進化する太陽光発電システム 接続箱・キュービクルでコスト削減(2ページ目)

  • 印刷
  • 共有

システム品質向上へのソリューション 配電路設計図の無料提供サービスも

河村電器産業は、20A接続箱だけではない、太陽光発電における配電システムの品質向上のために様々な工夫を行っている。

まず、キュービクルのトップメーカーである同社は、国内外の産業用パワーコンディショナ約200品番の仕様を調べ上げ、すべてに対応できるようにキュービクルの品番を取りそろえた。パワーコンディショナ市場には、海外メーカーの参入、発電規模の大型化により、目まぐるしく新製品が投入されている。トランスレス化によるインバーター特有のノイズ電圧、地絡保護の方式、接地方式の違い、直流高圧化に伴う特殊交流電圧など、機器により様々な要素がありSI・EPC・施工業者は新しいパワコンに対応した変電設備の設計対応を余儀なくされているが、河村電器産業に依頼すればこの問題からは解放される。

そして、実は、河村電器産業にはこれまでクローズドで行っていたサービスがある。

太陽光発電システムの配電路設計図の無料提供である。太陽電池モジュール、パワーコンディショナ、システム容量、設置場所についての基本情報を入力すれば、半自動的に配線の配電路設計図が描かれる簡易設計図出力システムを開発済みで、専門家ではない営業マンでも、簡単に操作可能なのだ。

河村電器産業が開発した簡易設計図出力システム
河村電器産業が開発した簡易設計図出力システム。
基本情報を入力すれば半自動的に配線の配電路設計図が描かれ、無料提供される

前述の通り、リアルタイムで新しいパワコンの型番をすべて押えている同社だけに、出力システムの効果は非常に高く、SI、EPC事業者には本当に有難いサービスだ。

本システムを開発した水野氏は、「キュービクルメーカーとしてのノウハウから開発したもので、特に変電設備部分をクローズアップした配電図の為、参考図とはいえ施工計画の策定や系統連系協議において十分な役割を果たすレベルの仕上がりになっています」と言う。

耐侯性・施工性に優れた新型キャビネット登場

一番の特徴は、耐候性を高めていることだ。太陽光発電システムは様々な環境下で設置されるが、外部環境に長時間晒されるため、キャビネットは端面露出部から錆びていくことが少なくない。そこで、端面露出を徹底的に少なくする工夫としてキャビネット本体構造の継ぎ目をなくし、シームレスにした。このことで、最大限錆びにくくするとともに剛性も従来比で30%強度がアップし、設置環境によるキャビネットのゆがみが軽減される。加えて、最新の塗装技術により塩水噴霧1000時間・耐酸アルカリ性120時間の耐久試験をクリアし、耐環境性能が大幅にアップした。

2つ目の特徴は、雨水防御だ。屋根の先端形状をR傾斜からストレート傾斜へ変更、扉下部分に勾配を設けるなど、雨水の侵入・溜まりが極力起きないような構造にしたことだ。

3つ目の特徴は、施工性の向上だ。屋根形状の小型化や本体構造の変更などにより、従来品比10%の軽量化を実現した。

同社は、キャビネットだけはなく、最大システム電圧1000Vに対応した接続箱も開発中で、近日の発売を控えている。太陽光発電市場の変化にあわせ、常に製品開発をおこたらず、絶え間なくアップデートを続ける河村電器産業。

製品単体での品質向上だけではなく、太陽光発電システム全体の品質向上やトータルコスト削減に寄与したいという姿勢が強く感じられるメーカーであり、太陽光発電システムの設計・施工に欠かせないパートナー企業と言えるだろう。

【20A接続箱・キュービクルについて】
資料請求・お問い合わせ
河村電器産業株式会社
新規事業部 ソリューショングループ 東京事務所
〒141-0032 東京都品川区大崎5丁目10-10 大崎CNビル8階
http://www.kawamura.co.jp/electric/newproducts/new_pvh.php


この記事にリアクションして1ポイント!(※300ポイントで有料記事が1本読めます)