太陽光発電普及の隠れた課題とその解消

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太陽光発電システムを普及させる上で隠れた障壁となっている「7割ルール」。それを解消するのが、オムロンの独自技術「AICOT®」を搭載したパワーコンディショナだ。また、同社が提供する太陽光発電遠隔監視保守サービス「ソラモニ」が太陽光発電システムの安定稼働を支援し、再生可能エネルギーの普及に大きく貢献している。

昨年スタートした全量買取制度により、出力10kW以上、50kW未満の低圧連系の太陽光発電電事業は、多くの事業者が参入し、活況を呈している。ところが、太陽光発電システムの導入がなかなか進まないことがある。その原因の1つとしてあげられるのが、太陽光発電システムの設置台数制限を行う、いわゆる「7割ルール」の存在だ。

AICOT®はPV設置制限の壁を打破するキーテクノロジー

地域に停電が起きた場合、各太陽光発電システムが単独で運転を続けていると、復旧作業員が感電したり、ショートによる火災が起きたりという二次災害が発生しかねない。そこで停電時にはシステムを安全に停止させることが求められており、パワーコンディショナには単独運転検出機能が備えられ、停電中は送電しない仕組みになっている。

ところが、この検出方式はメーカーごとに異なるため電力会社と連系協議を行う際に、相互干渉しないことを証明する試験データの提出が必要になる。これには最低でも1~2カ月がかかるので納期が予定通りに進まない事態もしばしば発生していた。

また、送配電網全体の安全を保つための「7割ルール」と呼ばれる運用がある。これは「地域の分散型電源の設置容量を昼間の最低消費電力の7割に抑える」というもので、実質的には、導入地域の約1割程度の家に太陽光発電システムの導入が制限されてしまう。

実は、こうした課題を解決するため、相互干渉が起きない0.2秒という高速で単独運転を検出する技術が確立されている。それが、オムロンの単独運転防止技術「AICOT®」だ。電気安全環境研究所(JET)認証で基準化され、方式の一般公開により日本電機工業会(JEMA)にも規格化されている。

発電事業者や発電所の建設を請け負ったシステムインテグレーターにとっては、AICOT®」が搭載されたオムロンのパワーコンディショナを用いた場合、電力会社との協議が大幅に短縮できるメリットがある。

また、太陽光発電システムが普及し始めた現在、地域の1割を超える設置台数が申請されるケースが出てきており、太陽光発電などの再生可能エネルギーをさらに加速したい自治体や発電事業者にとって、設置制限を解消する「AICOT®」の登場は朗報だ。

AICOT®が解決する2つの課題

(1)多数台連系時に連系協議で納期が延びる (2)7割ルールにより町全体で約1割の家にしか太陽光発電を設置できない
ⅰ停電時にシステムが単独運転を続け、 感電や火災の恐れ ⅰ従来の方式では柱上トランスを越えた町全体での単独運転検出が困難。
ⅱ「単独運転検出機能が相互干渉しないことを証明」する試験データ提出が必要で約1~2ヶ月掛かる ⅱ系統の安全のために昼間の最低消費電力の7割に制限され、結果、設置できる戸数は町全体の約1割
AICOT®技術で解決 AICOT®技術で解決
0.2秒の高速検出の為、相互干渉せず、試験データが不要になり、短納期を実現 町全体での単独運転検出が可能なため、連系台数の制限を解消
2つの課題が解決でき、太陽光発電の普及を大幅に加速

オムロンは、こうした取り組みが評価され、昨年度、「AICOT®」搭載の太陽光発電システム用パワーコンディショナ『KP□K シリーズ』で、「新エネ大賞」の最高峰である経済産業大臣賞を受賞した。太陽光発電システムの普及に大きく貢献する技術と評価されてのことだ。

AICOTロゴ
屋内向け
パワーコンディショナ KP□Kシリーズ
屋外向け
 パワーコンディショナ KP□Mシリーズ

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