年度基準からは電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド自動車(PHEV)も算定対象に追加された。これに伴い、車両走行時のみのエネルギー消費だけでなく、発電や燃料精製などの上流過程も考慮するWell-to-Wheel(WtW)の評価手法が導入されている。
海外の動向とフリート管理方式
CAFE方式はアメリカで先行して運用されており、運輸省道路交通安全局(NHTSA)が管轄している。米国では2024年6月に2027〜2031年モデルを対象とする最終規則が公布され、2031年モデル時点でフリート平均約50.4 mpg(マイル/ガロン)の達成が義務付けられた。市場のEV普及動向や大型車の需要を考慮した見直しも随時行われている。
欧州(EU)ではフリートCO2排出規制として展開されており、同様にメーカー全体の平均CO2排出量を評価する枠組みがとられている。2025年の目標強化や2035年に向けた新車CO2排出ゼロ目標など、世界各地で類似のフリート管理方式による規制強化が進む。
事業活動における実務課題と対応策
自動車メーカーにとって、CAFEへの対応は単なるエンジン効率の向上にとどまらず、全社的な販売ポートフォリオの最適化(フリートマネジメント)を意味する。利益率の高い大型車やSUVを維持・拡販するためには、燃費性能に優れたハイブリッド車やEV、PHEVを一定比率以上組み合わせて販売しなければならない。
基準未達時には、省エネ法に基づく勧告や公表、命令、罰則の対象となる。特に米国などでは未達に対する巨額の罰金ペナルティが存在し、基準を超過達成した他社からクレジットを購入して不足分を相殺するクレジット取引が一般化している。
さらに日本におけるEVなどのWtW評価は国内の電源構成見通しに連動するため、国のエネルギー政策や電源の脱炭素化の進捗自体が自社の達成難易度に直結するという実務上の特徴も持つ。
関連ニュース 等
参考
- 国土交通省 ― 乗用車の2030年度燃費基準を策定しました!
- 経済産業省 資源エネルギー庁 ― 乗用自動車(トップランナー基準)
- 米国運輸省道路交通安全局(NHTSA) ― Corporate Average Fuel Economy
- 日本貿易振興機構(JETRO) ― 米運輸省、自動車の新燃費規制の最終規則発表
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